戦闘を進めると、イニシアチブ値の順番でクリーチャーには手番、つまり「ターン」が回ってきます。
1ターンにできる行動は、PC1名も、DMが操作するモンスター1体も同じです。1つのアクションと、最大で自分の移動速度までの移動を行なうことができます。アクションと移動のどちらを先に始めるかは自由ですし、移動速度以内で一旦止まり、アクションを行い、続きの移動を行う、ということもできます。
さらに「ボーナス・アクション」と「リアクション」という行動のルールはありますが、まずは主要な行動の「移動」と「アクション」から説明します。
移動して優位な位置を取る
例で説明すると、イニシアチブ7でウィザード1にターンが来たら、このウィザードは60ftの移動速度を持つので、このターンに30ftまで前進し、その位置でアクションの呪文の発動をし、残りの移動速度によって30ftのラインから離れて退く移動をすることができます(そのまま30ftの位置にいる判断もできますし、無謀かもしれませんが0ftまで前進することも可能です)。移動の際、アトベンチャーの舞台設定によっては「移動困難な地形」だとDMが指定するかもしれません。移動困難な地形を通過していくには移動速度を2倍、使うということだけ踏まえておいてください。DMは簡易化として、例の戦闘管理においては移動困難のルールを使わなくてもかまいません。
もうひとつ移動をする時に意識しておきたいのが、アクションで出てくる「離脱」です。隣接している敵から離れる方向へ、単に移動しようとするとスキを狙われ、イニシアチブ順とは別にその瞬間に「機会攻撃」を受ける可能性があります。移動より先にアクションで「離脱」を行うことで、好きを作らずに移動して、攻撃をされないで移動ができます。例におけるPCではクレリック1、ファイター1、ローグ1が、DMが操作するクリーチャーではゴブリンのAとBが、自分のターンの移動を行う際に、敵から離れるように、ただ移動をしようとすると敵から機会攻撃を受けてしまいます。移動する前にアクションで「離脱」を行っておくことで、攻撃されるスキを作ることなく移動ができます。
なお「離脱」は「アクション」の部分で、機会攻撃は「リアクション」で詳しく説明します。
ファイター2や、シミターとショートボウで武装しているゴブリンたちなど、近接武器攻撃と遠隔武器攻撃を選択できるクリーチャーは、使う武器を持ち替え、攻撃方法の切り替えもしたい場合もあります。戦闘中に掌をぱっと開き、手に持っている物体をその場へ落とすとか、佩いている剣を抜くという素早く済む、「アクション」も「移動」も必要としないで行動をひとつおこなう「自分のターン中の他の行動」があります。裁定はDMが行ってよいのですが、ほかにも「1枚の扉を開けるか閉める」(開けて「移動」で通過する/開いているドアを「移動」で通過し、そのドアを閉める)、「背負い袋からポーションを1本取り出す」(そしてアクションの「物体の操作」で飲む)といった、プレイに慣れて戦闘での行動の解像度を高めたくなると、やりたくなる行動が例として説明されています。詳しくはコラム「周囲の物体と関わる」(ベーシック・ルール プレイヤー向け P.72、PHB P.190「周囲の物体を扱う」)を参考にしてください。
戦闘中のアクション
ターンには移動と「1つのアクション」と前述しましたが、アクションの内容は多彩です。アクションで行うものとして、「攻撃」は近接攻撃と遠隔攻撃がありますし、呪文の発動、道具を使用する「物体の操作」、隣接している敵から離れたい時に意識する「離脱」、なるべく護身しようとする「回避」、ローグが必須とする「隠れ身」、なにかしらをトリガーとして行動を行う「待機」など、文字で読んでいると煩雑に感じられるかもしれませんが、ゲームをプレイしていると「これできる?」と聞きたくなる行為がルールとして用意されています。ターンをまたいでパーティー内で組み合わせられれば、PCたちの生存率は高まり、強敵に楽勝すらできるかもしれない事ばかりです。次回も、例の盤面を参考にしてアクションを説明していきます。
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