最も基本的な「判定」と能力値
D&Dでは、何かしらの行動がうまくいくかどうかを「判定」するのに、20面体サイコロ ― "d20" ― を1個振って、大抵は関連するひとつの "修正値" を出目に加算するという「能力値判定」を行います。その結果の数値が、アドベンチャーに書かれていたり、DMが設定する「目標値」と同じか、それ以上であれば成功、下回れば失敗と判定します。
この "修正値" とは正しくは「能力修正値」で、これから設定する「能力値」から算出される数字なのです。
セッションの中で最も使用することが多い能力値判定である "【判断力】〈知覚〉" 判定とは、
〈知覚〉:【判断力】〈知覚〉判定によって、君はなにものかの存在を視覚、聴覚その他を用いて感知できる。この判定は、君が周囲の環境にどれだけ注意しており、感覚がどれだけ鋭敏であるかを計るものである。
(PHB P.178/PBR P.63)
という判定です。書かれている通り、出目に足すこの判定の修正値は【判断力】に設定された数から算出されます。つまり【判断力】が高いと、隠された物を見つけたり、隠れている敵に気づくといったことが得意なキャラクターになるわけです。
D&D第5版では、PC、ゲーム中のNPC、モンスターとも、同じデータ構成で出来ており、能力値の意味も同じです。PCでもNPCでもモンスターでも【筋力】が12の意味は同一なのです。
【筋力】【敏捷力】【耐久力】【知力】【判断力】【魅力】これらの能力値は、ほとんどのPCの場合は3~18の中におさまります(モンスターは1~30の値を取り得る)。能力修正値は、能力値10~11だと能力修正値は0、8~9ならば-1、12~13ならば+1と、能力値2につき1上下する値を取ります(PBR P.9 "能力値と能力修正値")。1~20までの出目と、一桁の数字を足し算するだけで、より大きいほうが良い、という分かりやすい判定方法です。
6種の能力値がそれぞれどういう力で、どの種族やクラスに向いているかというと、PBR P.10(PHB では P.12)に、"能力値の要約" の表があります。能力値それぞれに対し「示すもの」「誰に重要か」「上昇する種族」という項目がありますので、次回はこの表で種族、クラスと能力値の関係を見ながら、能力値の振り分けを考えていきます。