「地形」と「マップマスク」は、右クリック・メニューでも「キャラクターを作成」に次いで並んでいる、ユドナリウムの主要な機能です。
マップマスク
「マップマスク」は、メニューを選択すると「テーブル設定」で貼られたマップの画像の上に、黒一色の5マス×5マスの正方形を敷きます。マップマスクの上で右クリック・メニューを出すと、「固定する」「マップマスクを編集」「コピーを作る」「削除する」「オブジェクト作成」とメニューが並びます。
「固定する」は、そのマップマスクを表示している位置で固定します。マップマスクの中央に南京錠のアイコンが表示され、マウスでドラッグできず移動させることができなくなります。ただ、この固定はログインしている誰でもが「固定解除」できるので、絶対的なものではありません。
「マップマスクを編集」で開く「マップマスク設定」画面で、サイズ、張り込み画像、透過度を変更することができます。
「name」は、そのマップマスクの名称をつけることができます。複数のマップマスクを使う場合、見分けるのに使えます(誰でもが見ることができることに注意)。同じままでも、いくつもマップマスクを作成できますので、必ずしも変更したり、名前を考える必要はありません。
「width」「height」は、幅と奥行きのマス数です。テーブルのマップと同様に、何マス×何マスで大きさを計ります。
「opacity」とは、不透明度です。この数値を変更することで透明度を操作して、マップマスクの下が見える透明度にすることができます。
上部にある「画像変更」で、マップマスク表面に任意の画像を張り付けることができます。一色の画像を張り付ければ、魔法の効果範囲を表現したり、マップ上になにかしら置いてあることを表現できます。透過画像を設定すれば、透明部分のあるマップマスクとなります。マップマスク自体は四角形ですが、透過画像を駆使すればダンジョンの通路の形のマスクを作ることもできます。
マップマスクは白い枠線が描かれるため、そこにマップマスクが置いてあることは白い線でわかってしまいます。また、「地形」とは違ってテーブルのマップに沿った平面しか持たない "板" です。「地形」で高い位置の足場などを作ると、その上をマップマスクで隠すことはできません。
あとから作成したマップマスクは、前に作成したマップマスクより上層に配置されるので、ダンジョンの奥からマップマスクを作成して配置したり重ねて、入り口の方へ向かって順に作成すると、プレイ時に削除していくときには、パーティーがいる方から順に操作をすることができます。
地形
「地形」は、マップの上に置くキャラクターではない物体を表す直方体です。メニュー「地形を作成」をから作成すると、幅(width)2×高さ(height)2×奥行(depth)2の木箱のテクスチャが張られた立方体が現れます。固定していないので点滅していて、固定すると点滅しないで実体として配置されます。「地形」の上に、キャラクターのコマや別の「地形」を置くことができます。立方体の地形をブロックとして積み上げ、立体的な地形を構築することもできます。このとき、地形の上に「キャラクター」や、別の「地形」を置いたあと、足場になっている「地形」を取り除いても、上に置いた「キャラクター」や「地形」はその高さから動きません。これを利用して、クリーチャーが飛んでいるとか、高いところに浮いている足場とか、橋といった地形を構築できます。
「地形」も、操作しようとする地形の上で右クリック・メニューを開き、様々な設定をすることができます。ここでのサイズの数字も、何マスであるかを示します。立方体を複数並べなくても、ひとつの「地形」の大きさを変えることで、長い廊下や、通路や橋、広い部屋や足場といったものを表現できます。
「地形」は、4面ある側面(壁の画像)と上面(床の画像)に画像を設定することができます。テーブルに設定したマップの地形を置くマスと同じ画像を「床の画像」に設定すれば、マップその位置の高さのある床や足場を設けることができるわけです。
これを駆使すれば、立体的にダンジョンを設けることができます。画像は、「魂を食らう墓」に出てくる、とある社です。
それぞれ画像を設定した複数の「地形」を組み合わせて、手前の池の深さ、社の内部まで作ってあります。社の内部を隠している黒い板は、マップマスクではなく、黒い画像を設定した「地形」です。厚みが薄い壁は、サイズの数値で薄い直方体として、向きを変えて配置しています。
タクティカル・バトルが魅力的なD&Dでは、高さもあるとさらに臨場感が高まります。
ただし、「地形」や「キャラクター」があまりに多いと、処理でパソコンに負荷がかかり、表示しているブラウザーの間での通信量も増え、同期に時間がかかり、参加者のあいだでのリアルタイム性が損なわれることがあります。あまりに巨大なダンジョンをまるごと、ひとつのテーブルに組み立てるのは避けましょう。
「地形」は、設定のウィンドウの中の「保存」メニューで、ひとつのzipファイルとして保存ができます。これを活用して「地形」でのダンジョン探索を表現する方法があります。
マップから部屋や通路など、探索において区切られるところで切り離し、それぞれ「地形」の床に張り付けて、ひとつのzipファイルとして保存しておきます。パーティーがその場所に入る時に、該当する地形zipファイルをユドナリウムにドラッグ&ドロップして配置していきます。
足場として高いなら「地形」の高さを設定しておき、zip保存しましょう。その場所用の壁や物品も、「地形」で作ってzipファイル保存しておき、PCたちが目にするときに配置することができます。
この手法では、「画像」の「ファイル一覧」に探索先のマップの画像が表示されてバレることがありませんし、巨大なダンジョンをテーブルに組んでおくのに比べ、地形の数は少なくなるので、データ量過大の負荷もおさえられます。また、プレイヤー参加者が、勝手に「地形」の「固定」を解除してしまうとか、マップマスクをはがして見てしまう、という意地悪も防止できます。
このプレイに沿ってzipファイルを投入するという手は、「キャラクター」でも使えます。次回、zipファイルの保存についての詳細と合わせて説明します。
ダンジョンズ&ドラゴンズ 日本公式サイト
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◆その他の連載記事はこちら
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