動画制作向けにD&Dのセッションを記録する場合、参加者間の会話でもコツがあります。
PCを呼んだり指定する時は、キャラクターの名前で呼びましょう。DMがPCを指定する際にも、プレイヤーが自分や他のプレイヤーのPCを呼ぶ際にもです。本来の効能として、PC同士がキャラクターの名前で呼び合うことはPCとしてのロールプレイを促進し、PCたちが仲間として協力する行動も誘発しやすくなります。
動画のための記録という面においては、あとから参照する際に逐一調べなくても、どのPCが何をするのかわかることが、編集作業を円滑にします。
NPCも名前が設定されていれば、DMから率先して名前で呼びましょう。D&D第5版のアトベンチャー・シナリオ製品では、かなり細かい登場人物まで名前が設定されています。ヒューマノイドのモンスターの多くにも名前が書いてあるので、敵は敵なりの仲間や繋がりがあるという表現にもなります(同情の余地なくPCたちに遠慮なく蹴散らしてもらい、ただ消えるほうがよい敵であれば、名前を呼ばないというのもマスタリングの技の一つです)。
道具や呪文も、あれ、これ、ではなく具体的に言いましょう。「 "これ" でアタックします。」と宣言されても、その瞬間に使っている武器が何であるかわからないとキャラクターのデータを見つつ、その場面を思い出す手間が必要になります。例えば、ファイターはジャベリンやショートボウといった遠隔武器攻撃と、ロングソードなど近接武器攻撃を使い分けることが多いですから、どの武器でアタックしたのかがすぐわかることは重要です。道具や呪文について効果から何であるか推測するといったことは、個別の場面は小さなことかもしれませんが、回数が多いと動画作成の作業の進みを遅くするでしょう。
オンライン・セッションであれば、セッション・ツールのテキスト・チャットなどに具体的な名詞を発言してもらいましょう。ユドナリウムでは、チャット部分だけをダウンロードして、Zipファイルを展開すればテキストとして参照することができます。会話や説明だけでなく、行動をチャット・パレットにアクションの式として記述しておき、何か使用する際にチャットの発言として残せば参照しやすい記録になります。
ツールによっては、アクション内容のルールの処理を自動化できるものもあります。キャラクターが攻撃を行うと目標のAC(アーマークラス)を参照して成功・失敗を判定し、成功時にダメージを目標のhpから引く計算をしてくれるツールでも、アクションの宣言としてテキスト・チャットに記録されます。そのためにPCが使うものをデータまで含めて入力しておくことで、PCがなにをしたのかが確実に記録できます。