攻撃ロール以外の「攻撃が当たるかどうか」の判定
近接でも遠隔でも武器の攻撃は、攻撃ロールです。「遠隔呪文攻撃を行なうこと。」と書かれている攻撃の呪文も、目標のACを目標にした攻撃ロールを行います。呪文には異なる処理があります。目標の側がセーヴィング・スローを行って命中したかどうか判定するタイプと、必ず影響を与えるタイプです。
遊び始めてすぐに登場する、目標にセーヴィング・スローを要求する呪文の代表は、ウィザードのバーニング・ハンズと、クレリックのセイクリッド・フレイムでしょう。どちらも呪文の説明に「目標は【敏捷力】セーヴィング・スローを」とあります。
これらの呪文は、攻撃者のキャラクター・シートに計算されている「セーヴ難易度」を目標値にして、目標となったクリーチャー側、つまりDMがセーヴィング・スローのロールを行います。目標値未満は効果を及ぼし、目標値以上が出れば効果が半減したり無効になったりします。
モンスターがこの方式の攻撃をしてくる場合もありますから、呪文をセーヴィング・スローで耐えたり避けたりする事態に、早々に出会うことになります。
ダイスによる判定はなしに、何かしらの影響を及ぼす呪文は、低レベルでは多くはありませんが特徴的な呪文ばかりです。まず使われるのは、マジック・ミサイル呪文とスリープ呪文でしょう。
マジック・ミサイルは、攻撃者が効果範囲内にいる目標を見ることができていれば判定なく必中です。
スリープ呪文は、効果としての数値をダイスロールで出しておき、効果範囲内にいるクリーチャーの現在hpが低い者から順にhpを差し引いて行き、効果の数値に含むことができるところまでのクリーチャーが眠ってしまう、という効果です。hpが低めの弱い敵が多数いるときにかけるか、強い敵のhpが減ったところに、とどめとしてかけるか、使い所を考えることができる呪文です。
高い呪文レベルには、壁を作り出したり、戦場の状態を変えたりする呪文もあり、攻撃ロールやセーヴィング・スローでの判定ではない呪文が少なくありません。そのような呪文は使い方の工夫の余地も大きく、魔法使いの腕の見せ所にもなります。効果が比較的単純な呪文レベルが低い呪文から使っていくことで、プレイヤー自身が強力な呪文を使いこなす呪文使いに成長する楽しみでもあります。
ルールに書いてあることを、より生かすには
これまで紹介してきた戦闘のルールで、例のバトルマットでの戦闘をプレイしていけるとおもいます。PCが高いレベルに至り、強力で複雑なクラス特徴や呪文を使うようになっても、参加者が納得する形でDMが効果を裁定できれば、このバトルマットで長いキャンペーンを通してプレイすることができるでしょう。とは言え、ファイアーボール呪文の範囲や、7レベルのウィザードが覚えられるウォール・オヴ・ファイアー呪文、9レベルのクレリックのマス・キュア・ウーンズ呪文など、詳しい位置関係を参照することで高い効果を発揮する呪文はすぐに出てきます。クラスやモンスターの特徴の説明を読むだけでは複雑に思えるルールも登場してきます。
それらは、ベーシックルールやPHBの「選択ルール:グリッド・マップを使った戦闘」コラム1個を採用して、グリッド・マップを使うことでわかりやすくなり、より面白い戦闘を繰り広げることができます。距離だけでなく「場所」を管理することで、何がどこにあり、誰がどこにいて、何が見えていて、出来事が表現される「場面」を創り出します。
次回は、これまでの戦闘のルールを踏まえて、ユドナリウムでグリッド・マップを使うノウハウをご紹介していきます。
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