戦闘のターンで行うアクション
戦闘中の「アクション」は、ターンの中で1回とれます。「攻撃」を行ったら、同じターン中に「アイテムの使用」を実行したくてもアクションは「攻撃」で使ってしまったので、できないわけです。逆で、アクションで「アイテムの使用」をしたら、ほかにアクションを実行することはできません。では、アクションの中身を見ていきましょう。文章で把握しようとすると大変かもしれませんが、実際にプレイすると、ルールがしっかり用意されているのが理解できると思います。
使う機会が多い順にご紹介します。
攻撃:武器を使って攻撃を行います。命中したらダメージ処理、はずれたら何も起きないことになります(詳しくは別項)。攻撃のある呪文は「呪文の発動アクション」で別のアクションです。
早足:移動速度の距離までの移動を行います。移動速度を使い切らず、途中で移動を終えても良い点は、移動と同じです。1ターンのうちに「移動」を行い、アクションでも「早足」で移動することで、実質的に移動速度の倍の距離を移動できます。移動と異なる点は、早足アクションがアクションなので、途中で(別の)アクションを行うことはできないことです。
物体の操作:アイテムを使用します。PCのレベルが低いうちに、最もよく行う物体の操作はポーション・オヴ・ヒーリングを飲む/飲ませる事になるでしょう。「冒険用装備」表、「道具」表にあるアイテムの機能を発揮させることには、アクションとして「物体の操作」が必要です。
行おうとする「物体の操作」が難しいことであれば、DMから何かしらの能力値判定/技能判定を求められることもあります。
回避:攻撃を避けることに専念します。回避アクションを取ったクリーチャーは次のターンの開始時まで、そのクリーチャーに対するあらゆる攻撃には不利がつき、またすべての【敏捷力】セーヴに有利がつきます。アクションですべき行動が思いつかない、といった時には忘れずに取りたいアクションです。
待機:条件を指定して、実行を待ちます。例えば「あのゴブリンが近づいて、自分の近接武器攻撃が届くところに来たら攻撃アクションをします」「あのドアが開いたら、早足アクションでドアを通って進みます」など、したいアクションを遅らせます。アクションは条件が満たされたときに実行されます。条件が満たされなければ空振りとなります。うまく使うと、パーティーのメンバーで連携を取って戦うことができます。また、DMは複数の種類のモンスターが展開しているときにうまく使うと、モンスターが賢く動きますし、手ごわさが増します。
呪文の発動:呪文を使うことのできるクリーチャーが、発動時間が「1アクション」の呪文を使います。攻撃の呪文のほか、呪文の発動形態や効果は様々です(詳しくは別項)。
離脱:敵クリーチャーから離れようとするときに、隙を作らないよう用心して身構えます。離脱アクションを行うと、そのターンの間は敵からの「機会攻撃」を誘発しなくなります。 例では、0フィートのラインで接敵状態にある5名(クレリック1、ファイター1、ローグ1と、ゴブリンA、B)は、後ろへ下がろうして(か、突き進んで前進するとき)、敵の攻撃が届く範囲内から離れようとすると、敵クリーチャーの機会攻撃を受ける可能性があります(「機会攻撃」は、しても、しなくてもかまわない)。離脱アクションを取ると、そのターンの終了まで離れる方向への移動による機会攻撃を一切、誘発しないで済みます。
援護:ほかのクリーチャーの行う行為を助けて、支援を受けたクリーチャーの次に行う能力値判定に「有利」をつけます(2d20をロールして良い方の出目を採用する)。5フィート以内の味方の攻撃アクションの攻撃ロールの一部に「有利」をつけられる詳しい使い方もあります。
隠れ身:隠れ身アクションを行う者の【敏捷力】〈隠密〉判定と、相手のクリーチャーの【判断力】〈知覚〉の対抗判定を行い、隠れようとする側が勝つと、相手から見えていないことになります。見えていない者からの攻撃は、攻撃ロールに有利がつきます。ローグは2レベル以降、1ターンの間に『ボーナス・アクションで「隠れ身」を行い、アクションで「攻撃」を行う』ことで、大きいダメージを与える特徴「急所攻撃」を入れるというコンボとも言える動きがあるため、隠れ身アクションは重要です。
捜索:戦闘中にもかかわらず何かを探す必要がある場面では、捜索アクションを行います。追い詰められている背後の罠の解除装置を探すとか、戦っている敵の弱点となる物体が戦場のどこかにないかとか、アドベンチャーの戦闘遭遇の造りによりますが、映画や小説では、時折みかけるシチュエーションです。
PCはレベルが高くなっていくと、クラスによって1つのアクションの中で攻撃の回数が増えるクラス特徴を得たり、1ターンに複数回のアクションを行うことを可能とする呪文が登場します。モンスターの特徴にも「複数回攻撃」があり、素早く2回の攻撃をしてきたり、噛むことと爪で攻撃するなど四肢を駆使した攻撃をしてくるクリーチャーもいます。アクションの選択の幅は広がっていくわけですが、いきなり多彩な選択肢から選ぶのは迷いますから、レベルが低いうちは単純なアクションの方法でプレイしてもらうようなルール、データになっています。
「移動速度」までの移動を行い、「アクション」も実行したら、そのクリーチャーの「ターン」が終わります。次のイニシアチブ順のクリーチャーにターンは移っていきます。
例にしている戦闘の場面でもPC、モンスター両者で、これらのターンを行い戦闘を進めていくことになります。イニシアチブ順の最後まで終わったら1ラウンドが終了したことになり、戦闘が終了するまで、次のラウンドをイニシアチブ順の早い順から、またターンを回してゆきます。
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