今回は「スターター・セット」のウィザードとクレリックの、呪文の修得について説明します。
ベーシック・ルール、プレイヤーズ・ハンドブックの呪文の発動の説明には「修得呪文」と「準備呪文」という語があります。
「準備呪文」とは、第10回で戦闘中の呪文の発動を説明した「すぐに発動できるようにしてある呪文」のことです。「スターター・セット・ルールブック」P.21 では、「呪文を準備する」という項目で説明されています。
ウィザードもクレリックも「大休憩」を終えると呪文の発動で消費したスロットは、すべて回復します。そして"即座に発動可能とする呪文"(=戦闘中であればアクションで発動できる呪文)を選択します。これが「準備呪文」です。
準備呪文は選りすぐりであり、ウィザードもクレリックも準備する以外の呪文も知っています。それらの「知っている呪文」が「修得呪文」です。
ただ「初級呪文」は、「準備をする必要もないほど身についていて、すぐに使える呪文」ですので、この手順は必要ありません。
ウィザードは呪文書を携えていて、知る事が出来た呪文を特殊なインクと時間をかけて呪文書に書き写すことで、「修得呪文」を増やしていきます。スターターのウィザードには、
呪文書:君は以下の1レベル呪文を記した呪文書を持っている:シールド、スリープ、ディテクト・マジック、バーニング・ハンズ、マジック・ミサイル、メイジ・アーマー。
とあります。このウィザードはこれだけの呪文を「修得呪文」として知っており、大休憩の後にこの中から「準備呪文」を選択します。このため、ウィザードは制限なく「修得呪文」を持てます。
ウィザードはレベルアップのたびに、ルールブックにある「ウィザード呪文リスト」から2つ呪文書に書き加えることができます。それだけではなく、自分の呪文書に書いていない、知らないウィザード呪文(「ウィザード呪文リスト」にある呪文)に出会い、それを呪文書に書き写す機会があれば、より多数の呪文を「修得呪文」とし、発動することのできるレベルの呪文スロットがあれば「準備呪文」に選ぶことができます。
クレリックは神から呪文を与えられるものですので、大休憩の後に「クレリック呪文リスト」から直接、「準備呪文」を選ぶことができます。
ウィザードに比べルールは簡単ですが、ウィザードとは違う呪文からリストが成っているため、クレリックの方が有利ということはありません。「ベーシック・ルール」で9レベルまでのウィザード呪文リストと、クレリック呪文リストを比べると、呪文の数の違いもお分かりになるかと思います。
「プレイヤーズ・ハンドブック」にある呪文を使う他のクラス、ウォーロック、ソーサラー、ドルイド、バード、パラディンは、またそれぞれの呪文リストと修得のルールがあります。呪文を覚え、発動することにかけてはウィザードの右に出る者はいません。
ですがクラスごとの「特徴」として、ウォーロックの「妖術」、クレリックとパラディンの「神性伝導」、ドルイドの「円環」、バードの「楽派」、モンクの「気」など様々な超常能力が、PCのレベルが上がっていくと身につき、能力として同レベルのウィザードと肩を並べるように作られています(ウィザードも「学派」という特徴が用意されています)。
これまでで、通常の能力値判定、技能判定、そして戦闘での攻撃や呪文の発動についてはご紹介して、戦闘までこなせるようになったと思います。次回は、傷ついたPCの回復について説明していきます。
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