『Role&Roll』誌にて好評連載中の「うちのファンタジー世界の考察」シリーズから、第140弾を公開!
「うちのファンタジー世界の考察」とは、「いわゆるファンタジー世界と呼ばれるもの全般」を対象に、著者である小林裕也さんの知識と妄想をごちゃまぜにして、「イラストコラムとしたもの」です。
なぜ現在も生きているペンギンが絶滅動物なのか?
実は、このペンギンとは現生のペンギンじゃない。“オオウミガラス”――空を飛べず、水中にもぐってサカナを獲り、直立してて、黒白の体色の水鳥。
それを昔は“ペンギン”と呼んでいた。学名も“Pinguinus(ピングイヌス)”。
“本家ペンギン(北ペンギン)”と“ペンギンモドキ(南ペンギン)”は祖先を全く異とする種。なのに姿形がそっくりなのは、いつもの“収斂進化”のせい。
水中を“翼”で泳いでサカナを獲るって習性のために似た形態になっちゃったのね。
体が黒白なのも、水中で獲物に発見されにくくするためのカムフラージュ色なのだ
彼らが生息していたのは北大西洋の離れ島。
一般のウミガラスと違って空を飛べない彼らは天敵のいない孤島で繁殖してたのである。
しかし、人々は船に乗って繁殖地へ出かけていって肉や羽毛、ランプ燃料用の脂肪を得るために乱獲し、1844年に彼らはついに地上から姿を消したのであった。
一方で、大航海時代により南半球へ航海したヨーロッパ人は、そこに北のペンギンそっくりなトリを発見。同じ種類だと思って彼らにも“ペンギン”と名付けちゃったのである。
そして“本家ペンギン”が絶滅した後、彼ら“ペンギンモドキ”は正式なペンギンと呼ばれるようになったのである!
「うちのファンタジー世界」は、毎週火・金曜日に更新しています!
次回は5月28日に「青い鳥」を更新予定です。お楽しみに♪
著者:小林裕也
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