非戦闘時でも罠や毒などで、戦闘では武器での攻撃や攻撃の呪文によるダメージでhpは減り生死のスリルもあるD&Dですが、もちろん死亡を遠ざけるためのhp回復の方法があります。
まず呪文によらない、どのPCにもできるhp回復手段は、ポーション・オヴ・ヒーリングや、ヒーリング・ワードの呪文をはじめとするのhp回復の呪文を発動するアイテムを使用することです。これは「アイテムを使用する」というアクションを取れば、戦闘中にも行うことができます。
クレリックは1レベルから、呪文スロットを消費してキュア・ウーンズの呪文を使うことができます。2レベルから使えるようになる神性伝導の「生命保護」もhpを回復しますが、効果からは戦闘中のさらに危機が深刻な際に使うべきでしょう。
そして、より根本的な回復の手段として「小休憩」「大休憩」のルールがあります。
「小休憩」は、座って運動をせず、簡易な飲み食いや傷の手当を行うイメージです。
ルールとしては、「ヒットダイスを消費して、出目+【耐久力】修正値を回復する」ことがクラスによらずPCは誰でも可能です。
ヒットダイスは、キャラクターシート中央の左よりに欄があります。クレリックであれば、1レベルでは 1d8 なので、この回復手段を使うとなると、1d8+2だけ回復できることになります。
1レベルのPCはヒットダイスを1持っています。ヒットダイスの最大数は、PCのレベルです。1レベルは1個。2レベルは2個を使えます。一度の小休憩の中で、2レベルのPCが、1個のヒットダイスの消費による回復でhp満タンにならず、必要だと思えば残っているヒットダイスをさらに使うこともできます。
一度使って消費すると、ヒットダイスそのものが回復するまで、この回復手段は使えなくなります。減ったヒットダイスは「大休憩」を取ると一部回復します。
なおファイターは、ヒットダイスを消費しての回復を戦闘中に行うことができる特徴「底力」を持っています。
ウィザードは「秘術回復」の特徴により、小休憩によって自分のウィザード・レベルの半分だけ、呪文スロットが回復します。各クラスの最大の20レベルまでには、そのほかにも「小休憩の終了時に回復する」とする特徴が様々あります。
魔法のアイテムの使い方や効果を調べる「識別」も小休憩で行い、「小休憩の終了時に特性と用法がわかる」(DMG P.136 魔法のアイテムの識別)となっています。
「大休憩」は、しっかりした食事をとり、くつろいで、就寝まで取るというイメージです。まとまって8時間かかりますがPCは、hp全快、PCのレベル半分(最低1)のヒットダイス数が回復し、呪文スロットを消費するPCは消費した呪文スロットが全て回復するなど、様々な項目が大きく回復します。特徴によって「大休憩の終了時に回復する」となっているものが回復し、再び使えるようになります。
いいことづくめの「大休憩」ですが、連続した8時間を通さなければならず、中断したら利益を得られません。また同じキャラクターが24時間以内に大休憩をとっても、大休憩の利益を2回以上得ることはできません。
「ファンデルヴァーの失われた鉱山」では、DM向けにどこでレベルアップをするかが書いてあります。各PCのレベルアップの内容は、あらかじめ5レベルまで、それぞれのキャラクター・シートの裏に記載されています。
「経験点の合計が特定の値に達すると、そのキャラクターの力は高まる。」なので、例えばひとつのダンジョンの探索中でも、DMが適切なタイミングと考えるところで経験点が達しているのを確認し、レベルアップを行ってかまいません。「この扉の向こうには、強い敵がいるんじゃないか。経験点は足りるから、レベルアップしてからにしよう」ということをDMは認めることができまます(同時に、コンピューターRPGのようにレベルアップ時にステータスが全快する ― hp、呪文スロット、ヒットダイスが回復する ― か、最大値が増えるだけで現在値は変わらない、かどうかもDMが決めてかまわないでしょう)。
逆に、レベルアップで得られる様々なパワーアップには、訓練や手配が必要とすると考え、アドベンチャー・シナリオのストーリーの大きな区切りや、町や村に帰った際に行うということも「ダンジョン・マスターズ・ガイド」で“レベルアップの訓練”(DMG P.131)とする選択ルールとして紹介されています。
そこまで大きな区切りを待たなくても、小休憩や大休憩のタイミングにレベルアップを行うと、セッションの進行ペースを妨げないですむのでおすすめです。
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次回は2月1日(土)に公開予定!
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