自称ガンマニアのソーサーちゃんと天然メイドのカップちゃんによる、ドタバタ・ガンファイト4コマ漫画!
解説では『図解 ガンファイト』を参考に、いつ巻き込まれるともしれない「銃撃戦」で生き延びるための知識をお届けします。正しいルールを知って、ガンアクション描写のウソ・ホントを見抜けるようになりましょう!
第12回目は、「二挺拳銃ってフィクションなの?」について考えていきます。
漫画・文:ケメジホ(@kmjhknj)
映画、漫画、アニメ、ゲーム……さまざまな創作物に登場する二挺拳銃スタイル。
両手に一挺ずつ持った銃を豪快に撃ちまくる様子が画面映えするという点で人気のスタイルですが、本当にあんな風に戦えるのでしょうか?
今回は二挺拳銃の利点をご紹介します。
目次
二挺拳銃はほぼ無駄撃ちになる?
いきなり夢を壊すようですが、両手で各々の銃を撃つというのはあまり実用的ではありません。
ただでさえ片手撃ちは反動を抑えきれず命中率が落ちるのに、それが利き腕じゃなければ撃ったところでまず命中しないからです。
さらに人間には利き腕の他に「利き目」もあります。右か左、どちらかをメインに使っており、銃で戦う際も利き目で狙うほうが狙いをつけやすくなります。
例えば右手右目が利き手、利き目としたとき、右手の銃はきちんと狙えますが左手の銃は狙ったところでどうやってもずれるわけです。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるとはいいますが、そこまで数も撃てないのがハンドガン。リボルバーなら6発、オートマチックピストルでもせいぜい15発程度ですから、適当に撃っていてはあっという間に撃ち尽くしてしまいます。
じゃあ二挺拳銃なんてものはフィクションだけのものかというとそうではなく、存在はしていました。ただ使い方が違います。
二挺拳銃は予備としてのもの
元来、二挺拳銃は弾切れの際に素早く銃ごと交換して使うため……すなわち予備、バックアップガンとして用いられていました。
今はマガジン交換で素早くリロードできる銃が大半ですが、リボルバーが主流だった時代では弾切れを起こすとリロードにかなり時間がかかっていました。
緊急時にリロードなんてしてられるか! ということで予備として二挺目を持ち歩くことになったわけです。
(素早く装填するためのクイックローダーという道具はありますが、それでも緊急時に素早くリロードすることは難しい)
余談ですがバックアップガンを抜くことをニューヨークリロードとも呼ばれます。
由来はニューヨーク市警がまだリボルバーを使っていた頃、弾切れのときに「こっちのほうが早い」とバックアップガンを抜くことが多かったからだとか。
この考え方は今でも通用します。メインの武器が弾詰まりや弾切れを起こした際、切迫した状況であれば素早くハンドガンを抜いて応戦するほうが確実ですからね。
二挺拳銃=アキンボってどういうこと?
4コマでも扱いましたが、銃を扱うゲームをやっていると、二挺拳銃のことをアキンボ(Akimbo)と表記しているのをたまに見かけます。
パッと思いつくのは「Call of Duty」や「PAYDAY二」ですね。
二挺拳銃使いのガンマンが腰に下げたホルスターから銃を抜こうとしている様がアキンボポーズと似ていたから、いつしか二挺拳銃のことをアキンボと呼ぶスラングが生まれたようです。
ほかにもDual gun、Dual wieldと表記することもありますし、おそらくこちらのほうが一般的です。後者は両手にそれぞれ武器を持つこと……つまり二刀流なども指します。
デュアルと書かれたほうが「2つ持つんだな」とイメージしやすいものですが、あえて「アキンボ」とスラングで表現するのもカッコいいですね。
ゲームくらいでしかなかなか見聞きしない言葉ですが、『ガンズ・アキンボ(原題)/ Guns Akimbo』という映画が2020年に公開されるようです。タイムリー。
映画ハリー・ポッターのハリー役、ダニエル・ラドクリフが主演で、二挺拳銃がテーマの映画です。まさしくアキンボ。二挺拳銃好きは要チェックですね。
◎ガンファイト・ガールズの記事
第1話「射撃に適した服装」第2話「銃の選び方」
第3話「車を撃つと爆発する?」
第4話「銃を撃ち落とせる?」
第5話「コック&ロックって何?」
第6話「排莢方向もいろいろ」
第7話「マガジンを抜いても撃てる?」
第8話「ライフルの構え方いろいろ」
第11話「遮蔽物となりえるもの」
第12話「二挺拳銃ってフィクションなの?」
第12話「二挺拳銃ってフィクションなの?」
◎参考資料