【夏のホラー企画!ディオダディ荘の怪奇談義】
これはマダメさんから寄せられた、小学校の怪談に関する話です。
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友人Aの話。
「親戚の子に地元小の理科準備室の銀血って知ってる?って聞かれたんだ」
「どんな話?」
「昔、理科準備室で男子が急に苦しみだして……」
口から銀色の血を吐いて死んでしまった。
準備室の床に着いた点々とした染みはその男子の血の跡なのだという。
「へぇ、怖い」
私が呟くとAは笑った。愉快というより苦笑、という風だった。
「何、その含みがありそうな反応」
「俺、現場いたんだよね」
「え?」
「銀の血を吐いたって奴、ダチなんだけど、はは、噂なんていい加減だよ。そいつ、生きてるし」
目をパチクリしているとAは真相を語ってくれた。
当時、小学生だったAと友達は理科準備室で暇を持て余していた。
すると友人の1人が「パワーアップのクスリを作ろう」と言い出したらしい。
詳しい内容は忘れたが、博士なキャラが実験で不思議な薬を作り、主人公の力を強くする、みたいな漫画だかを読んで思いついたそうだ。
何せ昔の話である、備品の管理は結構杜撰。
材料になる物は無いだろうかと皆で戸棚を漁っていると温度計の束を見つけた。
「それを、先っちょを机の縁からちょっと出して、手で叩いて割って……下にはビーカーを置いて“銀色の液体”を集めたんだ」
結構な数を割った気がするとAは言っていた。
そうしてビーカーに1センチ程の“銀色の液体”が溜まった。
「それで……?」
「ダチの1人が、コレでパワーは100万倍じゃ!!って飲んだ」
ゴクリと揺れる、友人の喉元、そして次の瞬間。
「“ぴぎゃっ!!”って、うん、誇張無くそう叫んで口から銀の液体を吹いて床をノタウったんだ」
慌ててAたちは先生を呼びに行き……。
「死んだの? その子」
「いや、生きてるって言ったじゃん」
青ざめた私に、Aはまた苦笑を浮かべる。
「っていうか、先週そいつに会ったし」
「なんだ、元気なんだ。良かった」
「元気と聞かれたらちょっと違うかも」
Aの苦笑が深まった。
「会ったの病院なんだ、あれから透析受けてるんだよ」