イラスト:緒方裕梨(@colornix) |
ミョルニルは古ノルド語で「粉砕するもの」という意味を持つ大槌で、敵にどれだけ強い一撃を与えても壊れることはなく、投げつけても的を外すことなく再び手に戻ってくるという逸品です。
ただ柄が極端に短かったため、鉄の手袋をつけていないとうまく扱うことができませんでした。
このミョルニルの槌はある日、巨人の王スリュムによって盗まれてしまいます。スリュムはミョルニルの槌を返す代わりに、豊穣の女神フレイヤを花嫁としてよこすよう要求してきました。しかしフレイヤが断ったため、神々は相談の末に、雷神トールを花嫁に、悪神ロキを侍女に化けさけスリュムの元へ送り込むことにします。
スリュムたち巨人は大柄な花嫁を疑うこともなく、結婚式が行われることとなりました。トールは花嫁に扮しているにもかかわらず、料理を貪り食ったり、ベールの隙間から恐ろしい目でスリュムを見つめるなどしますが、その度に侍女姿のロキがなんとかフォローしごまかします。
やがてスリュムは花嫁を清めようと、ミョルニルの槌を持ってこさせました。このチャンスを逃すまいと、トールは槌を奪い返し、スリュムや他の巨人たちを皆殺しにしてしまいます。こうしてミョルニルの槌はトールの元へ戻ったのです。
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