2019年4月28日(日)。平成の終幕……ではなく、パンタポルタの開設2周年を記念して、中世ヨーロッパをテーマにした食事会が開催されたよ! おかげさまで満員御礼、本当にありがとうございました!
会場を提供してくれたのは、芳林堂書店高田馬場店さん。普段からユニークなイベントを催している書店さん(詳しくは公式サイトのイベントページを見てね)が、この日は中世ヨーロッパの宴会場に様変わり。
講師には『中世ヨーロッパのレシピ』(新紀元社)を上梓したコストマリー事務局の繻 鳳花さん、ゲストにベーテ・有理・黒崎さんをお呼びして、たっぷり2時間、中世にまつわるトークショーとお食事を楽しんだよ。
さて、本来であればここからぱん太の面白おかしいイベントレポートがはじまるんだけど、今回はそうもいかないんだ……。というのも、当日取材で参加してくれていた4Gamerさんが非の打ち所がない素晴らしいレポートを書いてくれたから、ボクの書くことがなくなっちゃったんだ。
イベントのようすを知りたい人は、ぜひ読んでみてね。
予想以上においしい中世のメニューをいただいた,「パンタポルタ祭 中世ヨーロッパ食事会」レポート
⇒https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20190430049/
「じゃ、お役御免ということで……」と言って逃げようとするボクを引き留めたのは、やっぱりモーニングスター先輩(モーニングスターブックスTwitterの中の人で、ぱん太の先輩)だった。
当日の様子が書けないなら、イベントの裏側を書けばいいじゃないですか。
パンがなければケーキを食べればいい、と言ったという(噂のある)マリー・アントワネットは近世の人だけれど、そのトンデモ理屈は中世のイベントでもまかり通るらしい。
ということで、この記事では「パンポルタ祭 中世ヨーロッパ食事会が開催されるまでの話」と題して、イベント運営の裏側をざっくりお届けするよ!
イベント成功の裏には、たくさんの人の協力があったんだ。
◇とりあえずイベントがやりたかった
あれは去る12月の日――コストマリー事務局の繻さんを打ち合わせスペースに迎えて、ボクとモーニングスター先輩はこんなことを言った。
「パンタポルタのイベントをやってみたいのですが」
正直、「やってみたいのですが」以上のことを大して考えていなかった(って書くと先輩に怒られそうだけど)ボクたちに対して、繻さんは朗らかに賛同してくれた。
コストマリー事務局として、歴史再現企画や西洋ファンタジー関連の体験型イベント企画を数多く運営してきた繻さん。その豊富な経験に基づいたアドバイスを拝聴しながら、ボクたちは一からイベントの内容を練っていった。
そもそも事の発端は、昨年(2018年)社長が放った「イベントで盛り上げろ!」という鶴の一言だった。
ということで、コストマリー事務局さんとなんとなく適当に話し合った結果、50人を目標に定めた。内心では、30人も来たら有難いと思いながら……。
◇イベントで儲けるのは難しい?
次に相談を持ち掛けたのは、芳林堂書店高田馬場店で働く大内さん。
実はパンタポルタでもおなじみキャッスル・ティンタジェルさんのイベントもよく高田馬場店で行われている。何を隠そう、その仕掛人が大内さんなのだ。
今回の中世ヨーロッパ食事会という企画にも前のめりで、「ぜひやりましょう!」と手を取ってくれた。
(そして会場のセッティングのために尽力してくれたのが、家が水族館みたいだという噂の淡水魚先輩だ)
ちなみに芳林堂書店高田馬場店のイベントスペースはこんなに広々!
食事イベントと簡単に言っても、もちろん書店さんに調理スペースなどあるはずもなく。
だから当日は、芳林堂書店と同じビルの4Fに入っている「LUCAS FARM CAFE」さんのキッチンをお借りしたんだ。ありがとうございます!
◇◇◇
ボクたちを一番悩ませたのは、「準備はしたけど本当に人来るの?」問題だった。
実はリアルイベントはコスパがよくない。儲からないどころか、とんとんでせいぜい、赤字になることも十分にありえた。
「モーニングスター先輩の中では、目標人数って何人くらい?」
「43人ですが」
「43人!? それってほとんど満席じゃん!」
「まぁ今回はパンタポルタを知ってもらうためのイベントですから。協力してくださる方々もいますし」
大丈夫ですよ、と落ち着いて話すモーニングスター先輩に、ボクも「そうか大丈夫かぁ」と納得したのだった。
――数日後。
出勤して早々にモーニングスター先輩のデスクへ行くと、なよなよとした先輩がそこにいた。
「明日から募集開始ですが、もし全然人が集まらなかったらどうしましょう……逃げたい!」
いやいやいや! ついこの前まで「大丈夫」って豪語してたのに!
というツッコミも聞こえてないふうで、上に立つ者は大変なんだなぁとボクは呑気に構えていた。
◇パンタポルタらしさを求めて
さて、ついにやってきたXデー。チケットの売り出し日。
チケットの購入方法は以下の2つ。
・Peatix(イベントを管理できる便利なアプリ)にて申込む
・芳林堂書店高田馬場店のレジで「チケットください」と言う
事前に繻さんや大内さんから伺っていた話だと、イベント数日前の駆け込み需要と書店店頭のポスターやチラシを見て買う人がかなり多いらしい(リアルイベントはリアル店舗での販売が強いのだとか)。だから、初動で全然集まらなくても落ち込まないぞ、と決めていた。
しかし、ふたを開けてみるとチケットは早いうちから完売! モーニングスター先輩も「大丈夫だと思ってましたよ」とドヤ顔をする。
そうして一番の心配事も杞憂に終わり、あとは当日に向けて準備を進めるだけとなった。
告知に協力してくれた皆さま、本当にありがとうございます!
しかしこうなると欲を出したくなるのが人間の性。
イベントの主役はコストマリー事務局さんとゲストのベーテさんだけど、パンタポルタ祭と銘打つからには、何かパンタポルタらしいことをしなくちゃいけない。
そこでボクは、モーニングスター先輩にいくつかお願いをすることにした。
「せっかく50人集まったから、もっとパンタポルタらしさを出そうよ」
「たとえばどんなのですか?」
「オリジナルデザインのコースターとランチョンマットを作りたい」
一部の人はご存知のとおり、コースターやランチョンマットといった紙製品はわりとお手頃な価格でオリジナルグッズを作れる。
ざっくりとしたデザインをボクが考えて、それをモーニングスター先輩の知人のDTPオペレーターさんがデータに落とし込む。そうして出来上がったのがこちら!
コースター:先輩が「スタバっぽくしましょう」とトレンディな風を吹かせていたので、それっぽくしてみた。星はぱん太のトレードマークだよ★☆
ランチョンマット:2周年記念のロゴは、杖からわたあめが出ているゆめかわいい系のデザインに。食事イベントだから美味しそうじゃなくちゃね!
実はこのランチョンマットには、違う絵柄のぱん太とぽる太が1匹ずつ隠れているんだ。暇で暇でしょうがない人は探してみてね。
(ヒント:頭)
コースターとランチョンマットがもらえるチャンス!
さらにもうひとつモーニングスター先輩にお願いしたのが、クイズの景品だ。
ボクや先輩がお菓子を作るなんて話も出ていたんだけど、先輩が作ったら消し炭プレゼントになりそうだし……ボクが作ったら名状しがたい何かが出来上がっちゃいそうだから、中世っぽい焼き菓子をお店で買うことにしたよ。みんなも一安心だね。
御茶ノ水にあるレイジーデイジーベーカリーさんのクッキー
ただ当日はサプライズでゲストのベーテさんが骨髄パイを焼いてきてくれたから、それが飛び切りのプレゼントに! この素晴らしいご褒美は、クイズに全問正解してくれた方々と、ベーテさんとのじゃんけんを制した方のもとへ。
創作に活かすため、自分で中世料理を再現することもあるというベーテさん。美味しすぎてボクは2切れも食べちゃった。
ドライフルーツとシナモンがたっぷり入った濃厚でスパイシーなパイ。忘れられない美味しさ!
◇パンタポルタクイズ
イベントでは、中世ヨーロッパにまつわるクイズも行われたよ。
普段からパンタポルタを読んでくれてるみんなには簡単すぎるかなって思ったんだけど、多くの人が「難しすぎる!」と悲鳴を上げていた……。
それぞれどの記事に答えが載っているかも併せて掲載しておくね。
会場では全問正解してくれた方が2名も。みんなも全問正解を目指そう!(答えは記事の一番下にあるよ)
- クイズ -
1.中世ヨーロッパの農村には、お風呂屋さんと兼用でお店をやっている人が存在ました。その店とはなんでしょう。
①炭焼き
②居酒屋
③パン屋
ヒント記事:不潔なイメージを洗い流す!? 中世ヨーロッパの風呂屋事情
http://www.phantaporta.com/2018/02/blog-post30.html
2.中世ヨーロッパで、農村の酒場には飲食などを提供する以外にどんな役割があったでしょう?
① 旅人や傭兵同士をマッチングさせる
② 村人の悩みを聞き解決できる人を紹介する
③ 村人に不穏な動きがないか監視する
ヒント記事:中世ヨーロッパの農村にはどんな職業があったの?
http://www.phantaporta.com/2017/09/blog-post281.html#toc--rpg-_1
3.中世の人々、特に貴族も現代の私たちのように洋服やお洒落には敏感でした。13世紀頃の彼らが行っていたファッションの工夫はなんでしょう?
①服に左右別の色を用いる
②無地が主流だった上着に刺繍を入れる
③男性が女性の服を、女性が男性の服を着る
ヒント記事:お城は毎日がファッションショー 中世の貴族の衣服
http://www.phantaporta.com/2017/12/blog-post6.html
4.中世ヨーロッパでは、平皿の代わりに硬くて平らなパンの上に肉料理を載せていました。富裕層の人々はこの硬くて平たいパンのことを、別名何と呼んでいたでしょう?
① 犬の食器
② 施し皿
③ 木の板
ヒント記事:硬いパンが皿代わり! 中世ヨーロッパの食器事情
http://www.phantaporta.com/2018/10/blog-post_12.html
5.古英語でknightとはどんな意味の単語だったでしょう?
① 騎乗
② 僕(しもべ)
③ 戦士
ヒント記事:騎士になりたい! そんなあなたのためのパーフェクトガイド
http://www.phantaporta.com/2018/02/blog-post2.html
◇イベント当日
くどいようだけど、当日の詳しい様子は4Gamerさんの記事を読んでね。
この記事では、ちょっとした裏話を写真とともにざっくりお届け!
会場のプロジェクターで流していたパンタポルタのPR動画だよ。よっ、ファンタジー界の英雄!
コストマリー事務局の繻 鳳花さん(左)とベーテ・有理・黒崎さん(右)。
食事の準備のため、朝9時には会場へ来ていた繻さん。会うといつも「モーニングスター先輩とぱん太くんの掛け合いが生で見れて嬉しい!」と笑ってくれる。
パンタポルタ祭の会場レイアウトは繻さん指導のもと、中世ヨーロッパの宴会(大人数掛けの長机)をイメージして並べられていたんだ。
ベーテさんとは開場前に剣を持って遊んでいたよ。ボクと淡水魚先輩は両手じゃなきゃ持てない剣も、ベーテさんなら片手剣に……。ちなみにお昼は崎〇軒のシュウマイ弁当をみんなで食べた。
黄色い歓声で迎えられた甲冑騎士三人組は、西欧中世実践研究会アヴァロンの方々。
イベント後は多くのお客さんに囲まれて、甲冑の弱点や着用の仕方を話してくれていたよ。なんと料理のサーヴをしてくれたのもアヴァロンの皆さま。何から何までありがとうございます!
『歴メシ!』(柏書房)などの著者・音食紀行の遠藤さんも、繻さんの盟友としてお手伝いに駆けつけてくれたんだ。
質疑応答のとき、こっそり「これぐらいは大丈夫です」と言いながら笑顔でグイグイお酒を飲んでいたのをボクは見逃さなかった(しかもコップが空になるとお酒を注ぎ足す大内さん)。
素敵なドレスを着ているのは、『逆鱗のハルト』(モーニングスターブックス)の作者・奏先生。何より自慢したいのは、このドレスを選んだのがぱん太だということ! やっぱりお姫さまがいると会場が華やぐね。
◇◇◇
最初はどうなることかと思ったけど、たくさんの方の協力のおかげで大成功のうちに幕を閉じた「パンタポルタ祭」。
開催に協力してくださった皆さま、参加してくれたみんな、心からありがとう~! そして今回参加できなかったみんなも、(もしあれば)次回はぜひ遊びに来てね。
3年目のパンタポルタもよろしくお願いします!
案内人:ぱん太
◇クイズの答え
1→③ 2→③ 3→① 4→② 5→②
コストマリー事務局
http://woodruff.press.ne.jp/
Twitter:@costmary_net
ベーテ・有理・黒崎さん
Twitter:@YKBethe
芳林堂書店高田馬場店
http://www.horindo.co.jp/takadanobaba/
西欧中世実践研究会アヴァロン
http://avalon.tsukaeru.jp/
音食紀行
http://onshokukiko.com/wpd1/
Twitter:@onshokukiko
コストマリー事務局主催のイベント情報
ファンタジー雑貨の即売会「星降る森の魔法市」が今年も開催されます!
日時:2019年7月20日(土)・21日(日)
2日間開催(前後半・一部分離制)
場所:川崎市産業振興会館 4F企画展示場
(JR東海道線・京浜東北線 川崎駅より8分/京急線 京急川崎駅より徒歩7分)
内容:異世界ファンタジー体感型 創作アイテム展示即売会
一般参加申込受付:デジタルチケットサイト「パスマーケット」にて受付中
主催:星森魔法市準備会/コストマリー事務局(総合主催)
共催:合同会社リンクル
▽詳しくは公式サイトをチェック!
公式サイト:https://hoshimori.jp/
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