最初の敵のアジトを攻略して捕らわれていた人物を救出し、パート1のラストで2レベルに成長したパーティーは、いよいよ目的地のファンダリンへ到着することになります。アドベンチャーの冒頭で受けた荷物の護送の目的地「バーセンのよろず屋」がありますから、プレイヤーはキャラクターとして「荷物を届けて報酬をもらおう」と言うのは自然です。
アドベンチャーの冊子にはファンダリンのマップがあります。DMはプレイヤーに見せると臨場感もあって良いでしょうが、それで荷物を届けることを忘れて「~へ行きたい」と言い始めたら、荷物を届ける仕事があるのではないですか? と言ってプレイヤーたちを誘導しましょう。
『スターター・セット』に入っているPCには、このファンダリンに縁や繋がりが設定されている者がいます。これらは『スターター・セット』の「ファンデルヴァーの失われた鉱山」用に作られたものです。プレイヤーは自分のPC各々の関係性に合わせて、ファンダリンでの行動や、町にいるNPCに会いに行ったり、話をしたりといったことを行いましょう。
そうしていると次にできそうなことや、引き続き追い求めていることの手がかりなどが手に入ることがあります。戦闘で敵を倒すだけではなく、情報を集めたり、NPCとはいえ町の人たちと交流して信用を得たりすることも、テーブルトークRPGを遊ぶことにおいて楽しみで意味のある事だと実感してもらえるでしょう。
PCたちと町のNPCをつなぐ役割のキャラクターもいます。敵のアジトで助けた人物は、本来の目的に立ち戻り、PCたちに新たな依頼を持ち掛けたり、別のNPCからの依頼へとPCを導く役割に使うことができます。もちろん、その人物がどのような目的を持ち、ファンダリンでどう行動し、PCになにを持ち掛けるかは、「ファンデルヴァーの失われた鉱山」の「パート2:ファンダリン」に書いてあります。このP.14 ~19 を、DMは一度は通して読んでおきましょう。このたった5ページだけで、いわゆるシティー・アドベンチャーを十分に楽しめるだけの情報があります。
PCたちは、ひとの家に入って勝手に壺を割ったり、タンスの引き出しを開けるような行儀の悪いことはせず、実際にお店や宿を客として訪れるつもりで、挨拶したり、会話をしたりしましょう。演技する必要はありませんが、NPCと「ゲーム内の登場人物」として接することで、彼らが困っていること、PCに頼りたいことなどが聞こえてきて、次の展開に繋がっていきます。
このような遊び方が「キャンペーン」です。このようにして情報を得て、PCたちの技や特徴を生かす活躍につながり、経験点を手に入れレベルがあがり、できることも増えていきます。
この『スターター・セット』では、各キャラクター・シートの裏に5レベルまでのレベルアップが説明されています。増える技や呪文について読んで、成長に期待を持ちつつファンダリンで人助けをしていると、早く困難を解決して進んでいきたくなること請け合いです。
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次回は3月14日(土)に公開予定!
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