2600年前のアッシリアにタイムスリップしてしまった女子高生の冒険を描いた『ネオ・エヌマ・エリシュ』(マッグガーデン)の漫画家マミーさんによる、歴史のこぼれ話マンガをお届けします! 「教科書で学んだ歴史」のウラ側を紐解いてみましょう。
皆さんご存じナポレオン! ……の帝妃ジョゼフィーヌとオスマン・トルコのスルタン帝妃エイメの物語です。
漫画・文/マミー
フランス皇后ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネはフランス皇帝ナポレオン・ボナパルトの帝姫として知られています。ナポレオンの戴冠式の時、彼の手から直接皇后冠を授けられる様子を描いたジャック=ルイ・ダヴィッドの有名な油彩画『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』は一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠 |
油彩画の中で描かれているように、教皇からではなくナポレオンが手ずから皇后冠を授ける姿に、彼のジョゼフィーヌへの愛情が表れているように見えます。しかし後に、ナポレオンは他の愛人との間に子供をつくってしまいます。ジョゼフィーヌとの間に子供ができなかったからです。挙句の果てに、嫡子が生まれないことを理由にナポレオンは彼女を離縁しました。1810年の出来事でした。離婚式当日、ジョゼフィーヌは娘の支えがなければ歩けないほどのショックを受けていたといいます。
そんな幼馴染の姿を知ったエイメがどう思ったのかは、想像の世界になってしまいます。ただ我々が知ることができるのは、ナポレオンがロシア帝国に侵攻を開始した時、宿敵同士であったロシアとオスマン・トルコが突如休戦条約を結んだこと、そしてそのことが転機となってロシアはナポレオンを敗退させたということです。そこに女性同士の友情があったと想像するのも、歴史を眺める醍醐味のひとつなのではないでしょうか。
◉参考文献
『あまりにも悲劇な世界史』瑞穂れい子 著(KADOKAWA夢文庫)
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