自称ガンマニアのソーサーちゃんと天然メイドのカップちゃんによる、ドタバタ・ガンファイト4コマ漫画!
解説では『図解 ガンファイト』を参考に、いつ巻き込まれるともしれない「銃撃戦」で生き延びるための知識をお届けします。正しいルールを知って、ガンアクション描写のウソ・ホントを見抜けるようになりましょう!
第14回目は、「口径が大きいほど強いの?」について考えていきます。
漫画・文:ケメジホ(@kmjhknj)
口径自体は拳銃弾よりライフル弾のほうが小さかったりするから、口径が大きいほうが強いってわけではないよ、と漫画では解説しました。
しかし、ただただ破壊力を求めていくのであれば戦車砲のように巨大な弾丸を撃ち出すほうが強いに決まっているので、「大口径のほうが強い」は正解でもあります。
とはいえ銃は人が使うもの。大きい弾を使う銃は当然大きく、重くなります。
全員が全員『ランボー』のようにマシンガンを抱えて歩けるわけじゃありませんから、携行性とのバランスも求められます。
というわけで今回は銃(銃弾)の口径のお話です。
目次
大口径のほうが強いはずなのに9mmより5.56mmのほうが強い?
デカい銃は弾もデカい! と思いがちですが、実は拳銃は9mm弾が、ライフルは5.56mmや7.62mmが主流だったりします。
つまり、片手で持てるようなハンドガンのほうが口径自体は大きいんです。これこそが口径が大きいほうが強いと一概には言えない理由なのですが、先に銃弾の表記ルールについて説明しましょう。
銃弾の表記ルールは
「弾頭の直径(口径)×薬莢の長さ」
銃弾と聞くと、ほとんどの人は弾頭と薬莢がフラットな拳銃弾をイメージするのではないでしょうか。銃弾は弾頭と弾頭を飛ばすための発射薬を詰めた薬莢、という構造になっています。
拳銃弾のイメージが強いせいで弾の直径=口径と勘違いしがちですが、ライフル弾は弾頭より薬莢側のほうが太くなっています。
よくある勘違いですが、薬莢は銃口を通りません。薬莢は排莢口から排出され、銃口から撃ち出されるのは弾頭のみです。
そう認識すると弾頭の直径×薬莢長と記憶しやすいのではないでしょうか。
以上を踏まえて銃弾を比べてみましょう。
9mmパラベラム弾は単純に9mmと呼ぶことが多いのですが、正式には「9×19mmパラベラム弾」。口径だけ見れば大きいのですが、薬莢長が19mmです。
かたや5.56mmの正式名称は「5.56×45mm NATO弾」。薬莢長が倍以上ですね。
薬莢が長いということはそれだけ大量の発射薬を詰めているわけですから、弾頭を撃ち出すパワーが段違いなわけです。長いほどヤバい!
拳銃弾の口径が大きいのは威力を確保するため!
拳銃はその名のとおり、携帯してなんぼ。小さなマガジンにそれなりの弾数を詰め込むには弾自体も小さくないといけません。
かといって弾頭まで小さくしてしまうと、それこそ豆鉄砲になってしまいます。
小さい薬莢で発射薬もあまり詰め込めないけど、ある程度の威力も必要……ということで、口径を大きくして威力を稼いでいます。これがライフル弾より口径が大きい理由ですね。
投げる速度が遅くても大きい石ころを投げればそこそこ痛い、そんな考えです。
大きな弾を少ない発射薬で撃ち出すとなれば射程が犠牲になりますが、拳銃での交戦距離を考えれば問題ありません。
ちなみに一部のサブマシンガンも9mm弾を使っていたりします。有名所ではUZI、MP5、UMP9ですね。
ハンドガンよりサブマシンガンのほうが強い! とざっくりイメージしがちですが、使っている弾は同じだと知ると「いっぱい撃てるハンドガン」くらいの認識に……。
ざっくりまとめると「長いほどヤバい」
大口径のほうが強いけど、ただ口径が大きけりゃいいってわけじゃない……薬莢が長いってことはそれだけ発射薬の量が多いから、飛ばす勢いが強い。つまり長いほどヤバい! どうですか、覚えやすくないでしょうか。
口径についてのありがちな疑問に答えてきましたが、いかがでしたか?
他にも弾頭の種類によっても貫通力、殺傷力が変わったりしますが、それはまた別の記事にて紹介できればと思います。
◎ガンファイト・ガールズの記事
第1話「射撃に適した服装」第2話「銃の選び方」
第3話「車を撃つと爆発する?」
第4話「銃を撃ち落とせる?」
第5話「コック&ロックって何?」
第6話「排莢方向もいろいろ」
第7話「マガジンを抜いても撃てる?」
第8話「ライフルの構え方いろいろ」
第14話「口径が大きいほど強い?」
◎参考資料