イラスト:緒方裕梨(@colornix) |
尊敬される存在から、かわいそうな先生へ――
18世紀頃までの女家庭教師(ガヴァネス)は、上流家庭の子女を教育する女性としてほかの使用人とは一線を画す存在でした。
しかし、時勢のうつろいにより「かわいそうな先生」というイメージが定着していくことになります。
というのも、中流階級の人々の中で家庭教師を求める声が増え、同時に中流階級から職を求める女性も増えたことで、質の低下が起こったのです。
後に女家庭教師の地位向上を目的とした教育機関が成立すると、より洗礼された教育が行われるようになります。
女家庭教師には、若くて経験のある女性が好まれました。語学に堪能で、芸術に通じているような人物であればなおよしです。
しかし、家人の恋愛の対象になるのを恐れたためか、容姿端麗な女性はどの家庭でも歓迎されなかったといいます。
次回は10月15日に
「さそり座の伝説」の1コマ漫画を公開します♪
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