たくさんのアニメやゲーム、漫画などで、登場人物のモチーフに選ばれている大天使ラファエル。名前は有名ですが、どんな性質をもつ天使なのかご存知ないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は大天使ラファエルについてご紹介します。
目次
大天使ラファエルとは?
【3行でまとめる! 大天使ラファエル】
- 旧約聖書などに登場する、最も有名な3人の大天使のひとり(残りの2人はミカエルとガブリエル)。
- 医学知識に造詣が深く、薬剤師や旅人などの守護者とされている。
- 元はカルデア人に信仰されていた神ラビエル。
ラファエルという名前の語源には、「神の熱」という意味があります。ラファエルはミカエル、ガブリエルとともに最も有名な3人の大天使のひとりで、元々はカルデア人が信仰していたラビエルという神でした。
ラファエルは薬剤師や旅人などの守護者であり、特に医学知識についての造詣が深いとされています。そのため、「癒しを行う輝ける者」、「医者」、「外科医」などと呼ばれることもありました。
医術に長けていた大天使ラファエル
旧約聖書の第1書『創世記』には、ラファエルが医術に長けていたことを示すエピソードが残されています。
古代イスラエルの族長のひとりであるヤコブは、故郷に向かって旅をしていたある晩、天使とレスリングをすることになります。
ヤコブは相手が天使だとは知らず、傷を負っても闘い続けた結果、ついに天使から正義の信念と行動力に満ちていると認められました。
後にこのヤコブの傷を癒したのが大天使ラファエルだとされています。
ちなみに、イスラエルの人々はこの故事にちなんで、今でも動物の腿の関節の上にある腰の筋を食べないのだそうです。
大天使ラファエルの悪魔退治
旧約聖書外典『トビト書』には、ラファエルが悪魔を退治したというエピソードも記されています。
大天使ラファエルは人の姿に化身し、アザリアと名乗ってユダヤ人トビアの旅に同行します。
旅の途中でトビアに魚を捕まえさせると、その魚を使って悪魔に取り憑かれた女性を救ったり、トビアの父トビトの視力を回復させたりしたのです。
- メディアの街で、魚の心臓と肝臓をいぶして悪魔に取り憑かれた女サラを救う。
- トビアはサラと結婚し、故郷に帰ると、魚の胆汁を使って目の見えない父トビトの視力を回復させた。
その後アザリアは、トビト一家が祝宴を挙げている最中に、自分が実は大天使ラファエルであることを打ち明けます。トビトと妻サラは驚き平伏して、神の威光を知ったのでした。
ラファエルは3対の翼を持っていた?!
17世紀イギリスの詩人ミルトンが著した『失楽園』にも、大天使ラファエルの姿が描かれています。
『失楽園』では、エデンの園にサタンが侵入することを恐れた神が、ラファエルを使者に仕立てて、エデンの園に住むアダムとエヴァのもとを訪ねさせる様子が描写されています。
ラファエルは緩やかに翼をひろげ、雄大な宇宙空間をまるで不死鳥のように悠然と飛翔してエデンの園に向かいました。
エデンに到着したラファエルの身体は絢爛たる3対の翼でおおわれていました。彼が翼をうち振るうと、芳香があたり一面にただよい、楽園を警備していた天使たちは直ちに彼がラファエルであることを悟りました。