ラノベ好きVtuberとして活躍する本山らのさんによる、ファンタジー小説おすすめコラム「本山らのとファンタジー小説を読みませんか?」
小さい頃から本が好きだという本山らのさんが、テーマに沿ったお気に入りのファンタジー小説を紹介してくれます。第2回のテーマは「女性作家さん」です。
『ミミズクと夜の王』
書き手:本山らの
有川浩先生や桜庭一樹先生、野村美月先生に竹宮ゆゆこ先生、安里アサト先生。そして、紅玉いづき先生に虎走かける先生、古宮九時先生……
ここまで挙げてきた作家さんに共通する点にお気づきになられましたか?
そう、皆さん女性作家さんなのです。
どんな作品について語ろうかな、と本棚を眺めていたら、すてきなファンタジーライトノベルをお書きになる女性作家さんがたくさんいらっしゃることに思い当たりました。ですので、今回は本山らのと女性作家さんが綴るファンタジーを読みませんか?
☆☆☆
まずは、第13回電撃小説大賞受賞作『ミミズクと夜の王』でデビューなされた紅玉いづき先生の作品について。面白い作品をたくさん読みたい! と、名作と言われているものを中学時代に読みあさっているうちに出会ったのがはじまりだったように記憶しています。
ミミズクと夜の王(電撃文庫) |
死にたがりやの小さい女の子が幸せになるまでのお話。無邪気でかわいく、しかしどこか壊れてしまったような少女・ミミズクが、人間嫌いの魔物の王との交流を経て変わっていきます。強くたくましく人間らしく成長したミミズクが愛おしい……! そして、詩的で重厚なのに軽やかな文章。夜空のような深みと、そこに燦然と散りばめられた星のような輝きがあるな、と私は感じるのです。
そして孤独と愛、欠けたもののある少女と男の関係性を描く手腕は最新作『悪魔の孤独と水銀糖の少女』でも遺憾なく発揮されています。つい先日、2巻の刊行予定が発表され、また人生において楽しみなことが一つ増えました!
『Unnamed Memory』
そして、この関係性、良い! と唸らせられたのが、古宮九時先生著『Unnamed Memory』。悠久の時を生きる魔女と、呪われた王子のファンタジックなお話。かつ、絶対結婚したい王子と諦めてほしい魔女の攻防ラブコメでもあるという、色々な楽しみ方ができる1冊!
Unnamed Memory(DENGEKI) |
1年間だけ守護者として王子の側にいるという契約を交わした魔女ティナーシャ。王子オスカーに攻略されてしまうのか! ? 王国に渦巻く陰謀や事件を2人で乗り越えていく一大叙事詩、どのような結末を迎えるのか楽しみです。もともとWeb上に連載されていたものの書籍化、ということで、続きを読んでしまうか書籍が出るまで待つか迷いどころですね……!
『ゼロから始める魔法の書』
これまた育まれていく関係性やキャラクターが素晴らしい作品が、虎走かける先生の『ゼロから始める魔法の書』シリーズ。主人公"傭兵"は獣人! 絶世の美少女にして天才魔女のゼロと出会い、共に旅をするという、美女と野獣による王道魔法ファンタジーノベル。多種多様なキャラクター達がみな魅力的です。
ゼロから始める魔法の書(電撃文庫) |
お互いに強く信頼しあった傭兵とゼロの最強カップルも素敵なのは勿論なのですが、個人的にお気に入りなのは、盲目の神父"隠匿"とネズミの獣人の女の子リーリのおふたり! 冷徹に任務を遂行していく神父にほのかな恋心を抱くリーリ。自身がネズミであることにコンプレックスを抱く、幼気で健気な彼女の恋……好きなのです。加えて、神父の顔が良い。
『ゼロから始める魔法の書』は全11巻で完結しましたが、現在世界観を共有する実質的な続編として『魔法使い黎明期』というシリーズも刊行されています。魔法使い見習いの少年少女達の成長を描くこの物語もまた面白く、『ゼロから始める魔法の書』から続投している登場人物もいるものの、こちらから読んでも楽しめる期待の新シリーズです!
☆☆☆
といった感じに「女性作家さんの作品」という切り口で面白いファンタジー作品について触れてきましたが、ご興味はわいてきましたでしょうか? 女性作家さんに共通するもの……というのを見出すのは本山にはまだ難しかったのですが……読んでみて考察してみるのも面白いのでは……!? また、女性の方のライトノベル入門としても、おすすめです。同性の方が書かれているとなるとやっぱりシンパシーを感じますものね。
はっ! 大事なことを忘れていました! ラノベ作家さんはみんな美少女なのです。そういうことになっているのでした……。まことしやかに囁かれている都市伝説、信じるか信じないかはあなた次第……。そんなオチ(?)もついたところで、さよならのー!
本山らの(@Motoyama_Rano)
「ライトノベルの魅力を発信」するべく活動しているバーチャルYouTuber。
おすすめの作品を紹介する動画の投稿や、作家をゲストに招いた生放送などの活動を行っている。
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◎本山らのとファンタジー小説を読みませんか?
第1回『本山らのと魔法学校へ思いを巡らせませんか?』