イラスト:琥珀
個人間でイラストなどのクリエイティブを受発注できるコミッションサービスが生まれ、クリエイターの活躍の場がぐんと広がった現在。「イラストレーターとして仕事をしてみたい!」と思ったあなたには、無数の選択肢が用意されています。しかし、第一歩を踏み出すのは勇気がいるもの。「商業の世界でやっていけるかな?」「クライアントから無茶な要求をされたりしない?」「実績はどこで積めばいいの?」など、不安を抱えている絵描きさんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、大勢のイラストレーターが活動しているオンラインゲーム・PBW(プレイ・バイ・ウェブ)業界にスポットを当て、商業イラストレーターの世界を覗いてみましょう。
2020年4月にサービスを開始するPBW会社『アルパカコネクト』(以下:ア)をインタビュアーに迎え、実際にPBWイラストレーターとして活躍されている2名の方にお話をうかがいました。
ア:本日はよろしくお願いします!
緒・琥:よろしくお願いします!
ア:さっそくですが、お二人はどのような経緯でPBWのイラストレーターに登録されたのでしょうか? PBWを知ったきっかけなどがあれば教えてください。
琥:私は、好きだったイラストレーターさんが活動されていたことからPBWを知りました。趣味程度だったお絵描きを仕事にまで底上げするため、そこから必死に独学で絵を勉強して、2006年にPBWイラストレーターに採用していただきました。
緒:当時参加していた創作系コミュニティでPBWの存在を教えてもらい、日々の書籍やゲーム代にできればいいなーと思って受験しました。数回落ちた後、なんとか合格したんです。
ア:お二人とも、登録までにかなり努力されたんですね……!
ちなみに、PBWではどのくらいの頻度で受注されていますか? 弊社がまだサービス開始しておらず、他社さんでのお話で恐縮ですが……(笑)
緒:PBWは今年「がっかり」でてんやわんやだったので、8月以降お休みしています。それまでだと、月に2セット(アイコン含む)前後は受注していたようです。
琥:描ける余裕がある時には時間が許す限り活動させていただいています。
私の場合はキャラクターに長く深く寄り添う存在でありたいので、プレイヤーであるお客様には「いつもここに居てくれる人」と思っていただきたいのもありますね。長期で活動を休むことがないよう、スケジュールを組んでいます。
ア:ご自身が希望するペースで、調整しながら活動されているということですね。PBW以外のお仕事やクリエイティブ活動は、どのようなことをされていますか?
緒:PBW以外ですと、パンタポルタのほか、散発的に漫画やイラスト、ロゴ制作をしています。その合間にコンテストに出す絵を描いたり、ボードゲームを作ろうと目論んだりしていますね。
緒・琥:よろしくお願いします!
ア:さっそくですが、お二人はどのような経緯でPBWのイラストレーターに登録されたのでしょうか? PBWを知ったきっかけなどがあれば教えてください。
琥:私は、好きだったイラストレーターさんが活動されていたことからPBWを知りました。趣味程度だったお絵描きを仕事にまで底上げするため、そこから必死に独学で絵を勉強して、2006年にPBWイラストレーターに採用していただきました。
緒:当時参加していた創作系コミュニティでPBWの存在を教えてもらい、日々の書籍やゲーム代にできればいいなーと思って受験しました。数回落ちた後、なんとか合格したんです。
ア:お二人とも、登録までにかなり努力されたんですね……!
ちなみに、PBWではどのくらいの頻度で受注されていますか? 弊社がまだサービス開始しておらず、他社さんでのお話で恐縮ですが……(笑)
緒:PBWは今年「がっかり」でてんやわんやだったので、8月以降お休みしています。それまでだと、月に2セット(アイコン含む)前後は受注していたようです。
琥:描ける余裕がある時には時間が許す限り活動させていただいています。
私の場合はキャラクターに長く深く寄り添う存在でありたいので、プレイヤーであるお客様には「いつもここに居てくれる人」と思っていただきたいのもありますね。長期で活動を休むことがないよう、スケジュールを組んでいます。
ア:ご自身が希望するペースで、調整しながら活動されているということですね。PBW以外のお仕事やクリエイティブ活動は、どのようなことをされていますか?
緒:PBW以外ですと、パンタポルタのほか、散発的に漫画やイラスト、ロゴ制作をしています。その合間にコンテストに出す絵を描いたり、ボードゲームを作ろうと目論んだりしていますね。
イラスト:緒方裕梨 |
琥:PBW以外のクリエイティブ活動は、主に音楽方面ですね。作詞作曲、ボーカリストや奏楽者としても起用いただいています。
ア:クリエイティブ魂あふれるご回答ですね! お二人は、PBWのイラストレーターに登録する以前、主にどのような活動をされていたのでしょうか?
琥:趣味でのんびりと二次創作をしていました。自分のホームページにイラストをアップする程度のゆるい活動です。
緒:私は、自分でイラストをアップロードできるネットゲームでゲーム内通貨を稼ぐために絵を描いたり、お絵かき掲示板を使った交流企画に参加していたり。ある意味、PBWのはしりですね。
ア:PBWのはしり……! お二人とも、もともと商業イラストレーターを目指して活動されていたのでしょうか?
琥:いいえ。私は、PBWに出合って初めて、趣味だった絵を仕事にしたいなと思いました。
ア:そうだったんですね! これからPBWサービスを開始する身としては、そう言っていただけると有難いというか……なんだか嬉しいですね。
緒:私は、小学生の頃の夢が漫画家で、年を取るにつれて「絵や本やゲームに関わる仕事がしたいなー」と思い、ゆるやかに路線変更しました。
大学卒業後は、イラスト制作ではないものの絵やゲームに関わる仕事がメインで、かつPBW関係の絵も描き続けていたので「まあまあ夢は叶ってるかな」と思っていたところ、エリュシオンTRPGイラストレーターの話をいただいて。ちょっとだけPBW以外の「商業イラストレーター」への欲が生えました。にょきっと。
ア:にょきっと(笑) 小学生から絵を描くお仕事を目指されていたんですね。ちなみに琥珀さんも、PBW以外でイラストのお仕事はされていますか?
琥:はい。商業活動としては、ゲーム関係のキャラクターデザインや4コマ漫画、デフォルメのグッズ絵制作などが主です。
ア:なるほど。それでは、ちょっと際どい質問をしてみたいと思います。
正直なところ、これからイラストの仕事を始めたい人に、PBWのイラストレーター登録はおすすめできますか?
琥:はい、お勧めします。
緒:実際にオススメしています。
ア:(ホッ……)ありがとうございます!! 理由も教えていただけますか?
琥:「クライアントの要望に応える作品作り」「納期を守る」「タスク管理」「期間内に一定のクオリティで仕上げる」など、イラストレーターとして活動するときに必須になることが、PBWには詰まっています。
また、ファンレターシステムなどを通じてお客様の喜びがダイレクトに手元に届けば、活動意欲や向上心にもつながります。確実に誰かの目に作品が触れるという点もそうですね。
イラストを仕事にするということは、好きなものを好きなように自由な納期で描くことではありません。ある程度の制約の中でしか磨かれないスキルというのはあると思います。
ですが、個人的にはこれを機にPBWを大好きになってくれる人が単純に増えるといいなと思います!(笑)
緒:そうですね。今は個人対個人の受注やコミッションのサービスが数多あるので、そっちでもいいんじゃ? と思われるかもしれません。でも、PBWはある一定の「世界観」「ルール」「仕様」という縛りの中で何枚・何人も描くことになるので、またちょっと違う経験を積むことができます。
あと、広いインターネットの海の中より、PBWという枠の中の方が、初めてでも声をかけて貰いやすいんじゃないかな、とか。
イラスト:緒方裕梨 |
ア:では、より実務的なお話をうかがいますね。PBWのキャラクターを描くうえで、大切にしていることは何でしょう?
琥:沢山ありすぎて回答に困ってしまいますが……「信頼を裏切らないように努める」でしょうか。
大切な大切なキャラクターをお任せいただく身です。納品作はそのキャラクターの歴史であり、顔になります。納品が遅れればその子の時間を止めてしまう可能性もありますから、いつだって全力投球・真剣勝負です。絵描きにとっては何百のうちの一枚でも、その子にとっては大切な、かけがえのない一枚なんですよね。
次に、自分は裏方に徹するということですね。
舞台背景係、衣装担当、カメラマン……様々な表現ができますが、PBWのキャラクターが輝く為のお手伝いさんであることが、私の信条であり喜びです。どうすれば魅力を引き出せるか、生きた表情を紐解いていけるかをいつも考えます。
私が描きたいように描くのではなく、ご依頼いただいたキャラクター「らしさ」を損なわずに、私の作風に落とし込んで制作することを心掛けています。
イラスト:琥珀 |
緒:私が気をつけているのは、ちゃんとその世界に存在するキャラとして描けているか、そのキャラの人となりがいきいきと伝わるデザインになっているか。
それから、バストアップは「他のイラストレーターさんやマスターさんが参考にするときにデザインが分かりづらい構図やポーズにしない」ことを意識しています。
イラスト:緒方裕梨 |
ア:他のクリエイターさんへの配慮まで……!? PBWイラストレーターならではの視点かもしれませんね!
では次に、お二人がPBWイラストレーターとして活動されてきた中で、嬉しかったことを教えていただけますか?
緒:恒常的には「よかった!」「想像以上だった!」など、お届けしたものが一つの回答として「正解」だったと伝えていただけた瞬間ですね。毎度自信を持ってお届けしていますが、それでも常に不安はつきまとうものです。
ピンポイントな出来事なら、PBWの解説マンガを描いていたらTRPGリプレイのイラストレーターに選んでいただけたことですね。
琥:こちらも沢山ありますが、長期にわたってご縁をいただき、二人三脚のようにしてキャラクターに寄り添わせていただけることは特別な恵みであり、大きな喜びですね。
「この絵(特別な表情だったり、重要なシーンだったり)は琥珀さんにしかお願い出来ないと思いました」というお声は、本当に本当に嬉しいです。私の個人的な作品作りはどこでも出来ますが、これらの言葉は「私」が「PBW」で活動する意味をくれる気がするのです。
ア:やはり、プレイヤーさんの生の声が届くのは嬉しいですよね。それに、PBWから別のお仕事につながることも……。
お二人には今後、イラストレーターとして挑戦してみたいことや目標はありますか?
琥:PBWや各種ゲームに沢山関わりたいです! 特に公式NPCの初期デザインにはなかなかご縁がないので、新規でキャラクターデザインをご依頼いただけるよう頑張りたいですね。
あとは書籍関係にも、いつかご縁があればいいなぁと。
緒:今年出させていただいた「がっかりなファンタジーせいぶつ事典」は、絵のゆるさに反して手持ちのスキルを総動員した本でした。この本のような複合的な仕事をもっとやってみたいです。
イラスト単体なら、TRPGやボードゲーム、ライトノベルや少年少女向きの小説のイラストが描きたいですね。
ア:ありがとうございます。では最後に、これからPBWのイラストレーターに挑戦してみようと思う方へ、メッセージをお願いします!!
緒:たくさんの決まり事を守りつつ発注文に沿った内容を描くことが苦じゃないとか、むしろ楽しいとか思った人は、多分イラストレーターに向いています。
考えて考えて丁寧に描いていけば、確実に自分にもお客様にもフィードバックされますので、1枚1枚、「その時の自分ができる最高」を目指しましょう!
琥:世界中にどんなに沢山の素晴らしい絵があったとしても、「あなた」にしか描けない絵があります。
プレイヤーさんたちの愛を一身に受けた素敵なキャラクターさん達との出会いは、かけがえのない経験と喜びを与えてくれると思います。
金銭が発生する「仕事」としての厳しい側面も確かにありますが、一緒にこの無限大に広がる世界を愛し、彩り、支えていける仲間が増えたら、私はとっても嬉しいです!
ア:お二人とも、本日はありがとうございました!
緒・琥:ありがとうございました。
商業イラストレーターとしての第一歩は、なりたい自分を思い描き、それが実現できる活動の場をみつけること。
だれかのキャラクターに命を吹き込む“PBWイラストレーター”のお仕事も、あなたがもつ選択肢のひとつです。
これを機に、あなたも商業イラストレーターの仲間入りをしてみませんか?
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異端にして幸福なるPBWマスターという物書きの仕事
「100年先もPBWしよう!」を理念として創立された新規PBW運営会社。2020年4月に汎用型PBWプラットフォーム「アルパカコネクト」をリリース予定。
だれもがPBWを気軽に、自由につくれる未来を目指し、汎用型PBWシステム「ルルムフ」を開発している。
▶ティザーサイトはこちら
だれもがPBWを気軽に、自由につくれる未来を目指し、汎用型PBWシステム「ルルムフ」を開発している。
▶ティザーサイトはこちら