前回、 武器によりhpを減らす方法が分かったところでhpについて解説していきましょう。
最大hpは、最も元気で調子が良いという数値です。その時点での能力値などから計算されています。回復の呪文などで最大ヒット・ポイントを超える点数があっても、超えた分は切り捨てます。
ダメージを受けたら、PCの場合は「現在ヒット・ポイント」の欄に、減っているhpを書き留めるか、マイナスされた数値を書いて管理します。
その下にある「一時的ヒット・ポイント」は、呪文などで臨時に付与された追加hpを管理します。hpが減少するときには一時的ヒット・ポイントから先に減少します。
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PCはhpがゼロ以下になると、意識を失う「気絶状態」となり、通常は倒れて「伏せ状態」となって行動ができなくなります(矛盾しない限り異なる「状態」は同時に被ります)。hpが1ポイントでも残っていれば、最大hpである時と変わらず行動できますが、ゼロではイニシアチブの順番が回ってきても行動はできません。
ですがPCは、hpがゼロになったからと言って即死するわけではありまん。ターンが回ってきても何もできず、ターンの終了のタイミングで生死の分かれ目に近づく「死亡セーヴィング・スロー」(死亡セーヴ)を行います。
死亡セーヴでは、1d20をロールし出目が10以上なら「成功」、9までなら「失敗」で、この「成功」が3回になればhp0でも「気絶状態」のままでいる「容体安定化」となります。
死亡セーブによって、もし3回「成功」する前に「失敗」が3回に至ると、その時にはPCは死亡します。キャラクター・シートの「死亡セーヴ」の欄に、成功と失敗にそれぞれ3つの丸があるのは、このチェック用です。
死亡セーブの出目の1と20は特別な結果をもたらします。1は「2回の失敗」とカウントします。20が出れば、hp0から1点回復し、hp1で気が付きます(ただし「伏せ状態」であったら「移動」の際に立ち上がる必要があります。第7回の「移動」を参照)。
死亡セーヴ1回の失敗で「まだまだワン・ストライク」と思っていると、次のイニシアチブが回ってきて行う死亡セーヴで1が出て、いきなり死亡ということはあり得ます。行動できる仲間は、ポーション・オヴ・ヒーリングを飲ませたり(物体の操作:1アクション)、キュア・ウーンズの呪文(呪文の発動時間:1アクション)で回復したりで、早めに死亡セーヴを必要とする状態から救いましょう。
冒険の危険の中には、あまりに大きいダメージを一撃で受けてしまうと即死する恐れもあります。ダメージを受けた時点でのhpをダメージがら引いた残りが、そのPCの最大ヒット・ポイント以上だった場合、そのPCは即死します。ファイター(貴族)は、最大hpが12です。彼の現在hpが6の時に18点以上のダメージを一度に受けると、18-6=12 で最大hp以上が残ってしまうため、死亡セーヴのルールを使うまでもなく即死となります。こうなると、高いレベル呪文で復活させたりしなくてはならなくなります。
モンスターやNPCには、このPCの死までの判定ルールは通常は使いません。前回登場した近接攻撃でhp0とした瞬間の手加減をすればモンスターを気絶状態にでき、hp0でも死にません。逆に遠隔攻撃でhp0にしたモンスターは倒してしまうため、もう戦闘中の脅威として気にする必要はなくなります。
DMは、生き残ってほしいライバルや救出対象のNPCに、PCと同じ死亡セーヴの仕組みを適用してもかまいません。
これで、戦闘遭遇で自PCのターンが来た時に、できる行動がわかり、近接武器、遠隔武器で敵のhpを0に追い込み、倒すことができるようになりました。
そのほかの「状態」や、[斬撃][刺突]といった攻撃の種別については、このはじめての戦闘遭遇では意識しなくてかまいません。
次回はさらに、ここで必要とされるウィザードとクレリックの呪文のルールをご紹介します。
次回は11月23日(土)に公開予定!
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