攻撃を行う
戦闘での攻撃は目標を決めて、攻撃ロールの出目に修正値を足し算します。その値が目標のアーマー・クラス(AC)以上ならヒットし、未満ならハズレです。修正値はキャラクターシートの武器の "攻撃ボーナス" に計算されています。隣接している目標へは近接武器、離れている目標なら遠隔武器で攻撃を行えばよいですが、どちらもこの判定です。
PCが攻撃を行うとき、目標のACはモンスターのデータですからDMが管理しています。プレイヤーは武器と目標を宣言し、攻撃ロールの出目に攻撃ボーナスを足した値を示します。DMは目標のACを見てヒットしたかどうか判断しましょう。ヒットしたら、使った武器のダメージ・ロールを行って、ダメージとしてモンスターのhpを減らします。
モンスターがPCを攻撃する時には、DMがモンスターの攻撃を行って、目標のAC以上であればヒット、そのPCのhpがダメージの分だけ減ることになります。
ACは、単に装備している装甲や防御力ではなく、身を動かして回避しようとすることも含めた「攻撃を避けられるか、当たってしまうか」という意味の数値です。そのため目標の側には、攻撃に対しての回避行動の判定というものはありません。
この攻撃アクションの応酬でhpが減っていき、戦闘が続けられなくなったら戦闘が終わります。
ヒット・ポイントがゼロになる
hp がゼロになった時、PCは「気絶状態」となります。そのままターンが回っていくと死亡セーヴィング・スローを行い、出目が9以下は失敗とカウントします。3回失敗すると死亡します。死亡するまでに、死亡セーヴで10以上の成功が3回になれば、気絶状態だが死亡セーヴはしなくて平気な「容体安定化」になります。それらが確定するまでに hp を回復すれば気絶状態は解除され、ターンが回ってきたら行動できます。
hp は1ポイントから回復します。大量のダメージを受けてもマイナスhpとなるわけではありません。ただし、hp が0になった時点で、ダメージが hp を0にしてなお目標のPCの最大hp以上のダメージ数が残ったら、PCは即死します。PCに比して強めの敵がクリティカル・ヒットで大ダメージを出したとき、最大hpが低いPCが即死する危険は常にあります。
モンスターやNPCは hp 0で倒され死んだものとして扱います。攻撃者は、hp 0にした時点で目標を気絶状態とすることもできます。この場合、気絶したクリーチャーにターンが回っても死亡セーヴィング・スローはしません。また、DMやアトベンチャーの都合で、死亡セーヴのルールを適用したり、hp 0になっても死亡ではない扱いをすることもあります。
自動的失敗とクリティカル・ヒット
攻撃ロールで1が出たら、攻撃ボーナスや目標のACに関係なくミスとなります。攻撃ロールで20が出たら、攻撃ボーナスや目標のACに関係なくヒットします。これがクリティカル・ヒットです。クリティカル・ヒットでは、その攻撃のダメージ・ダイスをすべて2回ずつロールし、出目をすべて足し合わせます。出目の足し合わせのあとで、攻撃ボーナスなどの修正値はそのまま計算します。ローグの「急所攻撃」のように、武器本体のほかにも加算されるダメージ・ダイスがある攻撃は、加算するダイス数も2倍になります。
攻撃ロールでの有利/不利
攻撃ロールには「有利/不利」が影響を与えます。有利であるときには2d20をロールして高い方の出目を採用します。不利であれば、2d20をロールして低い方です。攻撃する側から見たときの有利・不利の例としては、次のような事があります。
[有利] 目標が攻撃者を見ることができない状態での攻撃
[有利] 伏せ状態である目標への近接攻撃
[不利] 敵に隣接している状態で、遠隔武器攻撃を行う
[不利] 目標が長距離射程にいる遠隔武器攻撃
[不利] 回避アクションを取っている目標への攻撃
他にも、攻撃者の状態、目標の状態によって、有利/不利をDMが考慮します。PCのレベルが高くなるとクラス特徴による技で、モンスターも攻撃の特殊な効果を特徴などで様々な状態にしたり、される可能性があり有利、不利も変わってきます。ルールにおける「状態」は、「プレイヤー用ベーシック・ルール日本語版」やPHBの「付録A:状態」に詳しく説明されています。
ダメージ種別と、ダメージ抵抗、脆弱性
物理の武器には[殴打][斬撃][刺突]といった「ダメージ種別」があります。呪文の攻撃や魔法の武器には、さらに[光輝][力場]をはじめとする様々な種別があります。PCのレベルが1~2のうちは、あまり意識しなくてもプレイできますが、4レベル以上、特にファイアーボールの呪文が登場する頃になると、相手になるモンスターにもダメージ抵抗や脆弱性を持つものが出てくるので、ダメージ種別を意識して武器や攻撃を考える必要が出てきます。「ダメージ抵抗」は、指定のダメージ種別のダメージを半減します。低レベルのうちに出会うモンスターでは、スウォーム・オヴ・バッツ(コウモリの大群)が「ダメージ抵抗:[殴打]、[斬撃]、[刺突]」で、武器の攻撃のダメージが半分になってしまうため、知らないうちに遭遇して苦戦することが良くあります。
「脆弱性」は逆で、そのダメージ種別のダメージを2倍で受けてしまいます。スケルトンがもつ「ダメージ脆弱性:[殴打]」は、スケルトンというモンスターをよく表す脆弱性でしょう。
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