用意したユドナリウムのルームデータで、いよいよ戦闘遭遇を行っていきましょう。プレイヤー向けベーシック・ルール P.71「戦闘の各ステップ」に沿ってシミュレートしていきます。
DMはまず、不意討ちが発生したかどうかを考えます。不意討ちを受けてしまった際のルールは単純です。不意討ちを受けたクリーチャーは、第1ラウンドにアクション、移動、リアクションとも行うことができません。
使っているマップでは、戦場の地形や様子の詳細は表現しませんから、単にダンジョンを進んでいたり、建物の部屋を探索している中では、特別に用意されている場合でなければ不意討ちは起きないとして遊んでもかまいません(プレイヤーは省略しても、キャラクターはエキスパートとして、用心した行動をとっているのです)。
あり得る要因としては、明かりと暗視があるなしと、意図的に隠密していて襲撃すると設定されている場合です。
DMは、不意討ちについて判断したら、戦闘が起きた場面の様子と不意討ちの判断を考慮して、マップにコマを置いていきます。PCパーティーが隊列を決めているなら、それも考慮します。建物の部屋や天然の洞窟だとか、建物の部屋としての物体のレイアウトなどは気にしません。
距離は考慮するので、小さな部屋や洞窟の室の中だったら近接攻撃のクラスのPCと敵は0ftで向き合い、ボウや呪文といった遠隔攻撃をするクラスのキャラクターは、それぞれ30ftのラインに置きます。広い空間なのだとしたら、敵味方それぞれ前衛を30ftのライン、後衛はその後ろに配置します。
これにより戦闘中、どの敵を狙うとか、頼むといったパーティー内の協力を引き出すことができます。また、戦闘が進んで倒した個体のコマの画像を横倒しにしたり、マップの外へ置きなおすことで、hpと敵の数の数字管理にとどまらず、視覚的にも戦闘の進みが明白になります。逆にPCがやられるとなれば、危機感、緊迫感を呼ぶでしょう。
ゴブリンのコマは、ユドナリウムにそれっぽい画像がデフォルトに収録されているので画像を変更してみましょう。
- コマの「詳細を表示」を開きます
- 「画像変更」のボタンをクリックし、画像の選択ウィンドウを開きます
- 剣と盾を装備している茶色の体色のヒューマノイドの画像をクリックします
- キャラクターシートの画像が更新され、コマの画像も変わります
戦闘の初期配置ができました。敵味方がどのような距離・接敵の状況であるかが、わかりやすく参加者のなかで共有できます。不意討ちに関する要素があって、誰かが誰かを見ることができていない、といったこともDMは確認しておきましょう。
次に戦闘中の行動順番を決めるイニシアチブ判定を行います。PCは各人で、敵はクリーチャーの種類ごと、それぞれに【敏捷力】判定でイニシアチブ値を決めます。決まったイニシアチブ値で、もうひとつあるPCのコマと、コピーして作ったモンスターのコマを該当するイニシアチブ値のマスに置きます。
これで、戦闘を始める準備ができました。
近接攻撃で届くのか遠隔攻撃が必要なのか、誰が敵と接敵し対決しており誰が手助けできるのか、誰が有利か不利であるか、といったことを頭で覚えておき、DMとプレイヤーの間で共通認識を計りつつプレイするのに比べ、マップとコマで管理することで頭脳労働はせずに済み、認識の違いや誤解を招かずにルールを活かしたプレイを進めることができます。
コマが設定どおりのクリーチャーのイラストであれば、臨場感も一層増します。参加者各個人が共有はできない脳裏に思い浮かべた画でなく、ひとつの「場面」をみんなで見て、敵に立ち向かうパーティーの雄姿を(あるときは負ける悲壮感も)共有できるわけです。
このマップでは、地形や環境の情報は省略していますから、地形と移動に関するルールの一部や遮蔽・隠蔽といった複雑さを表現するルールは使いません。
次回、セッション参加者同士でユドナリウムを接続し、セッションを成立させる操作方法を解説してから、さらに戦闘遭遇の解説を進めていきます。
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