自称ガンマニアのソーサーちゃんと天然メイドのカップちゃんによる、ドタバタ・ガンファイト4コマ漫画!
解説では『図解 ガンファイト』を参考に、いつ巻き込まれるともしれない「銃撃戦」で生き延びるための知識をお届けします。正しいルールを知って、ガンアクション描写のウソ・ホントを見抜けるようになりましょう!
第5回目は、「撃鉄」と「コック&ロック」について考えていきます。
漫画:ケメジホ(@kmjhknj)
「撃鉄を起こせ!」ってどういう意味?
アニメなどで「撃鉄を起こせ!」という台詞や、「コック&ロック」という単語を聞いたことはありませんか? 「撃鉄」って何でしょう? 「コック&ロック」とは?
まずは撃鉄についてみていきましょう。
「撃鉄」は拳銃の部品のひとつで、ハンマーともいいます。
拳銃を撃つ時、弾は薬莢内部の発射薬(火薬)が急激に燃焼して生まれる圧力で撃ち出される仕組みになっています。この際、撃鉄は弾の雷管(発射薬に点火する起爆装置)を叩くことで、点火に必要な衝撃を与える役割を担っているのです。
では、全ての拳銃に撃鉄がついているのでしょうか?
実は拳銃には、撃鉄がある「ハンマー式」と、撃鉄のない「ストライカー式」があります。それぞれどんな特徴があるのか、簡単にご紹介しましょう。
*「ハンマー式」
上記でご紹介したような、撃鉄がカートリッジの雷管を叩くことで弾が撃ち出されるタイプを「ハンマー式」といいます。
○長所
・撃鉄を見れば、すぐに撃てる状態かどうか確認できる。
・撃鉄を指で戻したりデコッキングレバーを使ったりして、安全な状態にできる。
×短所
・撃鉄が汚れたり、服などに引っ掛かって予期せぬ動作をしてしまうことがある。
・水中で拳銃を発射すると、撃鉄が水の抵抗を受け不発になることがある。
*「ストライカー式」
撃鉄ではなく、拳銃に内蔵された撃針(ストライカー)という部品が雷管を叩くことで弾が撃ち出されるタイプを「ストライカー式」と呼びます。
○長所
・重要部品が拳銃の内部にあるので、汚れに強い。
・撃鉄を服に引っかけてしまう心配もない。
×短所
・すぐに撃てる状態かどうか、外から見ただけでは確認できない。
・コック&ロック(後述)で携行すると、暴発してしまう危険性がある。
昔の拳銃は、撃鉄を起こさなければ弾を撃てない仕組みになっていました。これが由来となり、アニメなどに「撃鉄を起こせ!」という台詞が登場します。「撃鉄を起こせ!」とは、「戦闘状態に入るぞ!」という意味なのです。
「コック&ロック」って何?
銃撃戦ではコンマ単位のスピードが命。弾を装填した後に撃鉄を起こしたり戻したりしていては、敵に隙を与えてしまうことになりかねません。
だからといっていつでも発射できる状態のまま銃を携帯すると、今度は思わぬ事故につながる可能性があります。
そこで一部のオート・ピストルでは、「コック&ロック」と呼ばれる状態で銃をホルスターに収めておくことがあります。
*「コック&ロック」とは?
・コック=銃がすぐに発射できる状態になっていること。
・ロック=安全装置がロックされていること。
「コック&ロック」とは、撃鉄を起こしたまま安全装置をかけることです。この状態なら、ロックを解除すればすぐに撃つことができます。
*コック&ロックの利点
・安全装置を解除すればすぐに撃てる。
・シングルアクションで発射できるので、命中率が高くなる。
オート・ピストルをコック&ロックで携帯すれば、安全装置を解除してすぐに弾を発射することができます。撃鉄が起きている状態からシングルアクションで射撃できるため、引き金が軽く銃もぶれにくく、命中率が高くなるという利点もあります。
とはいえ、コック&ロックのまま銃をホルスターに収めていると、どうしても暴発してしまう可能性がつきまといます。実戦向きの銃の携帯方法ではありますが、慣れないうちはここぞという場面だけにした方がよいかもしれませんね。
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