イラスト:緒方裕梨(@colornix) |
夏に欠かせないアイテム、うちわ。外を歩けば、うちわを仰いで涼む人の姿を見つけることができますね。
このうちわ、日本ではいつ頃から使われるようになったのでしょう?
勝敗の運気を占ううちわ
うちわは奈良時代に中国から伝わったもので、今では円い形が一般的ですが、もとは円形だけでなく方形もありました。
当時、うちわには神の霊威を呼び起こすはたらきがあると考えられていました。あおいで風を起こす作用により、神の気配を高める呪力を発揮できるとされていたのです。
そうしたうちわの呪力を利用するために生まれたのが、戦国時代の軍配です。軍配は正式には軍配団扇といい、戦いを勝利に導く道具として武将が戦陣で用いました。
それだけでなく、武将のそばに控える軍師が軍配を用いて戦の吉凶を占ったり、祈祷をするために用いられることもあったようです。
ほかにも、沖縄のノロ、ヤタといった巫女は、神を招くため神事の際にクバ(蒲葵)の葉のうちわを使うといいます。
古くから「吉を呼び込む」とされてきたうちわ。今年の夏は、そんな気持ちでうちわを仰いでみると、ちょっといいことがあるかもしれませんよ。
次回の1コマ漫画は8月5日に
「ペリドット」の1コマをご紹介します♪
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◇参考書籍
『神秘の道具 日本編』 |