自称ガンマニアのソーサーちゃんと天然メイドのカップちゃんによる、ドタバタ・ガンファイト4コマ漫画!
解説では『図解 ガンファイト』を参考に、いつ巻き込まれるともしれない「銃撃戦」で生き延びるための知識をお届けします。正しいルールを知って、ガンアクション描写のウソ・ホントを見抜けるようになりましょう!
第6回目は、「空薬莢」について考えていきます。
漫画:ケメジホ(@kmjhknj)
空薬莢はどこに飛んでいくの?
手に汗握る銃撃戦は映画や小説の見どころのひとつですが、実際の銃撃戦では敵からの攻撃以外にも気を付けなければいけないことがたくさんあります。空薬莢の取り扱いもそのひとつです。
空薬莢? 何それ? とお思いの方もいるでしょう。
「空薬莢」とは弾を撃った後に残る薬莢のことで、「エンプティ・ケース」「撃ち殻薬莢」などとも呼ばれます。
銃を撃つ時、撃鉄が雷管を叩くと雷管の爆薬が発射薬(火薬)を燃やし、その圧力で弾頭が飛んで行きます。この発射薬が詰められていた筒のことを「薬莢」といい、発砲後は発射薬が燃え切って空になるので「空薬莢」と呼ぶのです。
発砲後の銃身や空薬莢は、摩擦や発射薬の燃焼でとても熱くなっています。うっかり素手で触らないよう気を付けた方がよさそうです。
火傷や怪我にご注意を! 空薬莢が飛ぶ方向
では弾を撃った後、空薬莢はどうなるのでしょう?
薬莢や空薬莢を排出することを「排莢」といいます。リボルバー拳銃の場合、空薬莢はそのまま弾倉(シリンダー)に残りますが、オート・ピストルやアサルトライフル、ショットガンなどでは、空薬莢は弾を1発撃つ度に自動で銃の外へと排出される仕組みになっています。つまり、戦場では銃弾以外に空薬莢も飛んで来る可能性があるというわけです。
それでは空薬莢はどんな方向へ飛ぶのでしょうか?
基本的に、空薬莢は右側後方へと飛んで行く設計になっています。しかし銃のモデルによっては、それ以外の方向へ排莢されるものも存在します。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
①右側排莢(基本)
・コルトガバメント
・ベレッタM92
・H&K USP
②左側排莢
・ワルサー P38 (ルパン三世の愛銃)
・ワルサー P5
③上方排莢
・ルガー P08 (第2次世界大戦で活躍)
・モーゼル拳銃
④前方排莢
・FN F2000
⑤下方排莢
・FN P90
銃を撃つ時は自分の銃の排莢方向を把握しておくことが大切です。実際の銃撃戦では自分の銃の他、仲間の銃から出された空薬莢が飛んで来て身体に当たってしまうこともあります。よくある火傷や怪我の事例をご紹介しましょう。
・室内の銃撃戦で、排出された空薬莢が壁に当たり跳ね返って来たため顔や目に怪我をした。
・胸元が開いたシャツを着ていたら、空薬莢が飛び込んで来て火傷してしまった。
・排出されたはずの空薬莢が薬室内部に戻ってしまい、ジャミング(弾詰まりなど)の原因となった。
・胸元が開いたシャツを着ていたら、空薬莢が飛び込んで来て火傷してしまった。
・排出されたはずの空薬莢が薬室内部に戻ってしまい、ジャミング(弾詰まりなど)の原因となった。
敵の弾に当たるならまだしも、自分や仲間の空薬莢が原因で怪我をしてしまってはたまりません。戦場ではくれぐれもご注意ください。
銃身の取り扱いにも気を付けて
空薬莢だけでなく銃身も、発砲後は水滴を垂らせばすぐに蒸発してしまう程とても熱くなっています。
そこで少しでも取り扱いが楽になるよう、銃には様々な工夫が施されています。
・リボルバー拳銃:銃身が剥き出しのため陽炎が立つ程熱くなる。そこで一部のモデルでは「ベンチレイテッド・リブ」という部品で銃身を冷却し、陽炎の揺らめきで的が見にくくなるのを防げるようになっている。
・アサルトライフル:銃身はハンドガード(銃身覆い)でカバーされているので、熱くなるまで多少の余裕がある。それでも20~30発をフルオート射撃した後などはかなり熱くなる。
・機関銃:大口径の機関銃では、ほとんどのモデルで銃身交換機能が標準装備されている。銃身に直接触らずに済むよう取っ手がつけられている(昔は取っ手が無く、耐熱グローブを付けて銃身を交換していた)。
・短機関銃:銃身交換機能は無いが、古いモデルなどでは、機関部の冷却効果が大きいオープンボルト式になっている。
映画や小説の世界とは違い、実際の銃撃戦は敵を撃つだけでは終わりません。発砲後に熱くなった銃身や空薬莢の取り扱いには注意した方がよさそうです。
◎ガンファイト・ガールズの記事
第1話「射撃に適した服装」第2話「銃の選び方」
第3話「車を撃つと爆発する?」
第4話「銃を撃ち落とせる?」
第5話「コック&ロックって何?」
第6話「排莢方向もいろいろ」
第7話「マガジンを抜いても撃てる?」
第8話「ライフルの構え方いろいろ」