ここ3回で、D&D第5版のアトベンチャーをはじめて作成するにあたってのことを説明してきました。
この3部屋ダンジョンを遊んだその次は、出だしの手ごたえは弱まりますがXPにかかわらずPCを2レベルへレベルアップして、『スターター・セット』収蔵「ファンデルヴァーの失われた鉱山」か、『ウォーターディープ:ドラゴン金貨を追え』に接続して遊ぶのがお勧めです。
これらには、そのアドベンチャーをプレイするのに必要な舞台についての情報が、必要十分に書かれています。1レベル冒険者たちでは、世界や魔法の真実や隣接の次元界どころか、ちょっと遠い周囲の国々地域すら、どのようであるか知りようがありません。D&Dの世界設定に詳しくなくても、アドベンチャーに紹介されている情報で十分にセッションは楽しく遊べます。
とはいえDMやプレイヤーが、さらなる情報や世界設定が知りたいとなれば、『ソード・コースト冒険者ガイド』が用意されています。
さて、手作り派には『ダンジョン・マスターズ・ガイド』があります。「付録A:ランダム・ダンジョン」のパートは、40もの表でダンジョンの部屋の様子や調度品、置いてあるものから匂い/臭いまでランダムに決めることができます。項目が多いため遊びながら細部まで使うのは難しいですが、事前にダンジョンを構築しておくのに便利です。モンスターがいることになったら、PCのレベルに応じた脅威度のモンスターを用意することになります。
ランダムではなく考えたアドベンチャーを作るには、DMGの「第2部 冒険のマスター」の内容を見通してみましょう。
アドベンチャーのストーリーやPCたちの目的、それに向けての障害や試練、味方、悪役、戦闘遭遇の構築方法などが説明されています。各種の表を使いステップ形式で、材料をそろえたり、ストーリーの複雑化や "ひねり" のひと工夫についてもノウハウが紹介されています。表のタイトルの後ろは、その表でランダムに決める際に使うダイスです。
掲載されている表
・ダンジョンでの目的(d20)
・野外での目的(d20)
・その他の目的(1d12)
・アドベンチャーの悪役(d20)
・アドベンチャーの味方役(1d12)
・アドベンチャーの依頼者役(d20)
・アドベンチャーの導入(1d12)
・アドベンチャーのクライマックス(1d12)
・イベント型の悪役の行動(1d6)
・イベント型アドベンチャーでの目的(d20)
・大きなできごと(d100)
・道徳上の問題(d20)
・ひねり(1d10)
・サイド・クエスト(1d8)
・不思議の森の遭遇(1d12+1d8)
3章で用意したアドベンチャーに登場させるNPCについて、データを用意しないNPC、重要な役割がありデータを用意するNPC、悪役を作り出すランダム表などを使い、立てたストーリーに人物を配置して、セッションでのやり取り(社交的やり取り)ができるようにします。
掲載されている表
・NPCの外見(d20)
・NPCの能力値・高い能力値(1d6)
・NPCの能力値・低い能力値(1d6)
・NPCの才能(d20)
・NPCのくせ(d20)
・NPCの態度(1d12)
・NPCの尊ぶもの・善属性(1d6)
・NPCの尊ぶもの・悪属性(1d6)
・NPCの尊ぶもの・秩序属性(1d6)
・NPCの尊ぶもの・混沌属性(1d6)
・NPCの尊ぶもの・中立属性(1d6)
・NPCの尊ぶもの・その他(1d6)
・NPCの関わり深いもの(1d10)
・NPCの弱味と秘密(1d12)
・悪役の計画(1d8)
・不老不死(1d4)
・影響力(1d4)
・魔法(1d4)
・世を乱す(1d4)
・情熱(1d4)
・権力(1d4)
・復習(1d4)
・富(1d4)
・悪役の手口(d20)
・悪役の弱点(1d8)
ダンジョン、野外、居住地といった冒険を繰り広げる場所についての解説、DMへのアドバイス、ツールになる表群があります。
掲載されている表
・ダンジョンのある場所(d100)
・風変わりな場所(d20)
・ダンジョンの作成者(d20)
・カルト教団および宗教団体(d20)
・NPCの属性(d20)
・NPCのクラス(d20)
・ダンジョンの目的(d20)
・ダンジョンの来歴(d20)
・記念碑(d20)
・奇妙な場所(d20)
・天気(d20)
・種族間の関係(d20)
・統治者の状況(d20)
・重要な特徴(d20)
・~で知られている(d20)
・現時点の厄介事(d20)
・建物の種別(d20)
・住居(d20)
・宗教的建築物(d20)
・酒場(d20)
・酒場の名前作成(d20)
・倉庫(d20)
・店舗(d20)
・ランダム市街地遭遇(1d12+1d8)
・ランダム海中遭遇(1d12+1d8)
・海でのランダム遭遇(1d12+1d8)
表のタイトルから、アトベンチャーを構成する様々な要素、項目が網羅されているのがお分かりいただけるかと思います。
DMGはマジック・アイテムが掲載されていることもあり、まだプレイヤーだけの人もお持ちかと思います。アイテム以外のパートも一読すれば、公式のアドベンチャーの作り込みのすばらしさ、豪華さや、DMの大変さと面白さも見えてくると思います。 "コア・ルール" である「プレイヤーズ・ハンドブック」「モンスター・マニュアル」「ダンジョン・マスターズ・ガイド」の3冊が手元にあることで、D&Dでの遊びが広がっていくわけです。
「『D&Dのはじめかた』スペシャル 世界を創ろう~元祖 "剣と魔法のRPG" ダンジョンズ&ドラゴンズを参考に~」にて、『ソード・コースト冒険者ガイド』『Dungeon Master's Guide』の目次と、DMG掲載の表の一覧を掲載していますので、あわせてご覧ください。
〉D&Dのはじめかた一覧
次回は9月19日(土)に公開予定!
ダンジョンズ&ドラゴンズ 日本公式サイト
http://hobbyjapan.co.jp/dd/
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