呪文の発動の方法に続き、今回は効果の発生の仕方を説明していきます。
呪文の効き方は、「目標に呪文をかける」が基本ですが、その中でも3種類あります。さらに「スターター・セット」で登場する呪文では、マジック・ミサイル、シールド、スリープは独自です。
場所、物体、自分や味方を目標にして拒否されない場合、判定なく効果が発揮されます。ライト、キュア・ウーンズ、ガイダンスなどが典型です。
攻撃の呪文で、敵のACを目標に攻撃ロールをおこなうタイプです。ウィザードもクレリックも、攻撃呪文で攻撃ロールする際の攻撃力が、キャラクター・シートの「呪文発動能力値」の項目に、「君が呪文によって攻撃を発動する際の攻撃ボーナスは+5である。」とあります。武器と同じようにd20の出目に+5をして、敵のACに届いたか確認しましょう。
ショッキング・ブラスプ、レイ・オヴ・フロスト、インフリクト・ウーンズ、ガイディング・ボルトなどがこのタイプです。
呪文の直接の目標になった場合と、呪文の効果の範囲にいて影響を受ける場合に、目標がセーヴィング・スローを行なってその呪文の効果の一部または全部を回避できるという呪文の効果があります。呪文の説明では、「目標は【(能力値)】のセーヴィング・スローを行わなければならない」と書いてあり、そのうしろにセーヴが失敗した時の効果と、セーブに成功された時の効果が書かれています。
そのセーヴの難易度は、呪文を発動する側が定めます。ウィザードもクレリックも「呪文発動能力値」に「君が発動した呪文に抵抗する際の難易度は13」とあります。効果を受ける側、ダメージを与える呪文の場合であれば敵は、この抵抗難易度を目標値に判定を行います。
魔力の光る矢を発射するマジック・ミサイルの呪文は、効果範囲内の目標を発動者が見ることができさえすれば、スロットを消費して発動すれば目標のACがいくつであっても必ず命中します(「スターター・セット」にある呪文で対抗できるのはシールドの呪文のみ)。
高いレベルの呪文スロットを消費すると、光の矢の本数が増える、つまりダメージが増えます。
シールドの呪文は、「スターター・セット」にある呪文で唯一「発動時間:1リアクション」の呪文です。その意味は、ほかのクリーチャーのターンの中で、そのクリーチャーに攻撃を受ける際にとれる「リアクション」という行動で発動ができるということです。敵のウィザードがマジック・ミサイルを含む攻撃の呪文を、シールドを使うことのできるPCに呪文をかけてきたときシールドの呪文を発動して、効果を得られるのです。
スリープの呪文は、クリーチャーを眠らせる呪文です。具体的には、5d8の出目の合計値だけ、呪文の効果範囲内にいるクリーチャーのhpが低い順に、そのhpを出目の合計値から引いていきます。この効果には、エルフがもつ「フェイの血筋」にある、「魔法は君を眠らせることはできない。」という「特徴」がなければ、前述の命中の可否や目標の抵抗などもありません。
例えば、hp:3、hp:5、hp:7 とゴブリンが3体いるとします。効果範囲内にその3体を納め、発動したら5d8を振ります。出目の合計が14(5、5、4)がだとすると、低いほうから適用して hp:3、hp:5 のゴブリンは眠ってしまいます。この時点で14点のうち(3+5)で8点をつかい残り6点、hpが最もある3匹目のゴブリンは hp:7 で、残りの6点では1点足りません。そのため、この3匹目のゴブリンは眠らずに済みます。
スリープの呪文も、高い呪文スロットを消費すると、効果のダイスの数が増え、より多くのクリーチャーを眠らせる可能性が高まります。
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呪文の使い方の工夫の余地は、低いレベルの呪文でも幅広いですし、高いレベルの呪文ほど大規模になります。呪文レベルの最高は9レベル。「スターター・セット」にある3レベルの呪文の向こうに、6レベル分、それもどんどん強力になっていく呪文とその効果が、呪文を使うPCの成長を待っているのです。
次回は12月21日(土)に公開予定!
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