クトゥルフ神話　海底都市ルルイエと『ルルイエ異本』って？

「ふんぐるい　むぐるうなふ　くとぅるふ　るるいえ　うがふなぐる　ふたぐん」
ゲームなどでこの呪文のような言葉を聞いたことはありませんか？

実はこれ、クトゥルフではおなじみの祈りの詞で、「ルルイエ語」と呼ばれる人類以前の古い言語なのです。

今回はルルイエ語が使われていたという古代都市ルルイエについてご紹介しましょう。

海底都市ルルイエとは？

【ルルイエとは？】

• 緑色の巨大な石塊で造られた都市。
• 太古の地殻変動により、南太平洋の海底深くに沈んだ。
• 大いなるクトゥルフとその眷属たちが瞑(ねむ)っている。

ルルイエは南大西洋(ニュージーランドとチリの間に広がる海洋)、南緯47度9分、西経126度43分に眠る海底都市です。

緑色の巨大な石塊で造営され、ユークリッド幾何学を無視した狂った線と形で構成された歪な都市で、中央部にそびえる山の上には巨大な石造りの館がそびえ建っています。
その奥底では大いなるクトゥルフ(人類誕生以前に地球に君臨し、最も人類から恐れられている神)とその眷属たちが深い瞑りにつきながら、復活の日を待ちわびているのです。

ルルイエ、浮上す

ルルイエは太古の地殻変動により海底に沈んだとされています。
クトゥルフを崇拝する者たちは、これまでに何度もルルイエを浮上させようと試みてきました。

1925年3月、ルルイエの一部は水没以降初めて太平洋上に浮上しました。海底火山の影響によるものとされていますが、一説によると、「銀の黄昏錬金術.会」という名の秘密教団が引き起こしたものだともいわれています。

ルルイエの浮上は、世界各地の人々に多大な影響を与えました。芸術家など感受性の強い人々はクトゥルフの波動を受けて狂気に走ったり、奇妙な作品を残したといいます。

『ルルイエ異本』ってどんな本？

クトゥルフ神話には、ルルイエの名前を冠した『ルルイエ異本』という書物も登場します。

【『ルルイエ異本』の内容とは？】


『ルルイエ異本』は元々、人類以前の言語で書かれていましたが、後に原本を元に、中国語版やイタリア語版などが作られました。


イタリア語版は魔術師フランソワ・プレラーティが翻訳したもので、フランス皇帝として名高いナポレオン・ボナパルトが所有していたといいますが、詳細ははっきりしません。

一方、中国語版は老研究家エイモス・タトルが、チベットの奥地からやって来たという中国人から10万ドルで購入したもので、人皮で装丁されています。エイモスの死後、1928年に甥のポール・タトルによってミスカトニック大学附属図書館に寄贈されました。


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『ルルイエ異本』の関連書籍

『ルルイエ異本』に関する研究論文も作成されています。

ミスカトニック大学の哲学教授ラバン・シュリュズベリイ博士は大学附属図書館に寄贈された中国語版『ルルイエ異本』を研究し、「ルルイエ異本を基にした後期原始人の神話の型の研究」という論文を発表しました。


その論文の中で、博士はクトゥルフ教団の拠点が次の場所にあると述べています。


この他、中国語版の『ルルイエ異本』に関連する書物には、1940年にウィスコンシン州立大学のアプトン・ガードナー教授の依頼で作成された抜粋などがあります。


海底都市ルルイエも『ルルイエ異本』やそれに関する研究論文なども、全ては架空のものですが、このような細かな設定こそが、クトゥルフ神話に奥深さを与えているのではないでしょうか。

こうした設定を参考に、オリジナルのクトゥルフの世界を考案するのも面白そうですね。


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