皆さん本屋さんってなにするところか知ってます? 「本を買いにいく場所に決まってるだろ!」という声が聞こえてきそうですが、最近の本屋さんは本を売るだけでなく、イベントの開催にも力を入れているんです。
本というモノを売るだけでなく、お客様に体験も楽しんでいただくことを目指しているのかもしれませんね。作家のサイン会やトークショーの告知を目にしたり、参加したりした人も多いのでは。
しかし、2019年3月31日(日)に芳林堂書店高田馬場店で開催されたのは書店イベントのイメージを大きく超えたものでした。情報を事前にキャッチしていた私、新紀元社モーニングスターブックス担当が皆様にその模様をレポートします。
行われたのは「アーマードバトル集団戦トレーニングキャンプ」。みなさんアーマードバトルはご存じですか? 過去にパンタポルタに紹介記事が掲載されていますので、詳しくはそちらを読んでみてください。簡単にざっくりと言うと、実物の甲冑を身につけ、ラタン(木刀)製のものから、刃は落としてあるものの金属製の刀やメイスなどで戦うバトルスポーツです。
甲冑は全身を覆っていますので、打撃を受けても大けがをすることはなく、安全に楽しむことのできるスポーツですが、実際のプレーを目にすると甲冑姿のファイターがぶつかりあう音の大きさや、打撃の激しさに驚くこと請け合いですよ。
より実戦に近い戦いを求める武術・格闘技の愛好家や歴史ファンの間で注目を集めているアーマードバトルですが、練習や試合の様子を目にする機会はなかなかありません。
今回、書店というなじみのある場所でアーマードバトルの練習を見学できる絶好の機会が設けられたのです。
イベントが開催された、芳林堂書店高田馬場店は都内駅前の好立地でアクセスのしやすいお店です。会場には70人以上のオーディエンスが駆けつけました。
トレーニングキャンプを行ったのは、西洋剣術スクール「キャッスル・ティンタジェル」。キャッスル・ティンタジェルさんも過去のイベントやスクールの案内記事をたびたびパンタポルタに掲載しているので、おなじみかもしれませんね。
イベントは芳林堂書店の入っているビル8階のイベントスペースで行われました。フロアーの半分はテラスになっていて、晴天下広々とした場所でトレーニングが繰り広げられたのです。
早速、いくつかアーマードバトルのトレーニングの様子をとらえた写真をみてもらいましょう。
一対一の緊迫感のある立ち会い |
女性騎士も男性に混じってトレーニングします |
メレー(集団バトル)では横から打撃をくらうことも! |
背後から組み付いて引き倒すのも戦術のひとつです |
アーマードバトルの迫力がいくらかでも伝わったでしょうか?
◇◇◇
なぜ本屋さんでこうしたイベントが開催されたのか? 今回のイベントを企画した芳林堂書店高田馬場店 大内さんにお話を伺いましょう。
芳林堂書店高田馬場店 大内さん |
――そもそも本屋さんでこうした激しいスポーツイベントを企画したのはどういったきっかけだったんですか?
大内「ティンタジェル様の後援をなさっている作家様のトークショーが芳林堂書店高田馬場店にて開催されたことがきっかけで、もともとはトレーニングキャンプ付きトークショーを企画いたしました。諸条件が合いまして、いまや単独で開催していますが(笑)。
ティンタジェルさんのイベントは今回で3回目なんですけど、やっぱりお客様の反応が毎回良いんですよ」
――高田馬場、学生街という場所柄も関係しているんでしょうか
大内「あんまり関係ないと思いますよ。よその土地でもイベントを行えるスペースさえあれば成功するんじゃないかな。それくらいの反応は感じてます」
――大内さんご自身も趣味で甲冑を着て楽しんでらっしゃるんですね
大内「単純に格好いいからです!お客様にも一体感を感じていただこうと…(笑)」
――こういったイベントを本屋さんでやる醍醐味はなんでしょう?
大内「都会の真ん中の屋上で、高層ビルに囲まれて、色々な看板がみえるような環境で甲冑を着た騎士が戦うなんて、それこそセンスオブワンダーじゃないですか?!
イベント目的でいらしたお客様に、歴史書売り場の一部として武器や甲冑の本を大きく扱っていることを知っていただけて、たくさん買っていただけたりします。うちでは本以外にグッズとして甲冑や模造刀も扱っているんですけど、そういったものを本屋で売っているのは相当珍しいと思うんです。それをお客様に発見してもらえることですかね」
――お客様にアピールしたいことは?
大内「芳林堂書店高田馬場店では(模造の)武器や甲冑を常設で販売しています。正直相場よりもちょっと安いと思いますよ(笑)」
◇◇◇
続いてキャッスル・ティンタジェル代表のジェイ・ノイズさんにインタビューしてみました。
キャッスル・ティンタジェル 代表 ジェイ・ノイズさん |
――今日は暑いなかお疲れ様です
ジェイ「(汗だくになりながら)本当は甲冑の上に布のカバーを着て太陽の光を遮って暑くならないようにするのですが、今回は甲冑姿を見て欲しいのであえて着ていないんです」
――今回は普段のジムと違ってオープンな場所での練習ですけど、違いはありますか?
ジェイ「もともとアーマードバトルはこういった広いスペースで練習すべきものです。普段のスペースでも1対1だと良いのですが、集団戦をこういった広い場所で戦えるのはとても有意義なことですね。ですから、芳林堂さんにスペースを貸していただいて練習ができるというのは私たちにとって素晴らしいことです。海外で行われる国際試合はとても広い場所で行われるので、自分の位置がわからなくなってしまったりするんです。そうしたことに慣れるためにも、広い場所での練習は本当に意味がありますね」
――お客様の中には初めてアーマードバトルを見る方もいらっしゃると思うのですが
ジェイ「私たちの練習を見て、知っていただけるのは嬉しいですね。ビデオだけでは分からないことも多いですし、色んなルールで行われることも知っていただけたのではないでしょうか。それに安全面のことも理解してもらえる良い機会になったのではないかと思います」
――これから始めたいという方に向けて、メッセージをいただけますか
ジェイ「ジャスト・スタート! まず始めてください。よく身体が鍛えられてから、鎧を入手してから、と言う方が多いのですが、なかなか始めない人が多いんです。トレーニングすることで身体も鍛えられていきます。興味を持ったらまず始めてみてください。私自身も20年やっていますけどパーフェクトじゃありませんよ」
いかがでしたか? ジェイさんの「ジャスト・スタート!(まず始めろ)」が心に響きますね。どんなものでも興味をもったら行動してみるのが大切ですよね。
芳林堂書店高田馬場店では、これからもアーマードバトルのイベントを開催する予定があるとか。今回参加出来なかった方も興味をもったらぜひ足を運んでください。ジャスト・スタート!
芳林堂書店高田馬場店
http://www.horindo.co.jp/
キャッスル・ティンタジェルとは
キャッスル・ティンタジェルは 東京目白にある西洋剣術スクールです。
日本で唯一、本格的なドイツ剣術や、西洋甲冑・和甲冑を着けての騎士の戦い方を基礎から学べるスクールで、ソーイングやルネサンスダンスなどの中世カルチャーも体験できます。
また、2013年、ジャパン・アーマードバトル・リーグ(JABL)を創設し、日本で初めてアーマード・バトルの公式戦を開催しています。
世界大会にも選手を派遣し、世界からも注目されています。
キャッスル・ティンタジェル
https://www.castletintagel.com
キャッスル・ティンタジェルのイベント情報
2019年4月28日(日)『 STEEL! オープンチャンピオンシップ 2019!』
個人対抗戦、1対1の対決によるオープンマッチ
チーム戦ではない個人の力と技術を競うバトル対決! 平成最後の中世の騎士たちの戦い刮目せよ!
アーマードバトルは、グッと!スポーツ、ジャパンタイムズ、めざましTV等にも紹介された新スポーツです☆
<詳細>
日時:4月28日(日)開場:15:00 開始16:00~
会場:キャッスル・ティンタジェル
住所:〒171-0031 東京都豊島区目白4-13-3 大和倉庫B
電話:080-3690-8657