「東京ゲームショウ2018」が9月23日まで千葉・幕張メッセで開催されているよ。
人気企業の新作タイトルをはじめ、海外のインディーゲームや18歳以下の若手クリエイターが作った新鋭ゲームを体験できるゲームの祭典。
そんな「東京ゲームショウ」でぱん太が注目したのはVR/ARコーナー。
子どもの頃『.hack』シリーズ(※1)が大好きだったボクは、いつかゲームの中に入ってホンモノの冒険ができると信じていた。
当時は夢のような存在だったVRゲームが身近なハードになりつつある今、ボクが思い描いていたよりもずっと、この分野は進化していた……
目次
恐怖のVRゲーム『呪刻教室』
VRコーナーにやってきたぱん太が最初に目をつけたのは、古びた教室のようなブース。
教室、つまり学校といえば青春ハーレムライフしか頭にないボクは、迷うことなく歩みを進めた。
「記念のプレゼントです♪」
△コンパニオンのお姉さんに渡されたプレゼント
こ、これは一体……!?
『呪刻教室』という、明らかにホラーなタイトルに怖気づくぱん太。しかし、引き返す間もなく簡素な教室机に案内される。
されるがままVRとヘッドフォンを装着され……気がつくと、ザアザアと雨音の聞こえる夜の教室にいた。
消えかかった蛍光灯の下、ボクの他に女の子2人が席に着いている。
(あ、一人じゃなくてよかった)
そう思ったのは一瞬で、少し経っても2人はじっと黒板を見つめたまま動かない。正直不気味だ。なんなら一人の方がよかった。
そんなボクをあざ笑うかのように、教室の中で次々と不可解な現象が起こりはじめる。
あれ? なんかい――
ぎゃああぁぁあああ!!
何が起こるかは、じっさいに体験して確かめてみてね。ただし本当に怖いから覚悟すること。
トキメキVRゲーム『VRカレシ」
恐怖体験からはじまったVRをめぐる冒険。癒しを求めてさまよっていると、スタッフのお兄さんに声をかけられた。
「今ちょうど入れるんですけど、いかがですか? VRカレシ」
VR……カレシ?
△「喫茶はるかぜ」をイメージしたお洒落なブース
どうやら整理券の配布はすでに終わっていて、そのまま入れるのはラッキーなことらしい。
「やったー」
呑気に待っていると、カーテンが開いて爽やかなお兄さんが「どうぞ」と言ってくれた。
VRカレシは、Android / iOSで公開予定の女性向け恋愛ゲーム。
なんと、体型や髪型・服装などを自由にカスタマイズして自分だけのカレシを作れちゃうんだそう。今回は体験だから、黒髪のイケメン「アキトくん」との甘いシチュエーションを楽しめるよ。
喫茶店をイメージしたブースの中には一人用のカウンター席があって、オリジナルデザインのVRゴーグルが置いてあった。
△『VRカレシ』を体験するともらえるゴーグル
「まずはゲームの準備をするので、いくつかの質問に答えてくださいね」
そう言って渡されたタブレットに名前を入力して、ボイス(森久保祥太郎さん、鈴木千尋さん、細谷佳正さん)を選ぶ。ボクは細谷さんのボイスにしてみたよ。
ここまで出来たら準備完了!
レトロで落ち着いた雰囲気の「喫茶はるかぜ」で働くアキトくんと、カウンター越しにお話ししていくよ。
疲れて帰ってきたボクのために、あったかい珈琲を淹れてくれた。
「疲れた顔してるぞ」
優しい声で気遣ってくれる優しさに、思わずキュンとしちゃった。
しかも会話の流れから察するに、上の階で一緒に住んでいるらしい(!)。少しぶっきらぼうな口調ながらも、目を見つめてくれたり頭をぽんっと撫でてくれたりするから、VRならではのカレシ感を堪能できるんだ。
ちなみに、カレシからの質問には頷くか首を振って答えられるよ。
設定した名前はどこで出てくるのかな? なんて考えてたら、アキトくんから思わぬサプライズが!
気になる人は、ぜひ『VRカレシ』ブースの喫茶はるかぜを訪ねてみてね。
△爽やかなスタッフのお兄さん
謎解きアドベンチャーVRゲーム『VoxEl』
じつはこのゲームショウに参加する前に、ボクはある情報を手に入れていたのだ。
――――『VoxEl』ってゲームがおもしろいよ。
『VoxEl』は、フィールドのギミックを解き明かして進んでいく謎解きアドベンチャーゲームだよ。プレイヤーのサポートをしてくれるのは、足を鎖で繋がれた謎の少女エル。
エルの使うふしぎな力によって、物体を動かしたりちょっとした魔法を使うことができるんだ。
「VRゲームで魔法を使いたい」
そう夢見ていたボクにとっては、ぜひとも遊んでみたいゲームだった。
△ゲームのポスター。エルの服が可愛い
ところが、いざブースに向かってみるとすでに整理券の配布は終了していた(まだ11時なのに!)。
ゲームショウの洗礼を受けて落ち込んでいると、ぱん太に奇跡が起こった。
ひと回りしてふらっと戻ってきたところで、「キャンセルがでたので、今なら20分くらい遊べますよ」とスタッフさんが案内してくれたんだ。
ポスターのエルちゃんがほほ笑んだ……気がした。
ということで、念願の『VoxEl』をプレイ!
まずはエルが登場し、いまの状況や操作方法を説明してくれるよ。
スチームパンクのような世界観で、とにかくグラフィックが美しい。せっかく話してくれているのに、ボクは風景に気を取られてきょろきょろしていた。
各ステージにはいくつかのギミックが用意されていて、2人で協力しながらそれを解き明かしていくんだけど……鎖でストーンに繋がれたエルは自分で歩くことができないから、ボクがストーンを動かして連れて行くんだ。
これが、慣れていないとけっこう難しい。
あらぬ方向に飛んでいったり壁や樹にぶつけちゃったり。その度にエルがいろんな反応を見せてくれるのもまた可愛いんだけどね!
ぱん太の一押しポイントは、ストーンから落っこちそうになってぶら下がるエル。もし『VoxEl』を体験できた人は、ぜひ試してみてね。
ギミックの謎解きもちょうどいい難易度で(迷ったときは外界のスタッフがヒントを与えてくれる)、エルを運ぶのに苦戦していたボクはあとひとつのステージを残してタイムアップ……。
終わったあとスタッフさんに「こんなにケーブルを絡ませる人ははじめてです」って言われたよ。ちょっとはしゃぎすぎたみたい。
他にも、劇場アニメ『楽園追放 -Expelled From Paradise-』でモーション監督を務めた柏倉晴樹氏など豪華なスタッフ陣によるミステリーアドベンチャーVRゲーム『東京クロノス』やVR脱出アドベンチャーゲーム『Last Labyrinth(ラストラビリンス)』を遊んで、一日を通してVRゲームを満喫したぱん太。
△『東京クロノス』のブース。ADVゲームの未来を見た!
どのゲームもVRゲームならではの工夫を凝らしていて、より臨場感や没入感を体験できるしくみになっていたよ。
『.hack』の世界に入れる日もそう遠くない……だけじゃなくて、また新しい夢を見つけた気がする。子供から大人まで、たくさんの人に夢を与えてくれるゲームの未来がもっと楽しみになっちゃった。
「東京ゲームショウ2018」に訪れるみんな、ぜひ多彩なVRゲームの世界を楽しんでみてね!
△会場でもらったパンフレットを読むのも醍醐味だね!
◇◇◇
※1『.hack』はゲームを主軸としたメディアミックスプロジェクトで、アニメ・漫画・小説など幅広い媒体で親しまれているシリーズ。架空のMMORPG「The World」で起こる不思議な事件を仲間と一緒に解決していくのが主なストーリーとなっているよ。
「The World」はフェイスマウントディスプレイによる立体映像・音響で楽しめる――つまり、VRゲームという設定なんだ。