シミュレーションゲームなどで新しい町を建設する時、外敵の侵入に備え必ず建設したいのが城壁です。ゲームの中ではボタンをクリックするだけですが、実際はどうやって城壁を造ればよいのでしょう?
そこで今回は初心者にもわかりやすく、城壁の建築方法をご紹介します。
目次
初心者でも安心! 城壁建築のながれ
中世ヨーロッパにはもちろん電動機械などありませんので、城壁建築は人力に頼らなければなりません。大勢の職人や人夫が多大な時間と労力をかけ作業する必要がありました。
【城壁建築の流れ】
①採石工が近くの山から大きな石の塊(1トン以上)を切り出す。
↓
②切り出した塊を牛車で石切場へ運ぶ。
↓
③石切工が石を切り、人が運べるくらいの大きさにする。
↓
④人夫が手押し車で建設現場まで石を運ぶ。
↓
⑤石の成形、積み上げを行う。
・土方……地面を打ち砕いて溝を掘る。壁を補強するための土を高く積み上げる。
・熟練石工(フリーメーソン)……ディバイダー(測定器)で石を成形。
・職人……大釜で石灰岩を焼き、水に数か月間浸してモルタルを造る。
・未熟練工・石積工……成形された石を積み、モルタルで固めてコテで形を整える。
・石工の親方……現場を監督。下げ振り定規を使い壁が垂直になっているかをチェック。
①採石工が近くの山から大きな石の塊(1トン以上)を切り出す。
↓
②切り出した塊を牛車で石切場へ運ぶ。
↓
③石切工が石を切り、人が運べるくらいの大きさにする。
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④人夫が手押し車で建設現場まで石を運ぶ。
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⑤石の成形、積み上げを行う。
・土方……地面を打ち砕いて溝を掘る。壁を補強するための土を高く積み上げる。
・熟練石工(フリーメーソン)……ディバイダー(測定器)で石を成形。
・職人……大釜で石灰岩を焼き、水に数か月間浸してモルタルを造る。
・未熟練工・石積工……成形された石を積み、モルタルで固めてコテで形を整える。
・石工の親方……現場を監督。下げ振り定規を使い壁が垂直になっているかをチェック。
城壁の建築現場では、板張りの傾斜路を設け材料を運びます。小さな石やレンガなどはカゴに入れ、滑車で吊り上げることもありました。
他にも、建築現場では大工や井戸掘り人、鍛冶屋、石担ぎ人夫など大勢の人が働いていました。
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防御のための仕掛けも設置しよう
城壁はただの高い壁ではありません。基礎的な建築が完了したら、上部に歩廊や胸壁、様々な仕掛けなども設けて防御力を高めた方がよいでしょう。
写真や模型などで、城壁の上部に凸凹とした形の低い壁(胸壁)が設けられているのを見たことはありませんか。あの部分は次のような仕組みになっています。
・アリュール……城壁の上部を歩くための歩廊。身を隠せるよう、胸壁という低い壁も設けられている。
・クレノー……胸壁に設けられた開口部。敵の投射から城兵を守ることができた。
・矢狭間(やざま)……胸壁に設けられた射出口。敵の攻撃に身をさらすことなく、矢を射ることができる。
・クレノー……胸壁に設けられた開口部。敵の投射から城兵を守ることができた。
・矢狭間(やざま)……胸壁に設けられた射出口。敵の攻撃に身をさらすことなく、矢を射ることができる。
この他にも、城壁には様々な仕掛けを施すことができます。13世紀以降によくみられた例をご紹介しましょう。
・櫓……胸壁に設置された木製の仮設歩廊。壁をよじ登ってくる敵に向け、開口部から熱い液体や岩石を落とし攻撃できる。
・マクシーリ……石落とし。木製の櫓とは違い、石で造られているため対火性がある。
・プリンス……城壁の下部を外側に傾けるという建築技術。火災や坑道戦に強い。
・マクシーリ……石落とし。木製の櫓とは違い、石で造られているため対火性がある。
・プリンス……城壁の下部を外側に傾けるという建築技術。火災や坑道戦に強い。
ちなみに、中世ヨーロッパの城塔には居住区を除き、窓がありません。窓は防衛上の弱点になる上、当時はガラスが非常に高価だったため、一般には普及していなかったのです。
守りの要! 城門の造り方
最後に、城門の造り方もご説明しましょう。
もし敵が攻めてきても容易に突破されぬよう、城門は金属で補強し、かんぬきなどで厳重に固定するべきです。
また、城門を造る際には様々な仕掛けを施すこともおすすめします。実際に中世ヨーロッパで使用された仕掛けには次のようなものがありました。
・跳ね橋
城壁の周りには通常、溝や堀がめぐらされています。城壁内部へ入るには城門の前に設けられた橋を渡る必要がありますが、常に橋を架けていては敵に利用されてしまいますので、跳ね橋を設置することが有効です。
跳ね橋には吊り上げ式や平衡橋(シーソーのような仕組みの橋)、回転橋などの種類がありました。
・落とし扉
城門には落とし扉も設置しましょう。落とし扉は滑車で吊り下げられた木製の扉で、2枚同時に落下させて中に敵兵を閉じ込めることができます。
・殺人孔
落とし扉は何枚も設置可能です。上部には殺人孔と呼ばれる小さな穴も設けましょう。閉じ込められた敵兵に向け、この穴から矢を射て効果的に攻撃できます。
城壁の周りには通常、溝や堀がめぐらされています。城壁内部へ入るには城門の前に設けられた橋を渡る必要がありますが、常に橋を架けていては敵に利用されてしまいますので、跳ね橋を設置することが有効です。
跳ね橋には吊り上げ式や平衡橋(シーソーのような仕組みの橋)、回転橋などの種類がありました。
・落とし扉
城門には落とし扉も設置しましょう。落とし扉は滑車で吊り下げられた木製の扉で、2枚同時に落下させて中に敵兵を閉じ込めることができます。
・殺人孔
落とし扉は何枚も設置可能です。上部には殺人孔と呼ばれる小さな穴も設けましょう。閉じ込められた敵兵に向け、この穴から矢を射て効果的に攻撃できます。
城壁と城門建築の基本は以上です。これでもし急に城門造りを命じられても大丈夫。大勢の職人や人夫をまとめ上げ、立派な防御の要を造り上げましょう!
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