【夏のホラー企画!ディオダディ荘の怪奇談義】
これはA-9さんから寄せられた、SNS投稿にまつわる話です。
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アイドルを真似て自撮り写真をSNSにアップしていた時期がある。
スマホで撮った写真は、もちろんアプリで加工する。時には原型すら分からないほどに。
そうしてアップした写真が、あるときボヤけた暗い写真になってしまったことがある。
全体的に黒いし、辛うじて中央に赤い何かが映っているように見える。
加工のし過ぎでバグったのかなーと投稿を削除しようとすると、リプライがついた。
「この写真は危険です」
普段軽口を言い合っているAさんからだった。
リプライが続く。
「見ないでください。見られています」
何を言っているのか分からない。
削除しようとしても、なぜかエラーになって失敗するので、まあ、いいかと放っておいた。
Aさんはその後も意味不明な発言を続けていたが、だんだんと静かになり、そのままアカウントが消えてしまった。
オンライン上のつながりなんてそんなものかと思った。
それで問題の写真は今もアップされたままだが、時々誰かが発見するのか、スマホに通知が上がってくる。
久しぶりに写真を見返してみた。
写真の向こう側にいた何かと目が合ってしまい、慌てて目をそらしてから、いや、自分の顔が写真の黒い部分に反射しただけじゃんと気付いて可笑しくなった。
画面に視線を戻すと、画面中に子供のように細い指で何度も擦り付けたような跡が残っていた。