D&Dのセッションは、テーブルを囲んで行うのが一般的です。「プレイヤー用ベーシック・ルール日本語版」冒頭の "はじめに" に描かれているように、ダンジョン・マスターとプレイヤーたちとで状況説明やロールプレイ、ダイス・ロールやルール処理のやり取りができる環境で遊ぶことになります。これらを動画作成のために記録するのには、テーブル上を含めたアングルで、ビデオカメラやモバイルパソコンにカメラを接続して撮影することがお勧めです。ハンドアウト(プレイヤーに見せたり渡したりする資料)や、マップやミニチュアなどを凝ったものにすれば、作成する動画に使う映像も得られます。ダイスやマップ、ミニチュアといったコンポーネントは、別個に見栄えよく写真を撮っておくと、動画内に使う絵素材になります。
コンピューター・ネットワークの一般化のおかげで、参加者がそれぞれ離れた場所にいながらセッションを遊ぶ、オンライン・セッションも当たり前になりました。チャット・ソフトでテーブルトークするだけでなく、オンライン・セッション・ツールを使い、テーブル上に展開するゲーム内容を共有することができます。テーブルに広げるマップやコマ、ダイスのロールとその結果や判定結果などを共有したり、アドベンチャーの場面をチャット・ルーム的に扱い、その中で進行も管理できたりと、機能も様々です。高度なソフトでは、公式にゲームデータを導入して、モンスターやアイテムのデータをソフトの中でクリックだけで利用できたり、判定の処理が自動でされたり、ルールブックと同じ内容をツール上で参照できる機能を持つソフトもあります。
D&D日本語版公式サイトではウェブブラウザーで利用できる「Udonarium」(ユドナリウム)用に、作成済みPCのコマのデータなどをダウンロードできます。テーブル上のように舞台のマップを広げ、誰が何処にいるかをコマ、ミニチュアを置いて表し、テキスト・チャットで発言やダイス・ロールを共有できます。ネット動画を作成して公開までおこなうスキルがあれば、ユドナリウムを使ってのセッションは難しくないでしょう。
ユドナリウムを使用しての公式プレイ動画「ダンジョンズ&ドラゴンズ 公式プレイ『ただ者じゃない人たちがスターター・セットをやりこむ配信』第1回」もありますので、参考にしてください。
ユドナリウムは、 "ルーム" としてセッション全体のその時点をダウンロード保存できます。コマ、マップ、チャットのタブといった細かい部位ごとにもデータの保存ができます。保存したZip圧縮ファイルは、別に起動したユドナリウムのウィンドウにドラック&ドロップすれば、各中身をユドナリウム上に再現します。
セッション・ツールの別なく全体的に保存をしたい場合には、Windows 10 には標準機能の画面の録画キャプチャ「ゲーム バー」があります。指定したウィンドウを録画するほか、録画時に録画する画面以外の音も録音する設定が可能で、オンライン・セッションの全体的な保存ができます1)。Windows用のフリーソフトにも画面を録画するものがあります。macOS には「スクリーンショット」に画面を収録する機能があります。いずれの機能もハイパワーな機材が必要となりますが、参照しやすい記録ができます。
- ^ パソコンに組み込まれているビデオボードやグラフィックドライバーによって、キャプチャ機能が使えないことがあります。