【第69回】うちのファンタジー世界の考察－チーター

時速110kmの陸上最速の動物として知られる。
その脚力を活かして、エモノを走って走って追いかけて仕留める。実はこれほど効率の悪い狩りはない。
全力で追いかけても狩りが成功するのは10回に1、2回でしかない（速くは足るため、脚のツメは出っぱなしで、先はイヌのように丸くすり減り、他のネコ科のようにエモノを引き裂くカギツメでなくなってる。また、軽量化のため頭部は小さくなり、アゴの筋肉も弱くてエモノの喉を噛み裂けない）。
つまり、自然界における彼らの立場はとてもアンバランスで、捕食者のくせにエコロジー（生物生態系）の頂点には立てないどころか、いてもいなくてもエコロジーにはさして影響のない存在なのである。

そういったアンバランスなニッチェ（生態的地位）な動物というのは、自然界では“失敗作”として淘汰され絶滅するものなのだが、実はチーターにはそうなったらしい過去があるという。

まったく血のつながってないチーター同士のヒフを切り取って“交換移植”すると、本来なら拒絶反応で定着しないはずなのに、チーターの場合は拒絶反応を起こすことなくくっついてしまう。
これは親子・兄弟以上にDNAが均質化してるためで、このことからチーターという種は過去（1万年ほど前）に絶滅し、その時わずか1家族程度が生き残り、現在のチーターはその家族から再び増えた子孫だと云われている。