イラスト:緒方裕梨(@colornix) |
忍者たるもの、いかなる時も隠密に行動しなければなりません。
そのため、任務に使用する道具にもひと工夫が必要です。
今回は、忍者の使う灯りをご紹介しましょう。
まず重要なのは、灯りを点けたり消したりするのが手軽にできることです。
忍者の活躍していたこの時代に懐中電灯はありませんから、灯りには火を用いています。
しかし、いちいち火を灯していては時間がかかってしまい、正体を晒す危険性を高めてしまうでしょう。
そこで用いられたのが、この「強盗提灯」です。
現在の懐中電灯よりもはるかに暗いですが、今のようにビル明かりやネオンのなかった時代……当時の人々は暗闇に目が慣れていたので、十分有効な光源になりました。
この強盗提灯のロウソク台には羅針盤と同じ仕組みが使われており、どんな方向を向いていてもロウソクが垂直になるようにできています。
灯りを見えなくしたい場合は下に向けて伏せて使えばよく、手軽に使うことができます。
もう一つ大切なのが、灯りの持続性です。火による灯りは、風や雨で簡単に消えてしまいますね。そのため消えにくい火をつくるべく、火薬にさまざまな工夫がなされたようです。
たとえば、水に濡れても火が消えないとされた「義経水炬火」は、樟脳・硫黄・硝石・もぐさ・松挽粉を粉にして練って作ります。
ただし、こうした火薬の中には、有効そうなものもあれば、眉唾なものもたくさんありました。
◇参考書籍
『図解 忍者』(山北 篤)
次回の1コマ漫画は7月15日に
「メイドの恋愛事情」の1コマをご紹介します♪
◎シリーズ一覧