10月のある日。
「そういえば、自社のテーブルトークRPGで遊んだことないなぁ」と呟いたことがきっかけで立ち上がった『インセイン』会。
『インセイン』は、新紀元社から刊行されているマルチジャンル・ホラーRPGだ。
プレイヤーは逢魔人(おうまがびと)となり、超自然的な怪異や恐ろしい怪事件に立ち向かっていくことになる。
ゲームマスター(以下、GM)を務めるのは、パンタポルタのマスコットキャラクターぱん太。もちろん、『インセイン』では初めてのGMである。
ぱん太:このゲームの目的は、皆さんにお配りしたPCハンドアウト(カード)に書いてある【使命】を果たすことです。ハンドアウトには表と裏があって、裏には自分だけが知っている【秘密】が書かれていますね。
もし自分の【使命】を達成できた人には、ちょっとしたプレゼントを差し上げます!
東雲:いえーい。何がもらえるの? PS4?
ぱん太:おやつです。ハードル上げるのやめてください!
パンタポルタではおなじみ東雲佑先生。『図書館ドラゴンは火を吹かない』(宝島社文庫)を書いているライトノベル作家さんだ。事あるごとに「TRPGやりたい」と言ってくるので、打ち合わせにあわせて今回のTRPG会を企画した。
紅葉:このお店、かわいいダイスがたくさんありますね。
いろは紅葉さんは、よくパンタボドゲ会に参加してくれる不思議系お姉さん。パンタポルタでライティングの仕事もお願いしている。
ちなみに“このお店”とは秋葉原にあるアナログゲーム専門店「Role&Roll Station」のことで、ボードゲームやTRPGを遊ぶためのプレイルームをお手頃な価格で借りることができるのだ。『インセイン』会は「Role&Roll Station」で開催した。
ぱん太:ダイスが足りなかったら現地調達するつもりでしたが、鰤牙先生がたくさん持ってきてくれたので助かっちゃいました。
鰤牙:好きなの使ってどうぞー。
今回の参加者では唯一のTRPGベテラン、鰤牙先生。とはいえ『インセイン』をプレイするのは初めてだそう。鰤牙先生もライトノベル作家さんで、『VRMMOをカネの力で無双する』がHJ文庫より刊行されている。事前のキャラクター作成で「オネエは男女どっちになりますか?」と訊かれたときは焦った。
ぱん太:今回のシナリオは、なんと、『インセイン』の製作者である冒険企画局の河嶋陶一朗先生からいただいたオリジナルのものです!
一同:おー!
ぱん太:前もってお伝えしていましたが、皆さんには合コンに参加していただきます。
山田:はい、幹事やりたいです!
さいごに紹介する山田まる先生は、パンタポルタの別企画「読んでない名作を語る読書会」以来のご縁。代表作はアース・スターノベルから出ている『おっさんがびじょ。』。淑女なイメージだったが、まっ先に「チャラ男がやりたい」と申し出てきた。
ぱん太:幹事ですか。でもNPCが幹事の設定なんですよね……。
鰤牙:幹事が3人いてもいいんじゃない?
ぱん太:そうですね!
こうしてプレイヤーに助けられつつはじまった、初心者GMによる初心者のための『インセイン』会。
果たして、逢魔人たちは無事に合コンを終えることができるのか――
◇PC(プレイヤーキャラクター)紹介
PC① 斉木泉太郎
プレイヤー:山田まる
性別:男 年齢:27
職業:プログラマー(会社員)
生命力:6 正気度:6
好奇心:怪異 恐怖心:《死》
特技:《殴打》《我慢》《電子機器》《効率》《機械》《数学》
アビリティ:【研究】【開発】
アイテム:「鎮痛剤」×2
【ハンドアウト】
あなたは居酒屋「まごころ」にやって来た男性客だ。合コンのメンバーとして幹事に呼ばれた。カップル成立するかどうかはともかく、楽しい飲み会にしたいと思っている。あなたの【使命】は、今夜の飲み会を楽しいものにすることである。
PC② 呼原ホールデン
プレイヤー:東雲佑(しののめ たすく)
性別:男 年齢:26
職業:作家
生命力:6 正気度:6
好奇心:情動 恐怖心:《刺す》
特技:《埋葬》《憂い》《第六感》《教養》《芸術》
アビリティ:【歎願】【大胆】
アイテム:「鎮痛剤(ロキソニン)」「武器(クリスタルの灰皿)」
【ハンドアウト】
あなたは居酒屋「まごころ」にやって来た男性客だ。合コンのメンバーとして幹事に呼ばれた。素敵な人と出会い、カップルになりたいと思っている。あなたの【使命】は、誰かとカップルになることである。
PC③ 秋山ハナ
プレイヤー:いろは紅葉(もみじ)
性別:女 年齢:25
職業:探偵
生命力:6 正気度:6
好奇心:知覚 恐怖心:《拷問》
特技:《射撃》《愛》《第六感》《メディア》《数学》《天文学》
アビリティ:【トリック】【報復】
アイテム:「鎮痛剤」×2
【ハンドアウト】
あなたは居酒屋「まごころ」にやって来た女性客だ。合コンのメンバーとして幹事に呼ばれた。素敵な人と出会い、カップルになりたいと思っている。あなたの【使命】は、誰かとカップルになることである。
PC④ 水前寺アナスタシア
※アナスタシアの脳内イメージです
プレイヤー:鰤牙(ぶりきば)
性別:女? 年齢:不明
職業:ギャング
生命力:6 正気度:5
好奇心:情動 恐怖心:《恋》
特技:《拷問》《恋》《怒り》《情景》《電子機器》《夢》
アビリティ:【目星】【大暴れ】
アイテム:「鎮痛剤」「お守り」
【ハンドアウト】
あなたは居酒屋「まごころ」にやって来た女性客だ。合コンのメンバーとして幹事に呼ばれた。素敵な人と出会い、カップルになりたいと思っている。あなたの【使命】は、誰かとカップルになることである。
NPC① 鈴木キラ男
性別:男 年齢:23 職業:不動産会社の営業
NPC② 田中チラ美
性別:女 年齢:25 職業:スーパーの精肉係
◇ 導入フェイズ ◇
Scene1
――このリプレイは、初心者GMのぱん太がお届けするよ。まずは、どうしてPCたちがこの物語に関わることになったのかを描く「導入フェイズ」を行うんだ。みんなもGMになったつもりで、『インセイン』の世界を楽しんでみてね!
GM:とある金曜の夜。皆さんは合コンに呼ばれて新宿にやってきました。眠らない街新宿は、今夜も都会の喧騒に満ちています。それぞれどんな感じに登場しますか?
アナスタシア:先に待ち合わせ場所に居ようかな。肩に龍の刺青をした、筋骨隆々のヒゲ面の男(ただし女性枠)が待ってます。
泉太郎:こわっ!!
ホールデン:俺はここに来る前に担当編集と打ち合わせをしてたことにしよう。ルノアールで。ちょっと打ち合わせで揉めて、思わず店にあったクリスタルの灰皿を持ってきてしまった。「岡田めー」と担当の悪口を言いながら向かいます。
――ちなみに岡田さんは、東雲先生の著作『図書ドラ』の担当編集さん。ぱん太もよくお世話になっているのだ。もちろん揉めた云々は東雲先生のつくり話。
ハナ:私は目立たないところに立って、様子を窺ってます。
GM:探偵っぽいですね。
泉太郎:泉太郎くんはどうにかこうにか定時で上がることに成功し、走って駆けつけました!
GM:
はい。じゃあ、皆さん集まったところで幹事の鈴木キラ夫が声を掛けます。
「まじごめん! なんか連絡ミスがあったみたいで、店の予約取れてなかったわ。もう満席で入れないって……」
「鈴木キラ夫」と「田中チラ美」のハンドアウトを公開しますね。
【ハンドアウト/キラ男】
あなたは居酒屋「まごころ」にやって来た男性側の幹事だ。合コンのメンバーとして、男性客を集めた。偶然とはいえ、この店に入れたのは幸運だ。あなたの【使命】は、この合コンを盛り上げ、一組以上カップルを成立させることである。
あなたは居酒屋「まごころ」にやって来た男性側の幹事だ。合コンのメンバーとして、男性客を集めた。偶然とはいえ、この店に入れたのは幸運だ。あなたの【使命】は、この合コンを盛り上げ、一組以上カップルを成立させることである。
【ハンドアウト/チラ美】
あなたは居酒屋「まごころ」にやって来た女性側の幹事だ。合コンのメンバーとして、女性客たちを集めた。偶然とはいえ、この店に入れたのは幸運だ。あなたの【使命】は、この合コンを盛り上げ、一組以上カップルを成立させることである。
あなたは居酒屋「まごころ」にやって来た女性側の幹事だ。合コンのメンバーとして、女性客たちを集めた。偶然とはいえ、この店に入れたのは幸運だ。あなたの【使命】は、この合コンを盛り上げ、一組以上カップルを成立させることである。
アナスタシア:「んもぉ。キラ夫ちゃん、ちゃんとしてよ。あたし楽しみにしてたのよ」
GM:「いやー、ごめんごめん!」とキラ夫は平謝りしています。
ホールデン:とりあえず、クリスタルの灰皿で殴る。
GM:喧嘩っ早すぎません!?(そんなの想定してないよ!)えっと、慌てて「悪かったって! 代わりに行きたい店とかない?」と聞きます。
ホールデン:「サイゼ〇ヤ」
GM:「いや、雰囲気ないだろ! 合コンだしもっとお洒落な店にしようぜ」
ホールデン:てか金曜の夜に6人で飛び入りは無理だよ!
泉太郎:新宿ですしねぇ。
アナスタシア:6人で新宿を練り歩いて、「さっきの店にしましょうよ~」とかぐだぐだ言ってる感じだ。
泉太郎:「もう雰囲気とかいいからさ。座れればいいよ」みたいにね。
GM:ちぐはぐな6人の男女が列をなして歩く光景は、夜の新宿ではめずらしくないでしょう。しかし皆さんは薄々気が付いているはず。合コンのはずが、男4人に女2人なことに……。
泉太郎:筋骨隆々の男性(ただし女性枠)がいましたからね!
ホールデン:そういえば自己紹介しなくていいの?
GM:
居酒屋に着いたらしていただきます。……合コンですから!(実は忘れてただけ)
では、お店を探しているうちにどんどん人通りの少ない路地までやって来てしまいました。そこで、雰囲気の良さそうな一軒のお店を見つけます。お店の名前は「まごころ」。
アナスタシア:「あら! いいじゃな~い」
泉太郎:「おっ、ここにしようぜ」
GM:
キラ夫は「ちょっと店の人に入れるか聞いてくるわ」と言い、少し経って戻ってきました。
「ちょうど6人入れるってさ」
一同:いえーい!
GM:
お店の中に入ると、優しそうな店員さんが皆さんを迎え入れてくれました。
「お席は2時間制となっております」
このゲームでは1サイクル1時間と考えますので、2サイクルが終わったらクライマックスフェイズになります。
Scene2
GM:さて、皆さんは「まごころ」の個室に男女向かい合わせで座っています。
――いよいよ物語の舞台となる居酒屋にやってきたPCたち。ここで、ボクは改めて今日の顔ぶれを見回した。今回の参加者はちょうど男女2対2になっているから、合コンという設定になんの矛盾もない……はずだった。
泉太郎:女性の側に、明らかに違和感のある方がいらっしゃいますね……!
ハナ:筋骨隆々の(笑) 隣からの圧がすごいです。
GM:「今日の女の子たちは、どうやって集めたの?」と、キラ夫がチラ美ちゃんに訊きましょう。ちなみに、アナスタシアさんはチラ美とどういう関係ですか?
アナスタシア:チラ美ちゃんの働いてるスーパーに、うちの事務所から肉を卸してます。新宿の「クス〇ヤ」って店なんだけど。
GM:「仕事関係でいつもお世話になっているの……こう見えて心は乙女なのよ。アナスタシアさん」
泉太郎:チラ美さんの女性判定、結構ガバガバですね(笑)
GM:「ねぇ、それより……この居酒屋って噂になってるところじゃない?」と、チラ美が言い始めます。
アナスタシア:「なにか噂があるの? 教えてよぉ」と言いながら、小指のない手袋をもてあそんでいます。
ホールデン:やっぱ指ないのかよ!!
GM:「そこで合コンを行うと、必ずカップルが成立するという伝説の居酒屋の噂を聞いたことがあるわ……名前はたしか、まごころ」
アナスタシア:それを聞いた瞬間、きっと男たちに戦慄が走りますね。
泉太郎:犠牲者は誰だ!! 的な。
――ボクはふと、手元のシナリオに目を落とした。そこにはこう書かれている。“「今夜はいいことが起こりそう」PCたちはそんな予感を抱きます。” ……どうやら想定とは違った方向で、恐怖の合コンになりつつあるようだ。
GM:「へぇ、今日はいいことありそうだね」と言って、キラ夫はハナちゃんにウインクします。「まごころ」と「メニュー」のハンドアウトを公開しますね。
【ハンドアウト/まごころ】
暗めの照明で雰囲気のよい店だ。客たちは小さな声でマナーよく上品な会話を楽しんでいる。
暗めの照明で雰囲気のよい店だ。客たちは小さな声でマナーよく上品な会話を楽しんでいる。
【ハンドアウト/メニュー】
居酒屋「まごころ」で合コンを行うと、必ずカップルが成立という噂がある。しかし、カップルとは一体何なのだろう?
居酒屋「まごころ」で合コンを行うと、必ずカップルが成立という噂がある。しかし、カップルとは一体何なのだろう?
GM:「とりあえず、メニューも来たしドリンク注文しようか」とキラ夫が言います。
アナスタシア:「じゃ、あたしカルーアミルク」
ハナ:可愛い(笑)
泉太郎:「トリアエズナマで!」
ハナ:「梅酒ロック」
ホールデン:「俺はウーロン茶にしよっかなぁ」
GM:「えー! ホールデンも呑もうぜ」
アナスタシア:「あたしねぇ、こういう居酒屋で男の人が『とりあえず生』って言う瞬間が好きなの」
一同:!!(声にならない悲鳴)
ホールデン:もう2人くっついちゃえば? アナスタシアと泉太郎。
アナスタシア:「やめてよぉ。自己紹介もまだなのに~」
GM:
「じゃ、そろそろ自己紹介しますか」とキラ夫が提案します。
「俺は鈴木キラ男っていいます! 都内の不動産屋で営業やってます。趣味はサーフィンとボルダリングでーす」
一同:わー(パチパチ)
GM:では、お次は幹事の一人である泉太郎さんお願いします。
泉太郎:「今回の幹事をさせてもらってる斉木泉太郎です。職業は会社員、プログラマーで社畜です! 趣味は映画観賞とサイクリングです。よろしくお願いします!」
GM:男性からということで、次はホールデンさん。
ホールデン:「作家の呼原ホールデンです。もちろんペンネームです。作家の場合はペンネームのほうが本名みたいなものなんで、ペンネームで覚えてください」
泉太郎:「ご趣味は?」
ホールデン:「趣味は……暗いところで人生について考えること」
泉太郎:暗っ!!
ホールデン:「キラ夫くんとは、彼が群馬県の谷川岳にボルダリングに来ていたときに知り合いました」
GM:「あー、あのときはありがとな。あれ、そういえばお前どんな小説書いてるんだっけ?」
ホールデン:「ファンタジー小説を出してます! 1巻はけっこう売れたんだけど、2巻を出してくれないので、さっき担当とケンカしてきたばかりです」ってこれ現実なのかキャラ設定なのか分かんなくなってきたな。
泉太郎:うわ、リアルなやつだ(笑)
アナスタシア:何の話してんだよ(笑)
GM:つ、次いきましょうか。
ハナ:「秋山ハナ、25歳です。今は探偵で猫を探したりしています。趣味は猫マップをつくることです」
泉太郎:可愛い! もう男性の狙いは完全にハナちゃんですよ。
GM:ちなみに、チラ美さんとはどういったご関係で?
ハナ:「なんかおもしろそうなので近づきました!(にっこり)」
泉太郎:近づいていいタイプではないと思います!!
アナスタシア:
「あたしは水前寺アナスタシア。職業は……ちょっと言えないコト♡ 趣味は夕日を眺めることよ」
特技に《恋》を取ってるんだけど、恋に破れることを恐れているから、恐怖心も《恋》にしてます。それから特技に《情景》を取っているのは、高校時代に陸上部の先輩と一緒に夕日を眺めたことがずっと思い出に残っているから。
ホールデン:それ男子校でしょ?
アナスタシア:「女性の過去を詮索するのは野暮よ♡」
GM:さて、最後は「田中チラ美」の自己紹介ですね。彼女は暗めな性格をしていて、スーパーの精肉係のアルバイトをする25歳です。趣味は料理。
アナスタシア:職業も暗め(笑)
ホールデン:「チラ美ちゃんは合コンに行くタイプに見えないんだけど、今日はなんで来たの?」
GM:「えっ、はい、そろそろ彼氏欲しいなーって思って……」
ホールデン:「あ、わかった。彼氏欲しいから一人引き立て役でアナスタシアを連れてきたわけね」
泉太郎:腹黒い(笑)
アナスタシア:「チラ美ちゃんはそんな女じゃないわ(ウインク)」
GM:
そんなこんなで、皆さんはご飯やドリンクを楽しんでいました。するとキラ夫が「そろそろ席替えしようぜ」と提案します。
そして席替えを行っている途中で、突然停電が起こります。全員《暗黒》で恐怖判定を行ってください。2D6(6面ダイス2個)を振ります。
《判定結果》
アナスタシア→失敗
ホールデン→成功
ハナ→失敗
泉太郎→失敗
アナスタシア→失敗
ホールデン→成功
ハナ→失敗
泉太郎→失敗
ホールデン:俺だけ成功だ。普段暗いところでものを考えてるからかー。
GM:それでは、ホールデンさん以外の方は【狂気】カードを引いてくださいね。【狂気】は手に入れた時点では何も起こりませんが、裏に書いてある「トリガー」の条件を満たすとオープンされます。
泉太郎:はい! 【狂気】がオープンされるとどうなるんですか?
GM:
自分の正気度以上に【狂気】が顕在化してしまうと、錯乱状態に陥ります。
少しパニックが起こりますが、すぐに灯りはつきました。とくに変わった様子はありません。
アナスタシア:「やーねぇ。あたしの小指がうずくわ」
ホールデン:「俺は暗いのなんか怖くないからね。ハナちゃん、俺のこと頼っていいんだよ」
泉太郎:突然の猛アピール。
ホールデン:あれ、今のでハナちゃんの感情が動いたりはしないの?
GM:それはハナさんの気持ち次第ですね。
ハナ:「うーん、ちょっと引いてます」
GM:冷たい(笑) さて、それではここで今回のシナリオの特別ルールを発表します!
・クライマックスフェイズに告白タイムがあります。ここで、お互いに相手を選んでいたらカップル成立です。告白タイムに選ぶことができるのは、自分が「愛情」の【感情】を持っているキャラクターです。
・「いいね」に名前が書かれているキャラクターに対しては、「愛情」を持っているものとして扱います。
・「いいね」が空欄になっているキャラクターは、いつでも好きな時に、自分を除いたキャラクターの名前を記入できます。ただし一度記入すると、それを変更することはできません。
◇ メインフェイズ 第1サイクル ◇
1.水前寺アナスタシア
――ついに「メインフェイズ」の幕開けだよ! 導入は流れが決まっているから誘導しやすかったけど、ここからはPCたちの行動によって物語が展開する。GMであるボクにも、どんな結末になるのか分からないのだ。
GM:メインフェイズは誰からやってもいいのですが、まず最初に自分のシーンをやりたいって方いますか?
ホールデン:どう演じていいものか分からない。
アナスタシア:じゃあやってみましょうか。
GM:さすが! では、ドラマシーンと戦闘シーンどっちがいいですか?
アナスタシア:戦闘シーンも出来るんですか(笑)
GM:はい、相手の【居所】を知っていれば戦闘を仕掛けることもできます。ちなみにこのシナリオでは皆さん個室にいるので、すでに【居所】を獲得していることとします。
アナスタシア:うーん、ドラマシーンでいきます。
GM:まずどのようなシーンか決めるため、1D6(6面ダイス1個)を振ってください。
アナスタシア:(ころころ)……6です。
GM:
シーンを読み上げますね。
机の下で自分の足に誰かの足が触れる。しかし、その感触はヌメヌメと湿っていた。誰の足だ? ……このシーンのシーンプレイヤーは、《手触り》で恐怖判定を行うこと。
アナスタシア:「ちょっと誰の足よぉ」と言いつつ、(ころころ)判定は成功です。
ホールデン:気にも留めてねーな。
GM:ドラマシーンには誰かを登場させることもできますよ。
アナスタシア:じゃあ泉太郎ちゃんかな。
泉太郎:もしかして、さっきのヌメヌメした足は泉太郎だったのか。残業終わって走ってきたからめっちゃ汗かいてたのかもしれませんね。
ハナ:暑かったんでしょうね。
アナスタシア:「怪しいわね」と言って、調査判定で泉太郎ちゃんの【秘密】を調べます。
泉太郎:やめようよ、よめようよ。そういうことやめよー!?
アナスタシア:「あなた、なにか秘密もってるんじゃないの?」
泉太郎:「なんのことかなー」
GM:アナスタシアさんは好きな特技で調査判定をしてください。2D6を振ります。ロールプレイで辻褄を合わせてくれれば、特技は何でも構いません。
アナスタシア:「あなたプログラマーって言ってたわよね? 実はあたし、電子機器に詳しいの」(特技《電子機器》を持っている)
泉太郎:おおぉぉお。
アナスタシア:「あなたのプログラマーの知識を試させてもらいましょう」
泉太郎:「おう、いいぜいいぜ。どんとこい」
アナスタシア:(ころころ)……え、12。
GM:いきなりスペシャル! システム的には【生命力】か【正気度】のどちらかを回復できるんですけど、まだ減ってないのですよね。
アナスタシア:じゃあ、生命力がみなぎってます。気持ち的に。
GM:泉太郎さんは、アナスタシアさんに【秘密】を見せてあげてください。
【秘密/PC①】
実はあなたはPC④だ。停電が起きたとき、一瞬気が遠くなったのだが、そのときに精神だけPC①の肉体に入ってしまったようなのだ。そのとき、あなたの心に誰かが囁いた。「ふふふふ。私を倒せば、あなたの精神は元に戻るでしょう。ただし、このことをみんなに話したら、あなたの肉体は永遠に他人のものです」あなたの【本当の使命】は、自分の身体を取り戻して、この店から無事帰ることである。ただし、自分の身体を取り戻す前に、この【秘密】が公開(すべてのプレイヤーが知る)されると、自分の身体を取り戻すことはできなくなる。
実はあなたはPC④だ。停電が起きたとき、一瞬気が遠くなったのだが、そのときに精神だけPC①の肉体に入ってしまったようなのだ。そのとき、あなたの心に誰かが囁いた。「ふふふふ。私を倒せば、あなたの精神は元に戻るでしょう。ただし、このことをみんなに話したら、あなたの肉体は永遠に他人のものです」あなたの【本当の使命】は、自分の身体を取り戻して、この店から無事帰ることである。ただし、自分の身体を取り戻す前に、この【秘密】が公開(すべてのプレイヤーが知る)されると、自分の身体を取り戻すことはできなくなる。
アナスタシア:ふーん、そういうことなんだ。そういうことなんだ!(2回目)なるほど、ね。
泉太郎:やだよー。一方的に秘密を知られたよう。
ホールデン:いやでも、俺たちアナスタシアの秘密ちょっと知ってる気がするぞ。
ハナ:たしかに(笑)
2.斉木泉太郎
泉太郎:じゃあ次、泉太郎いきます! リベンジしてやろう。
GM:はい、ドラマシーンですね。シーンを振ってください。
泉太郎:(ころころ)また6です。
GM:
このシナリオでは同じシーンが起こらないようになっているので、前とは違うシーンになります。
突然扉が開き、見知らぬ女性が立っていた。こちらをじっとながめているが……部屋を間違えたのだろうか? 女性は無言で立ち去っていきました。このシーンのシーンプレイヤーは、《驚き》で恐怖判定を行うこと。
泉太郎:はーい。(ころころ)失敗……。
GM:早くも2枚目の【狂気】をプレゼント! アナスタシアさんの【秘密】を調査したいのでしたよね。
泉太郎:はい! 特技はどうしようかな。アナスタシアさん、だいぶ特徴のある姿をしてるので……とりあえずネットでググりはじめます。スマホを見てるふりして、名前で検索して過去を調べますね。《電子機器》です。
GM:怖い(笑)OKなので、5以上で成功です!
泉太郎:(ころころ)よし、成功。
【秘密/PC④】
実はあなたはPC①だ。停電が起きたとき、一瞬気が遠くなったのだが、そのときに精神だけPC④の肉体に入ってしまったようなのだ。そのとき、あなたの心に誰かが囁いた。「ふふふふ。私を倒せば、あなたの精神は元に戻るでしょう。ただし、このことをみんなに話したら、あなたの肉体は永遠に他人のものです」あなたの【本当の使命】は、自分の身体を取り戻して、この店から無事帰ることである。ただし、自分の身体を取り戻す前に、この【秘密】が公開(すべてのプレイヤーが知る)されると、自分の身体を取り戻すことはできなくなる。
実はあなたはPC①だ。停電が起きたとき、一瞬気が遠くなったのだが、そのときに精神だけPC④の肉体に入ってしまったようなのだ。そのとき、あなたの心に誰かが囁いた。「ふふふふ。私を倒せば、あなたの精神は元に戻るでしょう。ただし、このことをみんなに話したら、あなたの肉体は永遠に他人のものです」あなたの【本当の使命】は、自分の身体を取り戻して、この店から無事帰ることである。ただし、自分の身体を取り戻す前に、この【秘密】が公開(すべてのプレイヤーが知る)されると、自分の身体を取り戻すことはできなくなる。
泉太郎:は~! そういうことだなぁ(含み笑い)。
アナスタシア:あたしたち、協力できそうね。
GM:あ、すみません! もし【秘密】の「ショック」に「全員」って書かれてたら、【正気度】を1減らしてください。さっきアナスタシアさんが【秘密】を見たとき、言い忘れちゃった。
アナスタシア:書かれてましたね。
GM:でもせっかくスペシャルを出したので、減らなかったことにしましょう。時系列的にはダメなんですけど、初スペシャルですから!
泉太郎:ずるーい!
GM:「そこのお二人さん、いい感じだね」とキラ夫が言います。
ホールデン:「うん、付き合っちゃえばー?」
ハナ:「やばそう」
泉太郎:しれっとハナちゃんがひどいこと言った!
3.呼原ホールデン
GM:はい、じゃあ3番目にやりたい人いますか?
ホールデン:はい!
GM:何をしましょうか。
ホールデン:じゃ戦闘。
GM:なんでそんな狂人プレイを!?
ホールデン:いや、みんなドラマシーンを選んでるから、リプレイ的にそろそろ闘っといた方がいいかなって。
GM:戦闘してもいいですけど、【使命】を達成するために動いてくださいね!
ホールデン:だってカップルになりたい相手がいねーんだもん! まぁ、ドラマでいいよ。
GM:もう……ダイスを振ってください。
ホールデン:(ころころ)……まーた6だ。
GM:
では、えーっと。
隣の部屋から、ドタドタと騒ぐ音と絶叫が聞こえてきた。このシーンのシーンプレイヤーは、《物音》で恐怖判定を行うこと。
ホールデン:俺もそろそろ【狂気】を得ちゃうのかなぁ。(ころころ)……あ、成功。
泉太郎:この作家、なかなかメンタル強い(笑)
ホールデン:でも鬱わずらってる設定だぞ(特技で《憂い》を取っている)。
ハナ:ファッション鬱なのかもしれないよ。
GM:どなたかシーンに登場してもらいたい人はいますか?
ホールデン:さっきアナスタシアと泉太郎だったから、ハナちゃんにしよう。《埋葬》で感情結ぶ。
GM:《埋葬》で感情!? 理由をつけてくれればOKですけれど……。
アナスタシア:《愛》持ってんだから《愛》でいいじゃねぇかよ!
ホールデン:《愛》だとつまんねーかなって。
アナスタシア:じゃ、《第六感》で「こいつは俺に惚れてるッ」みたいなロールプレイすればいいんじゃない。
GM:この「まごころ」と「メニュー」のハンドアウトも調べられますよ。
ホールデン:あ、そうなの? でもそろそろ【感情】を結んどかないとリプレイ書くときに
アナスタシア:好きにやれ!! お前はそんな賢しいことを考えるな。
ホールデン:じゃあ、《愛》でハナちゃんと【感情】結びます。(ころころ)成功ー。
GM:それでは、お互いに1D6を振ってください。
《ダイス結果》
ホールデン:5
ハナ:5
ホールデン:5
ハナ:5
GM:2人とも「5」なので、「憧憬(+)」か「劣等感(-)」のどちらかの【感情】を選ぶことができます。
ハナ:「憧憬」にしてあげようかな。
ホールデン:俺の性格的に「劣等感」っぽいけど、でもなー。「憧憬」にする。
アナスタシア:憧れは理解から最も遠い感情だよ。
ホールデン:ハナちゃん、昔好きだった女の子に似てるんだよ。
ハナ:私の方は「もしかして、あの本を書いた作者さんかなぁ」みたいに思ってます。
4.王様ゲーム(マスターシーン)
GM:ここでマスターシーンをはさみます! 周りがいい感じなことに焦ったキラ夫が「王様ゲームしよう」と提案します。
――そう言ってボクは、数日前に100円ショップで買った竹串を取り出した。TRPGで遊ぶときは、こうした小物を用意するのが良いと先輩に教えてもらっていたのだ。
ホールデン:フゥー!
泉太郎:意外に泉太郎くんはノリノリです。
ハナ:それ王様ゲーム用だったんだ……。
GM:赤いマークのついた棒を引いた人が王様で、黒を引いた人が命令される人になります。NPCも参加するので、6本ありますよ。では、皆さん1本ずつ引いてください。
一同:王様だ~れだ!
ハナ:あ、王様だ。
ホールデン:えーーーーー!(黒い棒を引いた)
GM:決まりましたね。それでは、王様には「王様ゲーム表」をプレゼント。1D6を振ってください。
ハナ:(ころころ)5です。
GM:その人は、王様に指を折られます。
アナスタシア:……
泉太郎:……
ホールデン:……え? え? ちょっと待って。
ハナ:「王様に指を折られます(にこやかに)」
泉太郎:っ!!(笑い過ぎて喋れない)
ホールデン:ねぇ! ねぇ、どういうこと!?
アナスタシア:憧れてる作家に「あなたは、もう私以外のために本を書かなくていいのよ」(ポキッ)みたいな(笑)
ハナ:それで、その人に2ダメージを与えるみたいです。
ホールデン:ちょ、ちょっと待って。あのさ、さっき俺、戦闘は唐突だって止められたんだけど、これはどうなんだよ!?
泉太郎:(まだ笑ってる)
アナスタシア:冒険企画局さんのゲームはこれが面白いところなので。急に理不尽なことが起こる。
GM:そこにどう理由をつけるかが肝ですよね。
アナスタシア:今、お互いに憧れを抱いて「あの子、子供の頃に好きだった女の子に似てるなぁ」って思ってたところなのに(笑)
ホールデン:この女ぜってーサイコパスだよ!
ハナ:ハナちゃんはちょっと酔いはじめたので、「原稿書かない人の指は折っちゃおうね」(ポキッ)ってしました。
ホールデン:……あのー、ロキソニン使える?(アイテム「鎮痛剤」のこと)
GM:いいですよ。じゃあ、2ダメ―ジ受けて、1点回復してください。
泉太郎:ほんとこえー(笑)
アナスタシア:アナスタシアもドン引きしてます。
ホールデン:おい、君の指も折ろうか?
アナスタシア:「あたしも指を折られ……あっ、でもすでに1本なかった」
泉太郎:こんなに命がけの合コンがあっただろうか、今まで。
5.秋山ハナ
GM:最後のシーンプレイヤー、ハナさんどうぞ。
ハナ:ドラマシーンします。シーン表振りますね(ころころ)……1。
GM:はい。では、「お店からのスペシャルメニューです」と言ってケーキが運ばれてきました!
一同:わーい(パチパチ)
ホールデン:拍手なんかできねぇよ! 指痛いもん!
GM:運ばれてきたケーキには、目玉や指がトッピングされていました。このシーンのシーンプレイヤーは《味》で恐怖判定を行ってください。
泉太郎:食べちゃうんだ!?
ホールデン:店の厚意で運ばれてきたケーキを、ハナちゃんだけ食わなきゃいけないのにはどういう理由が。
アナスタシア:さっき「酔ってる」って言ってたじゃない。ハナさんは酔ってるからどんなケーキか気づかないんだけど、周りのみんなは気づいてるから「どうぞ、どうぞ」って。
泉太郎:どーぞどーぞ。
ハナ:(ころころ)11、成功です! でも酔いは一気にさめた。あ、ついでに【狂気】が顕在化しました。
【狂気/盲目】トリガー:自分が恐怖判定を行う
あなたの心は、これ以上怖いものを見るのを拒絶している。
自分が新たに【狂気】を公開するまで、調査判定と命中判定にマイナス2の修正がつく。
あなたの心は、これ以上怖いものを見るのを拒絶している。
自分が新たに【狂気】を公開するまで、調査判定と命中判定にマイナス2の修正がつく。
GM:
うわー。タイミングがちょっときついですね。
じゃあここで、ハナとホールデンの空気を察したチラ美が2人の間に割って入っていきます。「あの、わたしホールデンさんとお話したくて……」
――実は、チラ美にはこんな設定がある。“「王様ゲーム」が一回発生したあと、【正気度】の一番高い男性PCに執着しはじめる。” すなわち、無駄にメンタルの強いホールデンに想いを寄せなければならないのだ。
ホールデン:じゃあ俺はクリスタルの灰皿でぶん殴ろう。
GM:え、なんで!? チラ美はホールデンに対する敵意はなさそうです……よ?
泉太郎:さっきからホールデンさんが喧嘩っ早い(笑)
GM:ええと、「ハナさんはホールデンさんに気があるんですか?」とこっそり聞きます。
アナスタシア:気があるやつの指を折ったりしないだろう。
ホールデン:ホントだよ! まともな人あそこしかいないやん(泉太郎を指して)。
泉太郎:さあ、どうだろうね。
ハナ:わたしは、チラ美ちゃんに答えないといけない?
GM:いえ、これはただのロールプレイなので無視してもいいです。
ホールデン:でも話しかけてくる人を無視するのは、合コンの空気が悪くなるんじゃないか。
アナスタシア:最初は一番まともだと思ったハナちゃんがどんどん株を下げていくね……。
ハナ:「そういえばチラ美ちゃん。まごころはいいお店だって聞いたけど、物騒ね」
ホールデン:あ、話を逸らした。
ハナ:ということで、「まごころ」を調査します。
GM:はい、どの特技で調査しますか?
ハナ:《第六感》で。
GM:分かりました。今は【狂気】の効果でマイナス2の修正がありますので、目標値7で振ってください。
ハナ:(ころころ)……成功!
【秘密/まごころ】
客たちは小さな声で、「考え直せ」「お前たちは永遠に孤独だ」「そいつでいいのか」「恋愛なんかまやかしだ」、「合コン失敗しろ」とブツブツと呟いている。客たちは、この世のものではないようだ。この【秘密】を見た者は、《恨み》で恐怖判定を行う。この【秘密】を初めて見た者は、自分のシーンプレイヤー時に一度だけ「いいね」欄の名前を書き換えることができる。
客たちは小さな声で、「考え直せ」「お前たちは永遠に孤独だ」「そいつでいいのか」「恋愛なんかまやかしだ」、「合コン失敗しろ」とブツブツと呟いている。客たちは、この世のものではないようだ。この【秘密】を見た者は、《恨み》で恐怖判定を行う。この【秘密】を初めて見た者は、自分のシーンプレイヤー時に一度だけ「いいね」欄の名前を書き換えることができる。
アナスタシア:【目星】使います。「ハナちゃん、何か見たわね?」という感じで。
――【目星】は、他のプレイヤーが【情報】を獲得したときに使用できるアビリティ。判定に成功すれば、自分もその【情報】を見ることができるんだ。
GM:はい、了解です。
ハナ:あ、その前に【恐怖判定】します。《恨み》だから……(ころころ)成功です。
アナスタシア:【目星】は《情景》で振りまーす。(ころころ)失敗か。
GM:見なくてよかったかもしれないですね(恐怖判定あるからね)。
6.王様ゲーム 2回目(マスターシーン)
GM:さて皆さんのシーンが終わったので、マスターシーンをはさみます。キラ夫が「さっきの王様ゲームつまんなかったから、もう1回やろうぜ」と言います。
ホールデン:ちょっ、待て待て待て待て待て!!!!
泉太郎:待って、待って(笑)
アナスタシア:この人何言ってんの⁉ さっきの見てもう1回やろうって発想がちょっと分かんないんだけど。
ホールデン:俺が知ってる本当のキラ夫はたぶん谷川岳で死んだんだろう、もう。
GM:キラ夫は「もうちょっとロマンチックなやつでいこうよ」と引き下がりますね。
泉太郎:仕方ない、やりますか。
GM:はい! 皆さんで引いてくださいね。
一同:王様だーれだ。
泉太郎:あっ(黒い棒を引いた)。
GM:泉太郎さんが命令される人ですね。王様はチラ美です!
泉太郎:チラ美に何されるんだろう、怖い。
GM:じゃあいきますね。(ころころ)……はい。「泉太郎くんは、誰かのモノマネをしてください」
泉太郎:「モノマネー!?」
GM:モノマネとか……できます?
泉太郎:何ですかそのフリは(笑)じゃあ、アナスタシアさんのモノマネします!
アナスタシア:お、いいねぇ。
泉太郎:「あなた、なかなかいい男ね♡」と、ホールデンさんを見て指をくるんってします。
ホールデン:何で俺なんだよ!
アナスタシア:似ている。
ハナ:指折よりは平和でよかった、よかった。
GM:ではここで1サイクル終わったので、2サイクル目になりますね。
***
――前編のリプレイはここまで! 後編では、第2サイクルからクライマックス・フェイズをお届けするよ。入れ替わりに殺人鬼……混沌とした合コンで、無事にカップル成立なるか!? 後編へつづく。
◇ルールブック
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