古事記の国産み:はじまりの島、オノゴロ島の産まれた日
遠い遠い昔の、日本の歴史を記した本のお話をしましょう。
「古事記」というこの本には、
アマテラスが
その中には、とある二柱の神様が日本の国を産み出した時の様子も書かれています。
そう、日本の島々は、神様が産んだものなのです。
はるか昔、国産みをした神様は、男神をイザナギ、女神をイザナミといいました。
ある時ふたりは、先にいた
天の神は、イザナギとイザナミにこのように言いました。
「まだ形のないこの国を、あるべき形に作り固めなさい」
イザナギとイザナミは命令を受けて、さっそく国づくりを始めることにしました。
まず、天の沼矛を
その矛を持ち上げると、したたり落ちた塩が積み重なってりっぱな島ができたのです。
これが、最初の島「オノゴロ島」でした。
イザナギとイザナミは、よろこんでその島に降り立ちました。
古事記の国産み:イザナミとイザナギの結婚式
イザナギとイザナミはオノゴロ島に
そこで、イザナミはこんな話をしたのです。
「成長したわたくしの体ですが、ちょっと足りないところがあるのです」
すると、イザナギはこのように答えました。
「わたしには反対に余っているところがあるようだ。イザナミよ、互いにおぎない合って、国を産むのはどうだろうか?」
実はこのイザナギの申し出は、結婚の申し込みだったのです。
「よいように思います」
イザナミはそう言って、プロポーズを受け入れました。
ふたりは力を合わせて、これまで以上に国産みを頑張ることにしたのです。
結婚の決まった二神は婚姻の儀式をすることにしました。
天の御柱の周りをイザナギは左回りに、イザナミは右回りにくるりと回って、こんな風に声をかけあいました。
「ああ、なんて素敵な男の人でしょう」
「ああ、なんと素晴らしい乙女だろう」
先に声をかけたのは女神のイザナミでした。
そしてすぐに子どもを作りますが、どうしたことか思ったような国が産まれません。
困ったイザナギとイザナミは、天つ神になぜなのか占ってもらうことにしました。
古事記の国産み:日本誕生! 十四の島の出産ラッシュ
「これは、イザナミが先に声をかけたからいけないのだ」
鹿の骨を使った
おどろいたイザナギとイザナミは、さっそく天つ神の言う通りに結婚をやり直すことにしました。
前と同じように天の御柱で儀式を行うと、イザナギが先に声をかけました。
「ああ、なんと素晴らしい乙女だろう」
「ああ、なんて素敵な男の人でしょう」
今度の結婚の儀式はまちがいありません。
その証拠に、まず大きな八つの島が産まれました。
本州にあたる
その次に、ちいさな六つの島が産まれました。
これには、
正しい結婚によってどんどん国が出来上がり、イザナギとイザナミの国産みは大成功をおさめたのです。
イザナギとイザナミの国産みで、たくさんの島々が日本に存在することになりました。
しかし、今のままでは「島」があるだけです。
そこに山や川、岩などの自然が存在するためには、それを司る神様を産まなくてはいけません。
そこで、イザナギとイザナミは次々に神様たちを産むことになるのですが――、それはまた、別の物語です。
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