「ファンデルヴァーの失われた鉱山」をプレイヤーとしてはじめて遊んでいるのなら、最初の戦闘をこなすも知人の危機が判明し、敵の隠れ家へ向かうところでしょう。
ダンジョン・マスター(DM)のダイスの出目によっては、もしかすると命の危険を感じる場面もあったかもしれません。
戦闘に勝利し、敵の跡をたどる間にも危険が潜んでいる可能性があります。D&Dで敵になる生き物 ― 総称としてクリーチャー ― は野獣や怪獣といった動物的なものだけでなく、知的なクリーチャーはPCと同様に武具や魔法を使い、建物や罠を設置したりもします。
とはいえプレイ中に、単なる街道の道端や、部屋や部屋の間をつなぐ廊下の隅々に何かが仕掛けられているわけではなく、頻繁に「敵はいない?」「罠はない?」とDMに質問し続けても、セッションの進みが停滞して、つまらなくする原因になります。
敵や罠が待ち構えている場合は、受動【判断力】〈知覚〉値や、能動的な【判断力】〈知覚〉判定をDMが求めてきたり、"不自然だよ、気付いてほしいな"という描写をDMがしてくれます。DMの説明に気を配りつつ、ずんずん進んで行きましょう。
高レベルのアドベンチャーやダンジョンになると、それでも不意を打たれたり、否応なく罠にかかってしまったりする場面もありますが、それはD&Dでの冒険の経験を重ねて、「ここにはなにかあるか、潜んでいるかも」と気づくことができるプレイヤーを想定しているからです。『プレイヤーズ・ハンドブック』や『ベーシック・ルール プレイヤー向け』を使えば、20レベルまでの間で任意のレベルのキャラクターを作ることができます。ですがあなたが『スターター・セット』ではじめてD&Dを遊ぶのでしたら、1レベルから慣れていったほうが、どのように探検していくか、どうすれば楽しくプレイが進むのかが、自然と身についていくでしょう。
また、クラスの特徴や呪文の使い方なども、PCを使い続けてキャンペーン・セッションを遊んでいきながら、低いレベルでの使い方、動き方からレベルアップしてステップ・アップしていくことで、PCという英雄の成長をより楽しむことができます。
この敵の隠れ家にも、DM向けにしっかりとした地図が用意され、それに即した舞台や敵の配置などがアドベンチャーの冊子に記載、説明されています。もしかしたらDMは、PCが見ることができる範囲の地図を見せてくれるかもしれません。もう敵が見えるとか、受動【判断力】〈知覚〉や【判断力】〈知覚〉判定で気づくことがあれば、それに応じた動きをすればよいですが、そうでなければ勇気をもって進んで行きましょう。
なにかあればDMが案内し、場面を説明してくれます。その先には間違いなく、パーティーにいるPCたちが力を合わせて突破すべきことが待っています。
特に、この敵の隠れ家には仕組みがあり、アナログのRPGでもこういうことができるのか、という驚きもあります。そしてPCの能力を全開にして立ち向かう必要がある敵も潜んでいます。「小休憩」やヒットダイスのルール、クレリックのPCは回復の呪文の使いどころを工夫して、救助ミッションを成功させてください。
この隠れ家をクリアすると、いよいよファンダリンの町へ行き荷物を届けて、最初の仕事が完了します。
そこには様々なNPCたちが居て、街で起きている事件などのクエストも用意されています。ちょっとしたシティ・アドベンチャーとなっていますから、NPCと交流したり、判断することも増えます。バトルだけがD&Dの楽しさと限らず、剣と魔法の世界を感じることのできる場面をお楽しみください。
〉D&Dのはじめかた一覧
次回は2月29日(土)に公開予定!
ダンジョンズ&ドラゴンズ 日本公式サイト
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