剣や盾や鎧、そして魔法の呪文。人だけでなくエルフやドワーフといったの異種族やドラゴンを筆頭としたモンスターが徘徊する架空の世界を舞台に、冒険者として冒険を楽しむテーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム(以降"TRPG")「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(以降"D&D")。
この連載は、TRPGの元祖にして剣と魔法の世界で冒険を繰り広げる「D&D」を、「どんなTRPGなの?」「遊んでみようか」、という皆さんへのガイドです。
『ダンジョンズ&ドラゴンズ スターター・セット』が、初めて遊ぶ人に向けた入門編商品です。5人で遊ぶなら一人あたり600円ちょっとで、数時間にわたって冒険物語を楽しく遊ぶことができます。コミックや小説、映画のような「見る」だけではなく、その世界に生きるキャラクターという分身を通して「体験」できるのがTRPGのすばらしさです。
とはいえ、お金をかけるまえに詳しく知りたい、という人もいらっしゃるでしょう。「試しにD&Dを遊んでみよう」と思った時、お金をかけない方法があるので、そちらから紹介しましょう。
ほかのTRPGで、キャラクターを作成しプレイヤーとして参加したり、進行役のゲームマスターの経験があるなら、説明を読まなくてもリンク先のページでPDFファイル(無料!)を手に入れ、内容に目を通せばD&Dをプレイできるでしょう。
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』ベーシック・ルールへようこそ!
http://hobbyjapan.co.jp/dd/news/basic_rule.html
(リンク先ページ画像)
●プレイヤー用ベーシック・ルール日本語版
・キャラクター作成(手順と4種族・4クラス、武具・装備・アイテムのデータ)
・キャラクターの最高の20レベルまでのレベル・アップのルール
・能力値判定ルール、技能判定ルール
・戦闘ルール
・呪文のルール
・掲載されているクラスが必要とする呪文
基本的な4種族(ヒューマン、エルフ、ドワーフ、ハーフリング)、4クラス(ファイター、ウィザード、クレリック、ローグ)でD&Dのキャラクターを作成し、最大の20レベルまで遊ぶことができる、すべてが書かれています。省略や抽出された「体験版」ではありません。
●キャラクター・シート
TRPGには必須のキャラクター・シートです。プレイしたら、その年月日を記入しておくと、あとからゲームを思い出せるのでお勧めです。
●ダンジョン・マスター用ベーシック・ルール日本語版
「ダンジョン・マスター」(以降"DM")とは、D&Dのゲームの進行役のことです。
内容の大半は、ゲームに登場させるノン・プレイヤー・キャラクター(以降"NPC")のデータです。動物、モンスターが159種、NPC向けの人型種族が10種、ゲーム登場時に使う「データ・ブロック」という書式で掲載されていて、その読み方も説明されています。街の通行人や施設の店員といったデータがいらないNPCは、とくにデータを用意する必要はありません。
データが掲載された後ろにはゲーム中で起きる戦いの作り方や、魔法によって強化されたり便利になっている武具や道具のデータが5ページほど続きます(「戦闘遭遇の作成」、「魔法のアイテム」)
●アドベンチャー・シナリオ
冒険のストーリー、つまりTRPGの"シナリオ"と呼ばれるものを、D&Dでは「アドベンチャー」と呼びます。ここにある「1レベル用アドベンチャー"腐敗の影"」は、とある村に現れる害獣退治を頼まれる初心者向けアドベンチャーとなっています。ゲームを進行するDMへのアドバイスも記述されています。
初心者向けとは言えキャラクターが命を落とす危険はあります。危険のスリルそのものと、それを回避する工夫やうまく逃れた快感、安堵感などもD&Dを遊ぶ楽しみの一部です。
あとは、「D&Dとやらを遊んでみようぜ」という仲間たちと、ダイスと筆記用具を持ち寄れば、英雄的なキャラクターとなって幻想世界の危険きわまりない大冒険に挑むD&Dの魅力を体験できます。
「プレイヤー用ベーシック・ルール」は、次回以降も記事を読みながら見ると便利です。「D&Dがどのような遊びであるのか」やダイスの振り方、ということから書かれた「はじめに」から読めば、TRPGがはじめての人にも役に立つでしょう。
次回は、1レベルから5レベルまでをプレイできる「スターター・セット」を、どのように進めていくと良いかを紹介します。
次回は8月3日(土)に公開予定!
ダンジョンズ&ドラゴンズ 日本公式サイト
http://hobbyjapan.co.jp/dd/
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