D&Dのルールの基本は、キャラクターの能力値と、20面ダイスでの判定です。D&Dにおいて、行動の成否の判定では20面ダイスだけを使います。
能力値は6種類あり、キャラクターの肉体的、精神的な能力を数値で表すものです。これはプレイヤー・キャラクター(以降"PC")、ノン・プレイヤー・キャラクター(以降"NPC")、モンスターとも同じ意味です。
・ 【筋力】:肉体的な力の強さをあらわす。
・ 【敏捷力】:動きの速さと正確さをあらわす。
・ 【耐久力】:耐えぬく力をあらわす。
・ 【知力】:思考と記憶をあらわす。
・ 【判断力】:知覚と洞察をあらわす。
・ 【魅力】:人格の力をあらわす。
・ 【敏捷力】:動きの速さと正確さをあらわす。
・ 【耐久力】:耐えぬく力をあらわす。
・ 【知力】:思考と記憶をあらわす。
・ 【判断力】:知覚と洞察をあらわす。
・ 【魅力】:人格の力をあらわす。
PCは3から最大で20、モンスターには30までの能力値をもっていることがあります。
「ファンデルヴァーの失われた鉱山」のなかの「モンスター集」に「一般人」というデータがあり(P.56)、能力値はすべて10です。
キャラクター・シートのあるクレリック1/ヒル・ドワーフの【耐久力】15や、ローグ1/ハーフリングの【敏捷力】16という能力値は、一般人に比べてとても優れていることになります。武具を駆使するファイターなら【筋力】、呪文を使うウィザードなら【知力】が高いキャラクターが有能であることを意味します。
(左:ドワーフ 右:ハーフリング)
キャラクター・シートで能力値を見ると、能力値の数値は小さい楕円の中に書いてあり、その上にプラス・マイナスの記号がついた、大きく表記された数字があります。この大きい数字が「能力修正値」です。能力値が 10、11 だと修正値はプラス・マイナス0で、8、9では-1、12、13だと+1というように、能力値の上下2ごとに値が違います(スターター・セット・ルールブック P.4「能力値と能力修正値」表)。
行動の成否を決める判定は「能力修正値」のほうと20面体ダイスの出た目の計算です。
たとえば、PCが重い物を持ち上げようとした場面で、DMが「それはとても重いから、持ち上げられるかどうか【筋力】判定をしてください。」と言うかもしれません。その場合、荷物を持ち上げようとするPCのプレイヤーは20面ダイスを振り、出目と【筋力】修正値を計算します。
修正値がプラスなら出目に足し、マイナスなら出目から引きます。プラス・マイナスゼロならば、出目だけで結果の値となります。
この判定を「能力値判定」と言います。
結果の値を目標値と比べて、目標値以上であれば成功("以上"なので同じ数も成功)、下回ったら("未満"なら)失敗となります。
「目標値」とは「どれだけ難しいか」という数値で「難易度」とも呼びます。通常はDMが難易度を提示したり、戦闘で攻撃が当たるかどうかは、攻撃を受ける者のアーマー・クラス(以降"AC")が目標値になります(戦闘でのルールや、DMが目標値・難易度をどう扱うかは、次回以降紹介していきます)。
PCは作成された時点の年齢までの間も、その世界で生まれ成長し、生きて来て勉強したり、鍛えたりして才能を伸ばしているはずです。それを表すのが「技能」です。キャラクター・シートの能力値の右にある<威圧>から<歴史>までの「技能」の欄を見てください(公式のキャラクター・シートは欄のタイトルが下にあります)。
「技能」は能力値を土台とし、その項目の事柄について、どれだけ得意であるかを表します。スターター・セットのキャラクター・シートにおいて●がついている技能は、そのPCが得意とする「“習熟”している技能」であり、すでに計算の上で記入されています。この数値を使う判定を「技能判定」と言います。
「技能判定」は、20面ダイスの出目と技能の修正値を計算します。修正値がプラスなら出目に足し、マイナスなら出目から引きます。プラス・マイナスゼロならば、出目だけで結果の値となります。
結果の値を目標値と比べて、目標値以上であれば成功、下回ったら失敗です。
「技能判定」は、能力値判定が必要となった時、「能力修正値」よりも「技能」の修正値が高い、つまり身体的能力よりも習熟し得意な「技能」で判定に挑むものです。キャラクター・シートには計算された技能修正値が記入されていますが、“習熟”していない技能の修正値は、実はそのベースになっている能力修正値と同じ数字です。
「能力値判定」「技能判定」ともに、20面ダイスを1個振って、数値をひとつ足す/引くだけです。この判定がわかれば、戦闘ではない場面でのプレイにもう参加することができます。
なにに“習熟”しているかは、ファイターやウィザードといった「クラス」、「種族」の特徴、選択する「背景」などにより決まりますが、これは「スターター・セット」でのプレイでは気にする必要はありません。
また、20面ダイスを2つ振る、第5版のあたらしいルール「有利/不利」がありますが、戦闘に関係する項目とルールの説明のあとにご紹介します。
次回は、キャラクター・シートのほかの項目を紹介していきます。
〉D&Dのはじめかた一覧
次回は9月14日(土)に公開予定!
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