プレイヤーが村人や人狼などの陣営に分かれ、他のプレイヤーと会話しながら相手の正体を探る人狼ゲーム。遊んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。
今回は人狼ゲームでおなじみの人狼についてご紹介します。
目次
人狼ってどんな生き物?
- 別名:狼男、ライカンスロープ、ワーウルフ、ル・ガルーなど。
- 普段は人間だが、夜になると狼の姿に変身。凶暴化して家畜や人間に襲いかかる。
- 「満月を見ると変身する」「銀の弾以外では傷つかない」などの設定は後付けされたもの。
人狼は別名、狼男、ライカンスロープ、ワーウルフ、ル・ガルーなどとも呼ばれる生き物で、その伝承は世界中に広く存在しています。
人狼のほとんどは男ですが、スカンジナビア半島には老女の姿をした人狼の伝説も残されています。
多くの伝承の中で、人狼は夜になると人から狼の姿に変身し、凶暴化して理性を失い、家畜や人を襲ってその肉を食らうとされています。
また、人間の姿に戻った時には疲れて消耗しきっており、狼の姿の時に犯した悪行に気付いて精神的に苦しむともいわれています。
この他、「満月を見ると狼に変身する」「月齢によって変身能力が左右される」「銀の弾以外では傷つけられない」「ワーウルフに噛まれた者はワーウルフになる」といった話もありますが、これらは元の伝承には無く、後から付け加えられた設定です。
人狼になるのはどんな人?
人が人狼になるには、いくつかのパターンがあります。
①生まれつき人狼になる運命だった。
スラヴの伝承では、7番目に生まれた子どもや、羊膜、赤痣、剛毛をもって生まれた子どもは人狼になるといわれています。
②呪いや魔術で人狼になってしまった。
邪悪な魔法や呪いを受けた結果、人狼になる者もいます。
魔女狩りが盛んに行われていた頃のヨーロッパでは、狼男だと糾弾され裁判にかけられた者が、悪魔と契約し狼男になったと告白したという記録も残されています。
③自ら望んで人狼になった。
どうしても人狼になりたい場合、いくつかの方法で狼に変身できるといわれています。
・衣服を脱ぎ、狼の皮でできたベルトを身につける。
・魔女の軟膏(魔法薬)を塗る。
・なりたい動物(狼など)の足跡に溜まった雨水を飲む。
人狼の見分け方
人狼ゲームでは、他のプレイヤーとの会話を手掛かりに、誰が人狼かを推理しますが、世界各地に残る伝承では、相手の姿を見て人狼かどうか見分けることができるとされています。
【人狼の特徴はコレ!】
・左右の眉毛がつながっている。
・爪が長く鉤状になっている。
・耳の先がとがっている。
・手のひらに毛が生えている。
・薬指の長さが中指よりも長い。
・肉体を傷つけると、傷口から毛皮が見える。
この他、狼の姿の時の人狼に傷を負わせると、人間に戻ってからも全く同じ場所に新しい傷ができているといいます。この傷が元で正体がばれ、退治されてしまう人狼もいたということです。
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ベラルーシの人狼伝説
ベラルーシのフセスラーフは羊膜を付けて生まれ、わずか1時間半で言葉が話せるようになると、産着の代わりに武器や鎧を着せてほしいと母親に頼んだといいます。
10歳になったフセスラーフは、狼に変身する能力と千里眼とを手に入れます。大人になってからはその力を生かして偉大な公となり、多くの町を治めるようになりました。
しかし、夜になると狼の姿で野山を駆け巡り、獣を狩らねばならぬため、彼は自らの運命を嘆き苦しんだということです。
夜になると狼に変身し、本能のままに獲物を求めてしまう人狼。くれぐれも夜の町で出会わないよう、ご注意ください。夜の間、彼らは理性を失いモンスターとなっていますから。
◇参考書籍
『幻想世界の住人たち』
著者:健部 伸明、怪兵隊
新紀元社
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