長い歴史の中で、人類は食材を美味しく調理するための様々な方法を考案してきました。
でも人類はいったいいつから料理を始めたのでしょう? 食材と調理の歴史を紐解いてみましょう。
目次
食材と調理の歴史のはじまり
【旧石器時代(約200万年前~)】
・石器を使って狩りをしたり、自生している植物や果実、木の実を食べていた。
・火を使った調理が始まり、食材を直接火にさらして焼いたり、熱した石で焼いたりしていた。
・最古の調理の痕跡は約100万年前、直火で肉を焼いた跡とされている(2012年時点)。
・約3万年前のヨーロッパでは、石焼きにした一種の「パン」が食べられていた。
・火を使った調理が始まり、食材を直接火にさらして焼いたり、熱した石で焼いたりしていた。
・最古の調理の痕跡は約100万年前、直火で肉を焼いた跡とされている(2012年時点)。
・約3万年前のヨーロッパでは、石焼きにした一種の「パン」が食べられていた。
旧石器時代の早い段階には、人類はすでに火を使うことを覚えていたと考えられています。
当時は狩猟・採集中心の生活で、人々は石器を使って動物や魚を獲ったり、森などに生えている植物や果実、木の実などを採って食糧にしていました。
こうして手に入れた食糧は、直接火にさらして焼いたり、熱した石を使って焼くなどして食べられていました。
約3万年前(旧石器時代中期)のヨーロッパの遺跡からは、
ジャガイモに似た植物の根を石器ですり潰し、水で練って石で焼いた一種の「パン」の痕跡も確認されています。
↓
【新石器時代】
・農耕・牧畜が始まる。
・火力調節に優れた炭火の利用、土器を使った保存・調理方法、石臼などの道具が考案される。
・「焼く」以外に「煮る」、「ゆでる」、「揚げる」などの調理方法が誕生。
・火力調節に優れた炭火の利用、土器を使った保存・調理方法、石臼などの道具が考案される。
・「焼く」以外に「煮る」、「ゆでる」、「揚げる」などの調理方法が誕生。
新石器時代になると農耕や牧畜が始まります。
土器の発明は多くの調理方法の発明につながりました。食材を土器の中に入れることで、煮たりゆでたり揚げたりといった多彩な調理が可能になったのです。
ちなみに、日本では縄文時代の遺跡から、
練ったドングリの粉に草の実を混ぜて焼いたパンや、イノシシの脂で揚げたクッキーなどが見つかっています。
さまざまな調理方法が考案されるようになると、食材の加工や輸送もしやすくなり、料理のバリエーションはどんどん増えていきました。
食事は単に命をつなぐためだけのものではなく、一種の楽しみへと変化したのです。
◎関連記事
シチューにコーヒー、豆料理 カウボーイたちの食事とは?
「直火焼き」、「石焼き」、「灰焼き」とは?
旧石器時代、新石器時代から行われていた「直火焼き」「石焼き」「灰焼き」は、後の時代にも広く活用されていました。そこで、これら3つの調理方法について、もう少し詳しくご紹介しましょう。
【直火焼き】
・肉を切り分けるか、丸ごと串に刺してあぶる。
・古代文明誕生以前のメソポタミアには遊牧民が多く、たき火を利用して作った丸焼きの肉が最高のごちそうだと考えられていた。
・古代エジプトでは直火焼きした円錐型のパンが直火焼きで作られている。
・肉を切り分けるか、丸ごと串に刺してあぶる。
・古代文明誕生以前のメソポタミアには遊牧民が多く、たき火を利用して作った丸焼きの肉が最高のごちそうだと考えられていた。
・古代エジプトでは直火焼きした円錐型のパンが直火焼きで作られている。
直火焼きは主に肉を焼く時の手段で、動物や魚の内臓などを処理した後、切り分けるか、丸ごと串に刺してあぶります。
丸焼きの肉はメソポタミア、古代ローマなど世界各地でごちそうだと考えられていました。
【石焼き】
・火で熱した石の上で食材を焼く。
・古代では、平らなパンを石焼きで作ることがあった。
・火で熱した石の上で食材を焼く。
・古代では、平らなパンを石焼きで作ることがあった。
石焼きとは、熱した石の上で食材を焼くという調理方法で、いわば現代のフライパンと同じ手法です。
古代では、大麦などの粉を水で練って平らな生地を作り、それを石焼きにしてパンにして食べていました。こうした作り方は、現代のホットケーキと同じといえます。
【灰焼き】
・熱い灰の中に食材を埋めて加熱する。中までしっかり火が通りやすい。
・古代メソポタミアの兵士たちは、遠征する際に野営場で平らなパンを灰焼きにして食べていた。
・熱い灰の中に食材を埋めて加熱する。中までしっかり火が通りやすい。
・古代メソポタミアの兵士たちは、遠征する際に野営場で平らなパンを灰焼きにして食べていた。
灰焼きは石焼きに近い調理方法ですが、じっくりと調理することで中に火が通りやすくなるという利点があります。
古代メソポタミアの兵士たちは、平らなパンを野営場で灰焼きにしていました。当時の軍人は「ぜいたくな町のパンは、灰で焼いたパンに値しない」という言葉を残しています。
◎関連記事
昼食が「ディナー」で魚は塩漬け?! 中世ヨーロッパの食事
食事のお供だけじゃない! 古代ビールの歴史と意外な活用法