忍者に憧れたことはありませんか? 街中を縦横無尽に駆け巡り、忍術やさまざまな忍具を使って敵を翻弄する姿に、胸を熱くしたことのある方は多いのではないのでしょうか。
そんな憧れの忍者に近付けるかもしれない方法があります。忍具を作ってみるのです。意外と簡単で、材料も身近にあるものや代用品などで済ますことができ、写真映えもばっちり。夏休みの自由研究にもオススメです!
今回はお手軽なものを中心に、忍具の作り方をまとめてご紹介しましょう。
目次
すぐに作れる忍具①忍者の武器・手裏剣と鉄砲生捕火
せっかく忍者をテーマに自由研究するなら、かっこいい忍者を目指しませんか。まずは忍者のトレードマーク・手裏剣などの武器の作り方をご紹介しましょう。
忍者といえば手裏剣ですが、手裏剣は大きく分けて「車剣」と「棒手裏剣」に分けられます。「車剣」はアニメなどでもおなじみの黒くて平らなもので、星形の他、十字や卍などさまざまな形があります。
本物の手裏剣は鉄でできていますが、今回は身近にあるもので代用してみましょう。
*材料:鉛筆(本数は好きなだけ)、画用紙2~3枚程度、はさみ、のりまたはボンド
*作り方
①いつも使う時のように鉛筆を削る。
②前腕の長さに合わせて画用紙を長方形にカットする。
③別の画用紙を細長く切り、②でカットしたものと貼り合わせて腕に巻けるようにする(図をご参照下さい)。
④さらに別の画用紙を長方形に切り、じゃばらに折り目を付けて端の部分を②の画用紙に貼る(棒手裏剣を収納する部分です)。
※一度鉛筆をセットしてみてから貼り合わせる方がうまくいきます。
⑤完成した収納部分に、棒手裏剣に見立てた鉛筆を入れ、かっこいいポーズを決める!
本物の手裏剣は黒いですが、あえて色画用紙で作ってカラフルな忍者を目指すのも素敵です。色紙で折った手裏剣(車剣)と組み合わせて写真を撮るのもいいですね。
(注意:鉛筆は人や物に向かって投げないで下さい。)
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忍者の武器は手裏剣だけではありません。火薬や毒薬などさまざまな忍具を使いこなして戦います。数ある忍具の中から、アニメにも登場する「鉄砲生捕火」をご紹介しましょう。
*材料:綿、細い糸、水、唐辛子の粉
*作り方
①綿を丸めて鉄砲の弾ぐらいの大きさにし、細い糸で巻く。
②①を水に漬け、唐辛子の粉をまぶせば完成!
「鉄砲生捕火」は鉄砲を撃つ際、弾の代わりに使った忍具です。これを命中させると、敵を殺さずに行動不能にできるため、生け捕りにしたい時に使われました。
すぐに作れる忍具②スルスル登れる?! 梯子
忍者は屋敷の塀や家の屋根、お城の城壁や石垣などどこにでも登らなくてはいけません。アニメなら高くジャンプするだけですが、本物の忍者はさまざまな忍具を使います。
*材料:竹3~5本程度、布4枚、ロープ
*作り方
①竹は2本だけ残し、残りの竹を短く切る(横桟として使うため)。
②長いままの竹2本の端を布でくるみ、外れないようロープで縛る。
③②の竹を間隔が18~24cmくらいになるよう並べる。
④③の竹と直角になるように短い竹を並べてロープで縛り、横桟(足場)を作る。
「結梯」は2本の竹で作った梯子です。一般的な梯子と違い、足場となる横桟の間隔が狭く(18~24cmぐらい)、立てかけた時に音がしないよう、先端部分が布などでくるまれています。
今回は本物の忍具と同じ竹で作りましたが、調達が難しければ木の棒などでも代用可能です。
*材料:竹または木の杖、紐、フック
*作り方
①竹または木の杖に18~21cm間隔で穴を開ける。
②紐を50cmぐらいの長さに切り、①で開いた穴に通して輪にして結ぶ。
③いちばん上の穴に通した紐にフックを取り付ける。
忍び杖は「ただの杖のように見えるが実は梯子」という忍具です。本物は150cm程の長さで、地面に立てかけたり塀などに引っかけたりして3mくらいの高さまで登ることができます。
時間をかけて研究できる! 水面を渡るための忍具
衣服を濡らさずに川や湖の上を渡ることができるのも忍者ならではです。最後に水の上を渡る時に使う忍具の作り方をご紹介しましょう。
*材料:水甕(みずがめ)(桶やタライ、木の臼でもOK)、木か竹の棒、紐
*作り方
①棒を格子状に組み上げる。
②格子の間に甕の口をはめ込み、紐できつく固定する。
最初にご紹介するのは甕筏(かめいかだ)です。忍者が川を渡る時に使った忍具で、なんと簡単2ステップ! 格子状に組んだ棒の間に甕を縛り付けるだけで完成します。甕は重いですが、写真だけ撮りたいというような場合には植木鉢などでも代用できそうです。
忍者はこの甕筏を即席で作り、川に浮かべて移動していました。100cmの甕1口で忍者1人分の浮力が得られるといいますので、それより小さな甕を使うなら、もっと個数を揃える必要があるでしょう。実際に甕をいくつも運んで筏を作り、川に浮かべるのは体力勝負となりそうです。
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忍者が水の上を渡るというと「水蜘蛛」を思い浮かべる方も多いでしょう。でもちょっと待って下さい、水蜘蛛は本当に忍者が使っていた道具なのでしょうか?
*材料:板、釘や紐
*作り方
①図を参考に、のこぎりなどで板を切断する。
②①を釘や紐で固定する。
水蜘蛛は忍術秘伝書に掲載されている、水の上を歩くための忍具です。円形の板の真ん中にある長方形の部分に足を置いて歩きます。
ところが浮力の計算をしてみると、当時の平均身長160cm前後、体重50kg程度の人間が乗るものと仮定して、秘伝書に記された水蜘蛛の大きさ(2尺1寸8分)では、板の厚さが30cmも必要になってしまい、とても現実的ではありません。
これに対し、秘伝書の大きさは間違いで、本当はもっと大きく、真ん中の長方形の部分にまたがって乗り、足で水をかいて進んだのではと考える人もいます。しかしそれなら、周囲の部分をわざわざ円形に整える必要性はありません。
これらのことから、水蜘蛛は後世の人が想像した伝説の忍具であり、実際に使われていたかどうかはかなり怪しいと考える人もいます。
とはいえ作ってみたいという方には、木の代わりに段ボールで製作してみるのはいかがでしょう。水の上に浮かべることはできませんが、これなら切ったりサイズを調整したりするのも簡単ですし、好きな色に塗ったり模様を描くこともできますよ。
また、歩けるかどうかは別として実際に水の上に浮いてみたいという方は、ペットボトルなどを貼り合わせて筏のように組み上げるという方法もあります。人間が乗るとなるとそれなりの大きさ・場所が必要なため、人形などで代用するのも一案です。
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手軽に作れて自由研究にもオススメの忍具を6つご紹介しました。憧れのかっこいい忍者目指してぜひ作ってみてください! 楽しい夏休みになりますように。
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