作者:東雲佑
ペンネーム『みにら』さん
ゲオカさん大人気!
サイクロプス東雲&アシュラ重岡、なかなか良いコンビですね!
これも異種婚姻なのでは(婚姻してないけど、作家と編集って野球のバッテリーみたいな感じだしー)
ゲオカさん大人気!
サイクロプス東雲&アシュラ重岡、なかなか良いコンビですね!
これも異種婚姻なのでは(婚姻してないけど、作家と編集って野球のバッテリーみたいな感じだしー)
「そういや重岡さん、正月にこんなん手に入れたんだけど」
「これは……見るからに阿修羅ですね」
「うん、見ての通り阿修羅だ」
女化に初詣に行った翌日、水戸駅で見つけた仏像のガチャガチャである。
「2月誕生日だよね。これあげるよ」
「えー、いらない。もっといいものくださいよー」
「お返しに俺の誕生日にはアークライトさんのウイングスパンをよろしく」
「ガチャガチャフィギュアの対価にプレミアゲームを求めないでください!」
東雲の誕生日は1月31日です! お祝いは新紀元社まで!
「皆さまこんにちは。新紀元社の重岡です」
「ちょっと東雲先生! 文字に起こしたら伝わらなくなるボケはやめてください! 読者が無闇に混乱するだけです!」
「お、おう」
原稿にしてみたらまじでわかりにくかったので素直に反省。
「あらためて、皆さまこんにちは。新紀元社の重岡です」
「重岡あらため東雲です。落ち込むこともあるけれどわたしは元気です」
「落ち込んでるんですか?」
「いや、元気だけど?」
「そうですか。……この無駄なやりとりは原稿でカットしてくださいね?」
「わかった」
わかった。(※重岡注)
「ところで重岡さん、小正月にうちの近所でもどんどん焼きやってたんで行ってきたよ」
「あ、前回ちょっと触れた火祭りですね、
「地方によって名称がさまざまだし、催しの内容も結構ローカル色が出てたりするらしいよ」
皆さんの地方ではなんて呼んでますか?
「実は私もネットで場所を調べて行ってきたんですよ、よその自治体のどんど焼き。でもなんていうか、あまりにも地元のお祭り感が強くて……いたたまれなくなって撤退してきました」
「あー、どんどん焼きはそうだねー。こっちでもはじまる前に区長さんが演説するんだけど、そこでも『町内の安全と皆さんの健康を願って』って言ってたし」
そう、どんどん焼きはあくまでも地域の催しなのである。近隣世帯の安寧を差し置いて世界平和を祈るようなどんどん焼きは、たぶんあまりないのではなかろうか。
「あ、写真も撮ってきたよ。記事に使えるかもと思って」
「おー、えらいです! 作家の鑑です!」
「これは……なんだかジャンヌ・ダルクを彷彿とさせる……」
「俺はデビルマンの5巻を思い出した」
ちなみにどんどん焼きの起源は不明である。
ペンネーム『さくら』さん
こんにちは。連載再開とてもうれしいです。
鹿島神宮にも行かれたんですね。鹿はいましたか? 奈良にいる鹿たちのルーツだという伝説があるそうです。それと、地震を起こす大ナマズをおさえている「要石
」も祀られています。実物はご覧になりましたか?
こんにちは。連載再開とてもうれしいです。
鹿島神宮にも行かれたんですね。鹿はいましたか? 奈良にいる鹿たちのルーツだという伝説があるそうです。それと、地震を起こす大ナマズをおさえている「
「というようなメッセージを頂いてますし、せっかくだから鹿島神宮のお話もお願いします」
「もうお正月の話題は賞味期限が切れてる気がするけどいいのかな?」
「大丈夫です。ギリギリ食べられます」
ギリギリとか言われた。
「まず鹿島神宮、むっちゃ広かった」
「わー、こんなに真っすぐな道ばかりなのに、目的地までの距離がほとんど100メートル単位……!」
「鎮守の森全体だともっと広大で、あとで調べたところ東京ドーム15個がすっぽり収まる広さだそうな」
「広い……!」
「稲荷と龍神は仲が悪いってなにかで聞いたんで、もし鹿島の神さまがが龍神だったら女化の神さまに悪いなぁと思ってたんだけど、売店の巫女さんに聞いたところ祭神は武甕槌だということがわかりました」
「タケミカヅチ! タケミナカタと勝負して勝った神さまですね!」
「おー、すぐにそれが出てくるとは、さすが直近で古事記の本作ってただけある」
ちなみに負けたタケミナカタは腕を引っこ抜かれてしまったそうな。詳しくは新紀元社から出ている『女子高生とツッコミながら読む古事記』を参照されたし!
「タケミカヅチに踏んづけられてるのが例のオオナマズらしいです。封印したのもタケミカヅチなのか、とりあえず祭神だから登場しただけなのか……とにもかくにも、次はいよいよ要石!」
「いよいよ!」
「どーん!」
「どーん! ……って、なんですかこれ?」
「だから要石だってば」
「えー、イメージと違う……『どーん!』じゃなくて『ちょこん』って感じじゃないですか……」
「いや確かに俺もそう思ったけどさ。なんか要石の大半は地中に埋まってて、これは地上に出ているほんの一部らしいよ。この下にものすごいのがあるんだってよ」
「掘ったことあるんですか?」
「あるらしいよ。水戸黄門の時代に」
「七日七晩掘っても掘りきれず……怪しいです! 七日七晩ってなんだかとってもキリスト教的です! 後世の作り話な気がします!」
「まぁそこに引っかかるのもわかるけど」
「ショベルカーで掘ってみましょうよ!」
重岡さんがたまに見せるこういうムーブに、心配になると同時にひそかに安心感を覚える僕である。ああ、俺よりダメな人がいたって。
「そういや鹿もいたよ。寒いからみんな日向に集まってた」
「きゃー、かわいいです!」
「ペンネーム『さくら』さんも言ってるけど、ここの鹿はあの有名な奈良公園の鹿の大本らしいよ。こっちの鹿が何匹か奈良に行って増えたんだって」
「つまりこの子たちは本家なんですね」
「そういうことだね。そういやJリーグの鹿島アントラーズのマスコットキャラ、あれもここの鹿がモデルらしいよ。トナカイだとばかり思ってたけど名前も『しかお』っていうらしい」
「なんと……しかおくんとせんとくんは親戚だったんですね……」
言われてみれば確かにそういうことになるのか……。ちなみにアントラーズのホームであるカシマスタジアムは、鹿島神宮から車で10分くらいでした。
「というようなところで、鹿島神宮のレポートは以上です!」
「お疲れ様でした! 女化に続いて先生のプチ紀行文が読めてきっと読者も喜んでますよ!」
わはは! いえーい、読者のみんな見てるー?
「ところで、竜神とお稲荷は仲が悪いって言ってましたけど」
「俗説らしいけどね。それが?」
「いえ、だったら彼は女化神社にいけるのかなーって思ったんです」
「彼?」
「彼ですよ彼。龍ケ崎市のマスコットで、以前私たちを市役所でお迎えしてくれた」
「龍ケ崎市のマスコット……あ!」
いや、まぁ神じゃないからいいんじゃね?
「では最後に読者メッセージの紹介です」
「いえーい! ひゃっはー! ウィー・アー・パンタポルタ ー!」
「なんなんですかそのテンション……」
ペンネーム『ベニサンゴ』さん
女化神社の表参道は趣があってとてもいいですね。写真映えしそうです。
安くて美味い中華料理屋さんも行ったことがないのでいつか行ってみたいですね……。
女化神社の表参道は趣があってとてもいいですね。写真映えしそうです。
安くて美味い中華料理屋さんも行ったことがないのでいつか行ってみたいですね……。
ペンネーム『さきでん』さん
思いっきり地元が舞台で大変喜んでおります。物語も楽しみですし日高屋も家族で良く行く所です。知らずに聖地巡礼していた訳ですねwこれからもとても楽しみにしております!
思いっきり地元が舞台で大変喜んでおります。物語も楽しみですし日高屋も家族で良く行く所です。知らずに聖地巡礼していた訳ですねwこれからもとても楽しみにしております!
「前回日高屋さんについて記事内で触れたけど、そしたらツイッターの感想が日高屋一色だったね……」
「みんな日高屋大好きなんですね……」
「龍ケ崎市の情報を発信してる『龍ケ崎・ポスト』の運営者さんも聖地巡礼と称して佐貫駅の日高屋に行ってくれたって」
「ついに聖地に……そういえば先日龍ケ崎市役所の方と打ち合わせした時にも『お昼は佐貫駅の日高屋で食べてきました!』って仰ってました」
日高屋さん、マジで『女化町の現代異類婚姻譚』とコラボしてくださいませんか? ご連絡お待ちしています。
ペンネーム『ダダ』さん
取材旅行お疲れ様でした。
いつも楽しく拝読しています。
女化神社の狐の彫刻、欄間というより向拝の懸魚(げぎょ)……かな…?
だからどうということも無いんですが、気になってしまい…。
取材旅行お疲れ様でした。
いつも楽しく拝読しています。
女化神社の狐の彫刻、欄間というより向拝の懸魚(げぎょ)……かな…?
だからどうということも無いんですが、気になってしまい…。
「げぎょ」
「げぎょ」
「はじめて聞いた」
「私もです。ちょっとググってみたところ、神社仏閣をはじめとした木造建築につけられる火除けのおまじないなんだそうです。水に強い魚を屋根に取り付けて火を防ぐっていう考え方は、名古屋城のものが有名なあの鯱鉾と同一だとか」
「なるほどなー。まなんだー!」
「まなんだー! ペンネーム『ダダ』さん、ありがとうございます!」
ペンネーム『ジロン』さん
ひょんなことでこの物語を知り、女化の取材まで一気に読ませて頂きました。軽快なテンポにあっという間でした。
僕は割と龍ケ崎寄りの牛久市に住んでいまして、女化神社にも何度か足を運んだことがありますが、あの神社はこの辺りに数多く点在する神社仏閣の中でも親しみやすさが格別の神社で、地域の方々に本当に愛されている場所の1つなんです。
たぶんご存知だと思いますが、龍ケ崎や牛久は伝承がたくさんありまして、不思議な地名や、ほかでは聞いたことの無いようなお寺や神社の名前、神様がたくさん祭られていて、本当に不思議な土地です。
かつて平将門が独立を企てた頃よりさらに昔から続く神様や、かつてはバハマのような浅瀬が広がる広大で豊かな内海・香取の海によって養われた人々の末裔が今でも暮らしている物語の世界から地続きの土地。
僕自身は都内から結婚後引っ越してきたので、東雲が描かれている驚きと同じものを僕も移住当初から感じ続けていまして、東雲先生が同じような不思議感を受けとられた事が嬉しくなってしまいました。
この感覚は地元の人たちとはなかなか共有しにくいものなのです。
なにしろ、皆さんにとっては当たり前みたいなので…。
時々、ほんとに人の中で生活しているタヌキやキツネがいるのでは無いかと、近隣を歩いていると感じるんです。
ほんとに不思議なところです。
河童もいますね。
彼らはもともと人に似ているのでその辺に普通にいたりします。
あと、この辺りは合戦の場でもあったので、夜にひとりで散歩したりすると、鎧武者がじっと見ていたりするのでちょっと怖いです。
最後になりましたが、この先の物語を楽しみにしています。
ステキなお話をどうもありがとうございます。
ひょんなことでこの物語を知り、女化の取材まで一気に読ませて頂きました。軽快なテンポにあっという間でした。
僕は割と龍ケ崎寄りの牛久市に住んでいまして、女化神社にも何度か足を運んだことがありますが、あの神社はこの辺りに数多く点在する神社仏閣の中でも親しみやすさが格別の神社で、地域の方々に本当に愛されている場所の1つなんです。
たぶんご存知だと思いますが、龍ケ崎や牛久は伝承がたくさんありまして、不思議な地名や、ほかでは聞いたことの無いようなお寺や神社の名前、神様がたくさん祭られていて、本当に不思議な土地です。
かつて平将門が独立を企てた頃よりさらに昔から続く神様や、かつてはバハマのような浅瀬が広がる広大で豊かな内海・香取の海によって養われた人々の末裔が今でも暮らしている物語の世界から地続きの土地。
僕自身は都内から結婚後引っ越してきたので、東雲が描かれている驚きと同じものを僕も移住当初から感じ続けていまして、東雲先生が同じような不思議感を受けとられた事が嬉しくなってしまいました。
この感覚は地元の人たちとはなかなか共有しにくいものなのです。
なにしろ、皆さんにとっては当たり前みたいなので…。
時々、ほんとに人の中で生活しているタヌキやキツネがいるのでは無いかと、近隣を歩いていると感じるんです。
ほんとに不思議なところです。
河童もいますね。
彼らはもともと人に似ているのでその辺に普通にいたりします。
あと、この辺りは合戦の場でもあったので、夜にひとりで散歩したりすると、鎧武者がじっと見ていたりするのでちょっと怖いです。
最後になりましたが、この先の物語を楽しみにしています。
ステキなお話をどうもありがとうございます。
「さっきのペンネーム『さきでん』さんや龍ケ崎・ポストさんもだけど、最近は地元の方も読んでくれてるみたいですごく嬉しい」
「ですねー。そういえば、ゆっけどるちぇさんのバンドの方も」
「そうそう。ゆっけさんがやってるdoluceってバンドのドラム担当いしざきさんも龍ケ崎の出身で、ご家族までこの連載読んでくれてるってよ」
「ありがたいですねー。龍ケ崎には足を向けて眠れません」
I LOVE 龍ケ崎! 作家と学ぶ異類婚姻譚は龍ケ崎を愛しています!
「しかしすっごい熱量のメッセージだなー。初めて聞く話がたくさんだ。参考になる」
「牛久沼の伝承は『女化町の現代異類婚姻譚』でもこれから少し触れますね」
「あと平将門。龍ケ崎をはじめ茨城の南部では平将門は今でも英雄扱いなんだよね。このネタも使いたい」
みんな、女化町の異類婚姻譚、ちゃんと書いてます! 連載再開までもう少しお待ち下さい!
「でも他の話は全然わかんないや」
「不思議な地名に変わった信仰……興味津々です!」
「ミートゥー。……というか河童や落ち武者よく見るって、このペンネーム『ジロン』さんはいったい何者なの!?」
ペンネーム『ジロン』さん、よかったら是非またメッセージください。
「というところで、今回もお別れの時間です」
「あっという間の2時間30分でした」
「そうやって隙あらばわかりにくいボケを入れるのやめましでょうよ……」
今日はそういう気分なのだ。
「ところで重岡さん。今回はなにか発表があるって前回告知してましたよね」
「はい、あります。あるんです。……うふふ、うふふふふふふ」
いつになく気持ち悪い笑いを漏らすゲオカである。
しかし、気持ちはわかる。
「そういえばー、日高屋さんのくだりの時に『龍ケ崎市役所の人と打ち合わせした時に〜』とか言ってたけどー」
「あ、そういう伏線回収しますか!」
「あれ、いったいなんの打ち合わせしてたんですかねー」
茶化すように促すように僕が言うと、重岡女史はよりいっそう気持ち悪い笑いを漏らす。
それから、満を持して言う。
「このたび、JR佐貫駅がJR龍ケ崎市駅へと名前を変えるのを記念して、『女化町の現代異類婚姻譚』と龍ケ崎市とのコラボイベントが開催されることになりました!」
「ああ、やっと発表できた!」
「主催は龍ケ崎市役所で、イベント内容は東雲先生と一緒に『女化町の現代異類婚姻譚』の舞台となった龍ケ崎市を巡るというものになります」
「生身で読者と交流するイベントって初めてだから緊張する……」
「大丈夫です! そんな東雲先生のために、イベントには心強い味方が来てくれます!」
「今回のイベントには龍ケ崎市のマスコットキャラクター、まいりゅうくんも来てくれます!」
「ああ、まいりゅうくん、神……」
「鹿島神宮の話のオチで『神じゃないから』とか言ってたくせに……」
うるせーいまこの瞬間に神になったんだよ!
「イベントの詳細は2月に発表されますので、皆さま、続報をお待ちください!」
「まいりゅうくんも来てくれるので、小さいお子さんがいるご家族も是非。大丈夫、東雲もだいぶ子供寄りのメンタルの持ち主です」
「自覚あったんですね……
えー、イベントの開催日は3月29日を予定しております」
「佐貫駅の名称変更日とは日程が違うので、勘違いしないようにお気をつけください」
「ですね。間違えちゃいそうなので気をつけましょう。
それでは、そういうところで今回も」
「まなんだー!」
「まなんだー!」
みなさま、続報をお待ちください!
※重岡注
わかってないじゃないですかっ!
▷「作家と学ぶ異類婚姻譚」過去記事一覧
*作者紹介*
東雲佑(しののめ たすく)。幻想小説を得意としている。『図書館ドラゴンは火を吹かない』の1巻が宝島社より発売中! 2巻はAmazonのkindleで配信しています(こちら)。
第2回モーニングスター大賞では『雑種の少女の物語』が最終選考まで残り、社長賞を受賞。現在、「異類婚姻譚」をテーマにした『女化町の現代異類婚姻譚』を連載中。
東雲佑(しののめ たすく)。幻想小説を得意としている。『図書館ドラゴンは火を吹かない』の1巻が宝島社より発売中! 2巻はAmazonのkindleで配信しています(こちら)。
第2回モーニングスター大賞では『雑種の少女の物語』が最終選考まで残り、社長賞を受賞。現在、「異類婚姻譚」をテーマにした『女化町の現代異類婚姻譚』を連載中。
女化町の現代異類婚姻譚
「作家と学ぶ異類婚姻譚」から生まれた小説、『女化町の現代異類婚姻譚』の第1章を公開中です! 2章の配信時期については、今後の連載で発表いたします。
――――プロローグ
――――1話「ようこそ龍ケ崎へ」
――――2話「まるでライトノベルみたいだな」
――――3話「重篤な中二病の女子高生」
――――4話「ここがオナバケだったのか!」
――――5話「物語の町」
――――6話「ぽんぽこ子ダヌキ小学生」
――――7話「夜通しタヌキオールスターズ」
――――8話「タヌキは化ける、キツネは化かす」