グリッド・マップを使った戦闘
チェス柄とイニシアチヴ管理マスのあるマップを、ユドナリウムにドラック&ドロップし、「テーブル設定」メニューで画像をそのマップに変更し、"Width" を16、"Height" を12にしましょう。解説してきた距離管理マップと同じ構成で、位置管理部分はグリッドを使う用意ができます。グリッド・マップを使う戦闘は、プレイヤー用ベーシック・ルール日本語版 P.73、PHB P.192 に掲載のコラム「選択ルール:グリッド・マップを使った戦闘」を使うルールに追加すれば可能になります。追加するといっても、前回まで説明してきた戦闘のルールの中で距離を測る部分を、マップ上で将棋やチェスのようにコマの位置の管理をするだけです。
そのマスがどのような足場であるのかで、移動のルールの "移動困難" がより明確化されます。また、その升目に存在する物によって、その向こうが見えるかどうかが、遠隔武器や呪文の目標のルール、ローグの特徴などに意味が出てきます。より詳しいルールが機能することで、さらに位置関係が具体的になり「場面」として臨場感が増し、プレイのその瞬間が画になります。
距離をフィートで管理してきましたが、ここからは1マス=5フィートの換算でプレイします。移動速度が30フィートのクリーチャーは、グリッドで6マス移動できるというわけです。
PCのレベルが高くなればなるほど、グリッド・マップにおける位置取りは戦闘での重要な要素になっていきます。攻撃にしろ呪文の効果にしろ威力が高くなっていく中で、1マスの位置の違いが生死を分ける場面も増えていきます。
ファイターならば遠隔武器と近接武器をいつ持ち替えるかや、「怒涛のアクション」を行使する際、位置関係から攻撃をするか早足アクションを取るべきか、ローグならば「巧妙なアクション」により、ボーナス・アクションで早足、離脱、隠れ身のいずれをとるか等々、クラス特徴を使いこなすための情報が、グリッド・マップではわかりやすく提示されます。
呪文使いのキャラクターにおいては、例えばスリープの呪文には「射程内の君が選択した1点から20フィート以内にいるクリーチャーは、」とありますから、グリッドの線の任意の交点1点から半径4マス、つまり8×8の正方形が、呪文の効果範囲と判断できます。この効果範囲の正方形をどこにするかで、眠らせたい/眠りそうなクリーチャーだけを目標にできるか、味方を巻き込んでいたりするか、といった「位置取り」がとても分かりやすくあらわされます。味方ウィザードの放つファイアーボール呪文に巻き込まれるかどうか、マスが1つ違うことで大きく変わってきます。パーティー内の連携プレイの要素でもあるのです。
また、戦闘ではない場面でもグリッド・マップで場所を表現することにより、貴重品がしまわれている場所、何者かが隠れる場所、罠の構造といったものが、観念的にただあるもの、ではなく、具体的にすることができ場面の解像度が高まります。「部屋の中にある物」だけでなく、「部屋の隅に隠すように置かれた箱」の方が臨場感がありますし、箱を開けようとするローグ、書棚の書物を手に取って開くウィザード、武器棚の武器を検分するファイター、部屋の壁に掲げられた何かしらの印を宗教的な知識で読み解くクレリックと、PCの行動による物語が立ち上がり、調べたことによる発見についての反応をロールプレイする材料にもなります。
DMGには、さらに詳しい処理を行うことのできる戦闘の選択ルールと解説もあります。ですがコラム「選択ルール:グリッド・マップを使った戦闘」にあるルールだけでも、様々なクラス特徴や呪文の効果を活かし、戦い方の工夫でパーティーのチームワークが促進されて楽しいプレイになます。
次回は、ユドナリウムの機能によって、さらにマップで戦場を明確化して臨場感を高めるノウハウをご紹介します。
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