Trick or treat! 10月31日はハロウィン。ゴーストやアンデッドの仮装をして楽しむ人もいるかもしれませんね。
今回はハロウィンにぴったりなゴーストとその仲間たちをご紹介しましょう。
目次
死者はどうしてゴーストになるの?
ゴーストとは、英語で幽霊・亡霊・死霊などのことで、ぼうっと白く光るシーツに身をくるんだような姿をしています。
ゴーストには寿命があり、400年程で消滅すると考えられています。
しかし、中には1500年以上も消えずにとどまり続けるゴーストもいるようです。現在確認できる最も寿命の長いゴーストは、イギリスのある館を行進するローマ帝国の兵士だといわれています。
死者はどうしてゴーストになるのでしょう? その理由は次のようなパターンが考えられます。
①この世に未練を残したまま死んだ者の霊がゴーストになる
このパターンのゴーストたちは、なんとか悔いを晴らそうと生きている者たちの生活に干渉してきます。
対処方法としては、ゴーストに代わって悔いを晴らしてやるか、僧侶を呼んで悪魔祓いするとよいでしょう。
②生前犯した罪のために天国に行けず、この世をさまよっている
たとえば生前に殺人などを犯した者が、死後もなお殺人を続けようとすることがあります。
また、戦場で亡くなった者が死後もまだ戦い続けているケースもあります。古戦場などではその土地自体が変質して、一種の霊界になることすらあるようです。
うっかりこの霊界に入ってしまうと、最悪の場合、何十年、何百年も前の戦争で発射された銃弾に当たり死んでしまうこともありますから、遊び半分で出かけるのはおすすめできません。
③生前親しかった人に挨拶や警告をしに来る
亡くなった人の魂が家族や友人の前に現れ、別れの挨拶をしたという話を聞いたことはありませんか。
他にも、生前親しかった人に危険が迫っている場合、それを警告するためにゴーストが現れるというケースもあります。
④降霊術などで呼び出される
魔術師や呪術師などが特殊な儀式を行い、霊を呼び出すケースもあります。一般人が真似すると悪霊に憑りつかれることもありますので、安易に試すのはやめた方がよいでしょう。
ゴーストの仲間たち
ゴーストに近い存在の霊たちをご紹介しましょう。
・スペクター
ゴーストよりも恐ろしい姿をしたものを「スペクター」と呼びます。
たとえば、高い山の山頂には「ブロッケンの怪物」と呼ばれるスペクターがいて、巨大な黒い化け物の姿をしているといいます。
・ファントム/ファンタズム
幽霊や生者の生霊のことで、ゴーストよりも顔形がはっきりしています。向こう側が半分透けて見えたり、内側から淡く光ることもあるようです。
・スピリット
死者や生者の魂、自然の精(ニンフなど)、悪霊、キリスト教の聖霊などをまとめて「スピリット」と呼びます。
・ウィルオウィスプ/ジャック・ランタン
幽霊が現れる前後に登場するという、青白く光る火の玉です。人間の魂だという説がある他、雨に当たって燃え出した燐だとか、「球電」という稲妻の一種だともいわれています。
◎関連記事
邪霊ラルヴァは宗教革命から生まれた? ローマに伝わる霊信仰
実例も紹介! 出会いたくないオカルトな幻想生物
アンデッドの仲間たち
ゴーストに近い存在には、「アンデッド」と呼ばれる者たちもいます。
死んだはずの人間の死体が墓場から甦って歩き回る現象のことで、海外ドラマやゲームでおなじみのゾンビもこの一種です。
・ゾンビ
ゾンビは物を考えたり感じたり喋ったりすることはなく、生前の記憶を頼りに条件反射で動きます。感染することで仲間を増やしますが、不死ではなく、長い時間をかけてゆっくりと腐敗し死んでいきます。
現在一般的なこのゾンビのイメージは、アメリカのジョージ・ロメロ監督が公開したゾンビの3部作映画によるものです。
それ以前、元々のゾンビはカリブ海の島国・ハイチ共和国で発展したヴードゥー教に伝わる存在でした。
ヴードゥー教では、罪を犯し極刑を受けた者はフグ毒で有名なテトロドトキシンを含む粉末を使い、仮死状態にされてしまいます。ヴードゥー教の神官(ボコール)たちはこの仮死状態の犯罪者を薬と呪術で復活させ、奴隷として労働に従事させました。
これがいわゆるゾンビで、腐ることも人を襲うこともないということです。
・グール/グーラー
グールはアラビアの食人鬼で、その女性名詞形がグーラーです。見た目はほとんど人間ですが、男のグールは耳や顔が長かったり、目が飛び出していたりします。女のグーラーは美人で、子どもをつくることもできるとされます。
・ワイト
トールキンの『指輪物語』シリーズには「塚人」(Barrow Wight)というアンデッドが登場します。英語ではこれを略して「ワイト」と呼ぶようになりました。
塚人とは、塚の中に眠る王家の者たちの死体に身体を失ったデーモンが乗り移ったものです。立派な装身具や鎧、剣を身につけており、犠牲者を塚の中に引きずり込んで殺してしまいます。
塚人を倒すには、彼らの塚をあばき、日光を当てると良いでしょう。
・スケルトン
動く白骨死体のことを「スケルトン」と呼びます。中世ヨーロッパでは、古戦場に現れる亡霊騎士を倒してみたら、鎧の下は白骨だったという話がありました。
大航海時代になると、幽霊船の白骨死体がシミターやカトラスなどの刀を手に動き回り、生者の船に幽霊船を体当たりさせて沈めようとしたという話も登場します。
たくさんの種類が存在するゴーストやアンデッド。お気に入りのゴーストは見つかりましたか?
夜中に出会ってしまったり憑依されたりしないよう、くれぐれもお気を付け下さい!
◎関連記事
死体は何故動くのか、アンデッドが誕生した4つの理由
犯罪者をゾンビ化する? ブードゥー教の真の姿とは