ふたつのゲームを遊んだら、あっという間にお昼の時間。
じゃーん!
昼食は冒険者の店ルヴァン自慢の欧風カレーライス!
ウワサは聞いてたけど、本当に美味しい! スパイスたっぷりな香ばしい味わいに……この深いコクを引き出しているのは玉ねぎの甘みかな? ピリッと辛くて、思わず「ヘイ、シェフおかわり!」って言いたくなっちゃった。
ちなみに売店にはカレーだけじゃなくて、とっても美味しい焼き菓子も売ってたよ。
武蔵浦和駅に行ったときは、ぜひルヴァンに立ち寄ってみてね。
クエスト3 『キャット&チョコレート 幽霊屋敷篇』
腹ごしらえをしたボクが次に向かったのは、四天王のひとり藤浪先生のテーブル。
というのも、またもや現れた白井さんと諸石さんが「ストーリー性のあるゲームがお望みなら、ぜひあちらへ!」と教えてくれたんだ。
みんなは『キャット&チョコレート』ってボードゲームを知ってるかな?
降りかかるアクシデントに対して、手札のアイテムを使ってどうにかこうにか切り抜けるゲームだよ。
このゲームのおもしろいところは、自由な発想ができること。アクシデントをどうやって切り抜けるかはプレイヤーのアイデア次第なんだ。ただし、成否を判断するのは他のプレイヤー。あり得ない方法でも、おもしろければ成功しちゃうかもよ。
この日遊んだのは、『キャット&チョコレート』の幽霊屋敷篇!
さっそく集まった4人の冒険者たちに、藤浪先生はこう告げた――
幽霊屋敷へようこそ。
次々に襲いかかる恐怖体験を切り抜けて、この幽霊屋敷から脱出してください。
次々に襲いかかる恐怖体験を切り抜けて、この幽霊屋敷から脱出してください。
*遊び方*
まず、プレイヤーには「教団」か「結社」どちらかの陣営カードが配られるよ。
これはゲームが終わったときにオープンされ、陣営ごとのポイントを合計して競うんだ。プレイ中はだれが敵でだれが味方か分からない状況だから、公正な判定ができる仕組みになってるんだね。
3月枚のアイテムカードがプレイヤーの持ち札。ロープだったり工具用品だったり……タキシードといった、一見何に使うのか分からないアイテムもあるよ。
アイテムカードの隣の山にある「1」と書かれたカードは「1枚のアイテムカードを使って」状況を打破しろって意味なんだ。
この「1」をめくると……
プレイヤーがどんなアクシデントに直面しているかが書かれたイベントカードになってるよ。自分の持ち札を使って、うまいことアクシデントを解決するのがゲームの目的!
解決できたかどうかの判断はプレイ番以外の人が「いっせーの」のかけ声と一緒に、成功なら親指を上に、失敗なら下に向けて多数決をとるんだ。
*プレイレポ*
ぱん太に降りかかった最初のアクシデントは、「壁に掛かっている猟銃が暴発し、弾がこちらに向かっている」というもの。
手持ちのアイテム「タキシード」「ガム」「懐中時計」の3枚すべてを使って乗り切らなくちゃいけない。この難題にボクがだした答えは……
「ガムを食べながら部屋に入ったボクは、タキシードの胸ポケットに懐中時計を入れていて助かった(ガム関係ない)!」
この方法は3人にブーされた。もし素晴らしい解決法を思いついた人はぱん太に教えてね。
その後は襲いかかってきたチェーンソー男をナイフで撃退し、奪ったチェーンソー(たまたまアイテムカードが出た)で、悪魔を成敗したよ。
ホラーっていうよりスプラッターになっちゃったけど、とっても楽しかった!
同じカードを持っていてもプレイヤーによって展開が変わるから、何度でも遊べちゃいそうだ。
クエスト4 『モンスターメーカー』
ひと息ついたところで、緊急クエストのお知らせが耳に入った。
「モンスターメーカーのパーティーを募集しています!」
初めて聞くタイトルだけど、モンスターを孵化させるゲームならぱん太の得意分野だ(*1)と思って駆けつけたよ。
待ち受けていたのは、またもや四天王の藤浪先生。
モンスターメーカーを遊んだことはありますか? と尋ねられ、ボクは素直に首を振った。
「それなら、いっそう楽しめると思いますよ」
『モンスターメーカー』はファンタジーゲームがまだ日本に浸透していなかった80年代に発表され、改良を重ねて現代までたくさんの人に遊ばれてきたカードゲームなんだって。
ルールの細かな改良は行われてきたんだけど、基本的な仕組みや使うカードは変わってないと聞いてびっくり。アナログゲームの尽きない面白さを感じるね。
藤浪先生が持ってきていた新旧の『モンスターメーカー』を並べてみたよ。
*遊び方*
遊び方はいたってシンプル!
各プレイヤーは地下の迷宮を進んでいき、奥深くに置いてある宝物をゲットして戻ってくるだけ。モンスターはどこに出てくるのかっていうと、5枚の手札の中に「モンスターカード」がある場合、他の人の迷宮に配置して行く手を阻むことができるんだ。
反対に、モンスターを配置された人は手札にあるモンスターを使って退治しないと先に進めないよ。
自分の手番にできることは以下の4つ。
・先に進む
・モンスターの配置
・モンスターとの戦闘
・手札の破棄
・モンスターの配置
・モンスターとの戦闘
・手札の破棄
一番に戻ってきたらボーナスがもらえるけど、迷宮に眠るお宝にはランダムに価値が決められているから、勝敗の行方は最後まで分からないのさ。
*プレイレポ*
周りの人は迷宮に入って早々にモンスターに出くわしたみたいだね(ボクが置いたんだけど)。
モンスターを倒すには、配置されたモンスターカードに書かれた数値よりも高いダメージを出さなきゃいけない。ダメージの数値は、攻撃側のモンスターによって決められた数のダイスを振って計算するよ。
じつはこのゲームではカード運が良くて、ぱん太が1位になったんだ!
写真を見てもらうと分かるとおり、迷宮を進むための「迷宮カード」の数値が大きければぐんぐん先に行けて、いち早くお宝を持って帰ることができる。とはいえ、リードしすぎると他の人にモンスターを置かれるちゃうから、駆け引きも重要になってくるよ。
簡単なルールなのに、戦闘だけでなくちょっとした読み合いも楽しめるところが『モンスターメーカー』が長く愛されてきた所以なのかもしれないね。
*****
一日を通して数々の冒険をくぐり抜けてきた勇者ぱん太。
旅の終わりを締めくくるのは、大掛かりなドラゴン退治! そういえば、ボクたちはドラゴンを倒すために任務をこなしてたんだよね。
女神さまによると、ついに伝説の武器「ドラゴンコアブレイカー」を手に入れることができたという。ボクたち冒険者が集めた金貨(スタンプを貯めるともらえるんだ)が役に立ったみたい! 遊んでたつもりが、気がついたら世界を救う手助けをしていたとは……。
勇ましい冒険者の中から選ばれし5人が歩み出てきて、5匹のおいしそ……おそろしいドラゴンの前に立った。手には噂のドラゴンコアブレイカー(という設定の調理器具)を持っている。そう、このチョコドラゴンこそ、ドラゴンを倒す鍵となる「ドラゴンコア」。
運ばれてきた途端あまりのクオリティの高さに「何あれ!」「何でできてるの?」と会場がどよめいた。
それもそのはず。このチョコは、冷やして固めるのに半日かかるんだって!ってことは、5匹で全部で約3日? しかも、傷つかないように型から外すのがとても大変らしい。すごい造形だもんね。
やがて、会場全員による「いっせーの」のかけ声とともに、ドラゴンへ激しい一撃が振り下ろされた!
粉々に飛び散るドラゴンの欠片を見ながら、ボクは思った。
もっとかっこいいかけ声はなかったのかな……
その後、粉々になったドラゴンたちはみんなでおいしくいただいたよ。
このチョコレートのために、来年もまた「大ボドゲ宴」に参加したいなとぱん太は思うのでした。
おしまい
*1
ゲーム「ポケットモンスター」シリーズにおいて、優秀なポケモンを育てるために大量の卵を孵化させる作業のこと。ぱん太は青春時代をこれに捧げている。
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