イラスト:緒方裕梨(@colornix) |
日本では「月にはウサギがいる」という伝説が広く知られていますね。
しかし、ところ変わってヨーロッパでは、月にはこんな人々が住んでると考えられているのです。
①月に住む大泥棒〈イタリア〉
大昔のことです。ある泥棒が月を見ていて思い出しました。
「たしか、月の庭にはあらゆる果実が実っていると聞いたことがあるぞ」
この果物を盗みにいくことを決意した泥棒は、満月の晩、梯子を使って月へと登っていきました。噂どおり、月の庭には果実がたわわに実っているではありませんか。
ところが、帰る頃になって大変なことに気がつきます。登ってきた梯子がありません!
泥棒は今でも誰かが梯子をかけてくれるのを月に座って待っているそうです。
②月に住む強欲男〈フランス〉
昔あるところに異様に欲の深い男がいて、毎日休むことなく働いていました。見かねた神は『安息日に働いてはならぬ』と忠告しますが、財産を増やすことしか頭にない男はその言いつけを無視しました。
そんな男の態度に激怒した神は『罰として牢に閉じ込める。太陽と月の牢、いずれかを選べ』と迫ります。
「熱いより寒い方がいい」と思った強欲男は月を選びました。そのため満月の夜になると、月の表面に男とイバラの柴の影が見えるのだといいます。
次回は9月17日に
「投稿1コマ:那須大八郎」の1コマ漫画を公開します♪
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