ファンタジー好きのみんなは、PBW(プレイ・バイ・ウェブ)っていう遊びを知ってるかな?
オンラインで遊べるゲームなんだけど、そこではプレイヤーだけじゃなくて、たくさんのクリエイターが活動しているんだって!
そこで今回は、まだ設立されたばかりのPBW会社「アルパカコネクト」代表の井上ラーさん(以下:井)、2020年4月から遊べる予定の「AnnihEpica(アニエピカ)」ワールドディレクターのムジカ・トラスさん(以下:ム)に、PBWのことを色々教えてもらったよ♪
1986年生まれ。THE B型水瓶座の突破型。大学在学中にMacintoshでも遊べるネットゲームを探しているうちに株式会社テラネッツ(当時)が提供していたWTRPG「CATCH THE SKY 地球SOS」をプレイし始めることになり、PBW業界に浸る。2019年2月に株式会社アルパカコネクトを創業。
・ムジカ・トラス(@musica_tlas)
2011年からWTRPG「CATCH THE SKY 地球SOS」でマスターデビュー。その後、株式会社クラウドゲートが提供していたWTRPG「ファナティックブラッド」では新人Divisionおよび王国Divisionのサブシナリオディレクターなどを務める。アルパカコネクトが提供する「AnnihEpica(アニエピカ)」では、ワールドディレクターとして各種調整を担当する。
***
――こんにちは。今日はよろしくね!
井:よろしくお願いします!
ム:よろしくお願いします!
――さっそくだけど、PBWってどんな遊びかわからない人もいると思うんだ。ボクも初心者だから、簡単に教えてくれると嬉しいな。
井:PBWは、簡単に言うとネットで遊ぶTRPG……みたいなものですね。もっと砕いた言い方をすると、「ブラウザなどを介してシェアード・ワールド上にキャラクターをつくり、他のプレイヤーのキャラクターと一緒に冒険したり交流したりできる遊び」です。
自分が設定を作ったキャラクターに対してイラストレーターにイラストをつけてもらったり、ボイスアクターに声をつけてもらったりすることもできます。
ム:PBWの基本となるコンテンツの一つが「シナリオコンテンツ」ですね。そこでは僕たちマスターが「国家の危機」や「スパイ調査」、「絶望的な戦場」や「カップル推奨のお祭り」……といった、様々な規模の事件やイベントをシナリオとして提供しています。プレイヤーの皆さんはそこにキャラクターを参加させることができるんですが……その結果が小説風の文章となって返ってくるというものです。TRPGをご存知の方なら、「リプレイ」というものが一番近いですね。
●PBWについて詳しくはこちら↓
異端にして幸福なるPBWマスターという物書きの仕事
井:よろしくお願いします!
ム:よろしくお願いします!
――さっそくだけど、PBWってどんな遊びかわからない人もいると思うんだ。ボクも初心者だから、簡単に教えてくれると嬉しいな。
井:PBWは、簡単に言うとネットで遊ぶTRPG……みたいなものですね。もっと砕いた言い方をすると、「ブラウザなどを介してシェアード・ワールド上にキャラクターをつくり、他のプレイヤーのキャラクターと一緒に冒険したり交流したりできる遊び」です。
自分が設定を作ったキャラクターに対してイラストレーターにイラストをつけてもらったり、ボイスアクターに声をつけてもらったりすることもできます。
ム:PBWの基本となるコンテンツの一つが「シナリオコンテンツ」ですね。そこでは僕たちマスターが「国家の危機」や「スパイ調査」、「絶望的な戦場」や「カップル推奨のお祭り」……といった、様々な規模の事件やイベントをシナリオとして提供しています。プレイヤーの皆さんはそこにキャラクターを参加させることができるんですが……その結果が小説風の文章となって返ってくるというものです。TRPGをご存知の方なら、「リプレイ」というものが一番近いですね。
●PBWについて詳しくはこちら↓
異端にして幸福なるPBWマスターという物書きの仕事
井:……この入り方、めちゃくちゃダメなヤブ医者感が出て凄いですね(笑)
ともあれ、理由は大きく3つあります。
先ほども申し上げた通り、この遊びはイラストレーターやライター、ボイスアクター、マスターといった、様々なクリエイターが関わる遊びです。
彼らにとって居心地が良い場所を作りたい、というのが一番大きいですね。
それから、この遊びの体験は唯一無二のもの、という実感です。
PBWはクリエイター、それからプレイヤー自身のクリエイティビティで動いていく遊びなので、それが例え日々の交流レベルのものだとしても、そこで得られるものは唯一無二のものになります。
これらの体験に救われたり、一喜一憂する友人たちを見てきたり――この遊びを必要としている人たちがいるというのも見てきました。だから、遠い未来に渡り、この遊びを続けられる場所を作りたい、というものが一つ。
そして最後に、居なくなった人たちの存在も大きい。
ライフステージの変化などで続けられなくなったり、ある日ぱったりと活動しなくなったクリエイターやプレイヤーを沢山見てきました。
彼らが戻りやすい場所をつくること、そうしていつか、「おかえりなさい!」と彼らを迎えたい……というのも理由の一つです。
――そうなんだ~。とっても素敵な理由だね! そうそう、ムジカさんは別の会社のPBWでマスターとして活動していたんだよね? アルパカコネクトでは「ワールドディレクター」を務めるって聞いたけど、マスターとワールドディレクターのお仕事について教えてほしいな。
ム:先ほど簡単に触れましたが、僕たちマスターは色々なシナリオを提供するのがお仕事です。プレイヤーの皆さんから頂いたそれぞれのキャラクターの「行動内容」を元に、「判定」と呼ばれる成否判断などを行って文章をお返しします。参加するキャラクターには様々な人がいて、例えば先ほどの例だと「カップル推奨のお祭り」にあえてお一人様で参加して誰よりも楽しそうに満喫してたり……とかですね(笑) そういうキャラクターを美味しく仕上げるのも、マスターの腕の見せどころです。
ワールドディレクターは……うーん。皆さんが遊ぶ世界観とストーリーを構築するということ。それから、アルパカコネクトが開発しようとしている仕様や運用方針に合わせてゲームのルールや遊び方、仕組みを含めてすり合わせてディレクションする感じのお仕事です……よね?
井:PBWは新しい機能を追加するだけで色々な遊びがデザインできるので、ワールドディレクターの方々には「この機能をこのぐらいの時期に作ろうとしているので、これでこういう遊びをしましょう!」と提案しています。
たとえば、次のワールド2では「ユニット」モジュール(機能)を開発する予定なんですが、その時担当していただくワールドディレクターには「これでロボットものをやりましょう!」と提案する……みたいな。
ゲーム画面イメージ(開発中) |
――マスターはシナリオを書く人、ワールドディレクターはそのワールド全体を管理する人、っていう感じなんだね。楽しそう! ちなみに4月から遊べるPBWのワールドは、どんな世界観になるの?
ム:ワールド0の「AnnihEpica(アニエピカ)」はいわゆるハイファンタジーですね。最近のPBWでは色々なキャラクターが作れるように、なんでもあり……という方向性の世界観が主流です。しかし、アルパカコネクトは色々なワールドがどんどん生まれる仕組みになっているので、それなら思いっきりファンタジーに寄せてディープにしようと。そこで生きたキャラクターの体験がプレイヤーにも根付いて――それこそ、“歴史”を作るような世界観を目指しています。
種族も沢山予定していますが、ハイファンタジーは良い意味でメジャーな領域でもあるので、そこは踏襲することで遊びやすくしたいですね。
井:ワールド1の「東京インソムニア」は東京を舞台にした、いわゆる現代都市伝奇物です。こちらは、いわゆるゲームというよりは「創作企画」という活動に近いものですが、子畑さん(@kohatazuke)に依頼したイラストが本当によく世界観を表していますね。ダークで、狂気的な世界観です。
人々の「夢」を侵す存在は、じきに「現実」を侵すようになり――引き起こされる様々な事件に、プレイヤーが作ったキャラクターがどのように関わっていくか、というのを楽しめるようにデザインしていて、プレイヤーの想像力で色々な展開を作り出していくことができるコンテンツになる予定です。
――どっちのワールドもボクの大好物だ……! ところで、アルパカコネクトでは少し前までクラウドファンディングをしていたんだよね?
井:そうですね。我々としても想定外の140%突破というありがたい結果でした。もともとの目標額も200万とカテゴリ内ではかなり高額だったのですが……本当に、感謝ですね。皆様の期待を超えられるよう、頑張ります。
今回クラウドファンディングで行ったプロジェクトは、我々が作ろうとしている、PBWを簡単に作るためのシステム――「ルルムフ」のためのものでした。
――つまり、PBWの「ワールド」を簡単に作れるようになるっていうこと?
井:その通りです。まず前提として、アルパカコネクトでは、4タイプのユーザーを想定しています。
コンテンツを遊び、ストーリーを進めていく「プレイヤー」。
クリエイティブを提供する「クリエイター」。
シナリオを提供する「マスター」。
そして、世界観を作り、コンテンツを提供する「運営者」です。
「ルルムフ」の一番の特徴は、その将来像である「PBWのワールドを誰もが作れるようになる」ことで――つまり、ユーザーが「運営者」になれる点です。
井:今回のクラウドファンディングでは、そのステップを先にすすめるためのシステム(機能)をいくつか提示しました。いずれの機能も「プレイヤー」にとっても便利ではあるんですが、「プレイヤー」以外のユーザーにとっても有用な機能が多く含まれます。
例えば「運営者」が新しくワールドを作成する際、たくさんのイラスト素材を一つ一つ発注するとコストが非常にかかってしまいます。その費用をある程度抑えることができるように、いわゆる既製品を購入できる機能ですとか。また、運営者に特別な知識がなくても管理しやすい「アイテム作成機能」を用意したり……など、ユーザーがなるべく簡便にワールドを作り、遊びをデザインできるようにと考えています。
それから、プレイヤー側から発注文と費用を提示して、クリエイターがそれに応募する形式の「逆ノミネート機能」。「クリエイター」にとってはアピールの機会として使えたり、スケジュールが空いた時に気軽に挙手しやすい仕組みになっています。
特にボイス商品はキャラクターイメージに合う声を探すのが難しい、という意見がとても多いので、その点でもぜひ活用してほしい機能ですね。
ム:マスターとクリエイター、運営者向けの施策は非常に多いですよね。この間のボイスアクターキャンペーンもたくさん投稿を頂いてましたが、ボイス界隈の方々に対しても今後色々な活躍の場を提供したい……という考えがあり、アルパカコネクトの画面デザイン上も、ボイスが使える場所が沢山入ってるみたいです。
フエ~!キャンペーンのお知らせパカ!— アルパカ社長 (@alpaca_connect) October 17, 2019
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――プレイヤーだけじゃなくて、クリエイターもマスターも運営者もユーザーかぁ~。PBWが大好きな気持ちが伝わってくるよ。サービスをつくるにあたって、クリエイターやマスターに何か配慮したことはあるのかな?
井:特に強調したいのは、報酬の料率ですね。
PBWの顧客は基本的に「個人」のお客様になるので、クリエイティブの値段は抑えられがちです。
もちろん、PBWでは一般的なクリエイティブのやりとりで必要とされるメールなどのコミュニケーションやラフチェック、チェックバックや修正などの工程が削られていたり、料金の未払いといったリスクがない、といった面で強みがあるのは事実なのです。けれど、昨今のコミッションサイト(個人間でクリエイティブの受発注ができるサイト)の台頭で、クリエイターにとってPBWの環境が良いとは言い難くなってきました。
そこで、アルパカコネクトでは長くPBWでの活動を続けていただけるように、手数料を固定にして、基本価格から値上げした場合でもクリエイターの利益を最大限高められるようにしています。これには、発注者とクリエイターの間での費用感のギャップを埋めるため、という目的もあります。
井:他にも、マスターはその労力に比して低報酬である部分は否めません。こちらについても、時流に合わせて料率をかなり上げています。それとは別にサポーティブな仕組みが必要という想いもあったので、MSファンクラブという機能では、ユーザーが特定のマスターを支援できるようにしたいと考えています。
ム:あとは……マスター未経験の方向けにマスター講座を準備しています。マスター業務のノウハウはたくさんあって全部を押さえると大変なんですが、マスター試験向けに極力的を絞りました。シナリオをリリースするための最低限の書式の知識や、オープニングやリプレイを書くための知識を整理して用意しています。
また、「AnnihEpica(アニエピカ)」向けの取り組みですが、プレイヤー兼マスターの方がちゃんと楽しめるような情報管理の仕組みも準備中です。
――じゃあ、プレイヤーに向けて「アルパカコネクトのPBWはここが違うぞ!」ってアピールしたいポイントは何かあるかな?
ム:とにかくクリエイター、マスターを含んだユーザーにやさしいサービスを第一に考えていると感じます。
井:僕含め開発スタッフはプレイヤー経験者が多いので、僕たち自身が遊びたい、と思えるサービスにしたいですね。特に、メンバーそれぞれが他業種で色々な経験を積んでいるので、Webサービスや広報などの知見があるのも強みだと思います。
あとは、「100年先もPBWしたい!」という僕たちのコンセプトに則って、先の展望を見据えながら取り組んでいけるのが強みですね。
――ズバリ聞くけど、PBWの魅力ってどんなところだと思う?
井:人によって違うと思いますが、僕にとってはとにかくこの遊びで得た「人間関係」が本当に大きかったです。
キャラクターを通しての関わりから始まって、プレイヤー同士での交流が深まっていく――ということがPBWではよくあります。
知恵を絞り、難題を達成したりした文字通りの「戦友」との交流で得た友人たちは本当に得難い人たちばかりでした。
僕自身は、ただのPBWが好きな人間です。
けれど、周りにはいろんな友人がいて、彼女たちや彼らが、今のアルパカコネクトを作るためのかけがえのない仲間になっていますし、色々な形で応援してくれています。
彼らは全員、PBWという場所、PBWでの「体験」を通じて出会いました。そういう機会がある場所というのが、PBWのすごいところだと思っています。
ム:マスターとしては……そうですね。やっぱり、プレイヤーさんの存在がとにかく大きいです。
自分以外の誰かによってキャラクターの気持ちや行動が決まるので、必然的に自分の手の中に収まらない展開になっていきます。
そうやって描いた物語を満喫してくれたり、感動したり、悲しんだりしてくれる人が必ずいる――というのは、PBWにおけるマスターの特権だと思います。
――せっかくだから、もっと聞いちゃうね! PBWのプレイヤーとして、マスターとして印象的だった思い出とかあるかな?
井:僕が今まで動かしてきたキャラクターは多分十数人はいるんですけど、一人だけ大恋愛をしたキャラクターがいて。それが、男性同士のカップルだったんですよね。シナリオを通じていく中で絆が深まっていった結果の……みたいな感じなんですが。僕はそれまでいわゆるBLなんかには全く触れずに来た人種だったんですが、以来、その手のことに抵抗感がなくなった……というのはすごい体験でしたね。いや、本当に視野が広くなったんですよ。不思議ですね。
ム:やっぱりファンレターですかね! たとえばこれは……最近頂いたファンレターの一節ですが、「一つの物語をちゃんと終える事が出来た事への思いが強すぎて上手く言葉を綴る事が出来ません」という言葉をいただきました。
それだけの感動を、たしかに誰かに与えることが出来たんだ――という体験は、PBWならではのものだと思っています。
小説とは違い、PBWのリプレイはキャラクターが「このように行動したい」という方針ありきの作品ではあります。
それでも。
それでも――僕は、たしかに誰かを奮い立たせ、「物語り」を続けて、終わりまで味わいたいと思わせることができたのだと、とても誇らしく思います。
――PBWにそんなスゴい世界が広がってただなんて……。ボクもやってみたくなっちゃったな。これからのスケジュールを教えて!
井:今月(12月)中に各ワールドのティザーサイトの公開と、マスターおよびクリエイターの募集が始まりますね。アルパカコネクトとしての正式なサービスリリースは4月を予定しています。
――もうすぐマスターとクリエイターの募集が始まるんだね。そうだ! ボクはパンダなんだけど、応募できるかな?
ム:社長がアルパカ(@alpaca_connect)ですし、大丈夫ですよ!
――応募を検討してる人たちに、メッセージがあれば!
井:このご時世、創作活動をする場所は沢山あります。その中でも、仕事を受注する場所、自身が作成したクリエイティブを実績として公開するための場所として、PBWはとても良い入り口です。
もちろん、商業的実績以外の点でもおすすめです。
皆様のクリエイティブを、必ず誰かが見ています。
積み上げられたクリエイティブが、「世界」や「ストーリー」になっていきます。
僕たち開発スタッフだけでなく、あらゆるユーザーが世界を構成し、進めていくのがPBWの魅力です。
アルパカコネクトはマスターとクリエイターが長く続けられるように、最大限配慮したサービスを目指しています。
ご応募お待ちしております。
――今日は色々教えてくれてありがとう。ボク、とっても勉強になったよ。
井:ありがとうございました!
ム:ありがとうございました!
***
井上さんはもちろん、アルパカコネクトのスタッフさんたちもPBWが大好きな人たちばかりなんだね!
ボクもファンタジーを愛するパンダとして、クリエイターさんたちの創作の場が増えたり、みんなの遊び場が増えたりするのは嬉しいな。
アルパカコネクトとPBW業界の今後に注目だね♪
「100年先もPBWしよう!」を理念として創立された新規PBW運営会社。2020年4月に汎用型PBWプラットフォーム「アルパカコネクト」をリリース予定。
だれもがPBWを気軽に、自由につくれる未来を目指し、汎用型PBWシステム「ルルムフ」を開発している。
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だれもがPBWを気軽に、自由につくれる未来を目指し、汎用型PBWシステム「ルルムフ」を開発している。
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